FIREするなら何歳? 3つのルートで考える

 東京オリンピック・パラリンピックも幕を閉じてしましましたね。こんにちは、ディアパートナー行政書士・FP事務所 代表の瀧澤です。

 さて、2019年の「老後2000万円問題」、20年の「新しいお金の生活様式」など、その年を象徴するお金のキーワードが次々と登場しましたが、2021年の話題は「FIRE」だそうです。

 米国で始まり、経済的独立と早期リタイアという夢を実現しようというムーブメントですが、これは日本において、本当に可能なのでしょうか、また日本で考えるなら注意すべき点は何なのでしょうか。

米国のミレニアル世代から支持

 米国で流行しているFIREというムーブメントが日本でも話題となっています。マネー雑誌の特集になるだけではなく、若者向け雑誌やネットの記事、動画でも多く取り上げられ、高いアクセスを記録しているそうです。

 FIREは「Financial Independence, Retire Early」の略です。経済的な独立を果たせるだけの資産形成を行い、早期リタイアの実現を目指す取り組みを指します。

 米国では特に、ミレニアル世代(1981~96年生まれ)、つまり今世紀に入ってから社会人になった世代に支持されているといわれます。

 そして、日本にもそのブームが広がりつつあります。米国のFIRE伝道者の解説本が翻訳されベストセラーとなっているほか、国内の早期リタイア成功者が自身の投資手法を紹介する本もFIREのタイトルを冠してよく売れているそうです。

 早期リタイアというのは誰もが描く、大きな夢です。

日本版FIREのリタイア年齢 3パターンは?

 日本におけるFIREの3つのリタイア年齢のパターンを示し、FIREを現実化する方法を考えてみます。「真夏の夢」を夢で終わらせない選択肢を探してみましょう。

海外FIRE本はアラフォーでのリタイア推し

 海外、特にアメリカで著されたFIRE本は、40歳前後の早期リタイアという大きな目標を掲げます。これは確かに夢のある話です。

 しかし実現性を考えると難しいものがあります。日本でいえば早い段階で年収600万円以上、できれば1000万円を目指すようなキャリアアップが欲しくなり、また毎年年収の50%以上をためるくらいの節約も継続する必要があります。

 資産運用においても国内外へのインデックス投資では物足りず、高いリスクを取った運用を模索することになります。そのための時間的リソースも大きな負担となると思われます。

 それでも、あなたがもし20歳代で覚悟をもってFIREにチャレンジするなら、FIREを真剣に目指してみてください。周囲に笑われても気にする必要はありませんし、むしろ伏せておくくらいがいいようです。

 しかし、資産の増加ペースが追いつかず、アラフォーでのFIREが難しい場合は、「あと5年」「あと10年」のように少し先送りすることも考えてみたほうが良いようです。

 ところで、早いリタイアを実現させるにはもう一つの方法があります。それは生活コストを極限まで切り詰めるミニマリストライフにするやりかたです。年収240万円で暮らせるなら、6000万円あれば25年分相当になります。

 しかしこの場合は、仕事から早期リタイアはできるものの、その生活水準で50年以上暮らしていかなければいけない、という決断と覚悟が必要になります。はたして、早期リタイアできるものの、生活コストを極限まで切り詰めるミニマリストライフが一生涯続くことになります。

日本では50歳代あるいは60歳が現実的?

 日本人が著したFIRE本がいくつかありますが、50歳代でのリタイアを実現した人が多いように思います。もしかしたら、「50歳代」というのは日本人のFIREにちょうどいい時期なのかもしれません。

 50歳代というのはある程度ビジネスキャリアも成熟し、体力的にはピークアウトとも向き合う頃合いです。そこまでのあいだにしっかり資産形成をしていけば、稼ぐ時間も投資を行う期間も30年以上の十分な期間を確保できます。投資においても長期運用が実現されれば、納得のいく資産形成にたどり着ける可能性があります。

 そして、リタイア後の自由時間もバランスがいいように思います。30~40歳代でのFIREはしばしば、「仕事からの逃避」だけに目的があったりしますが、実際仕事を辞めてみると有り余る時間を前に途方に暮れてしまうことがあります。

 50歳代でのリタイアは、老い(残された時間の大切さ)を意識しつつ、仕事から離れて何かやりたいことをみつけるのにはちょうどいいタイミングかもしれません。

 準備金額のことを考えても、10年ないし15年分の資産形成でよいので「40歳代FIREよりも準備目標額は低く、準備期間は長く」なります。これもまた実現性を高めることにつながるのではないでしょうか。

「60歳リタイア」の実現を意識

 日本人に向いたFIREは「まずは60歳」「可能なら50歳代」というもので、子育てや住宅ローン返済を同時並行でこなしつつ、経済的自由を目指す場合、数十年分の資産形成はなかなか大変です。

 まずは「5年」の経済的自由を手にすることを目指します。これは「定年退職」年齢ですっぱり辞める、というシンプルな区切りでもあり、目標としても分かりやすいものです。(私の場合も、60歳定年でスッパリ退職し、再就職はしませんでした・・・)

 何よりも「会社に頭を下げて5年しがみつく」というイメージから解放され、60歳で自由になるのは気持ちよいものです。

 半面、長い間、定期的にサラリーを受取っていた身としては一抹の寂しさがありますが、自分で行動を決まられる自由は大変すばらしいものです!どうやって規則正しい生活を送れるかは課題ですが。

 退職金(や企業年金)も基本的に満額、公的年金水準も60歳までの加入履歴に基づき支給してもらえるので、「60歳からの5年間」の生活費が「老後に2000万円」に加えて確保できれば、心配なくリタイアすることができると思います。

もうひとつの選択肢、「プチFIRE」

 これは、延ばせるなら徐々に早期リタイアの夢を広げるものです。
 30~40歳代でのFIREの思わぬ落とし穴として、退職金があまりもらえなかったり(若年層はそもそも支給額が低く、かつ自己都合退職には減額規定があることが多い)、公的年金水準も大幅にダウンしたりすることがあげられます(リタイア以降の期間は厚生年金未加入であるため、厚生年金額が大きく下がる)。

 これを踏まえても、「5年早いプチFIRE」をまず目指し、そこから「50歳代でのFIRE」にステップアップしていくことがお勧めではないでしょうか。

 資産形成が順調に推移すれば「60歳リタイアのつもりだったけれど、55歳の今、FIREしよう」というように少しずつ繰り上げていくことができるわけです。

 逆に資産形成が遅れ気味であれば無理せず実行を延期していきます。お金の心配がないことがFIREでの早期リタイアの大前提ですから、つなわたりのような資金管理になるリタイアはしないことです。

まとめ

 FIREは、生涯にわたってのマネープランをしっかり計画することにもつながります。40歳代リタイアにこだわらなければ、私たちのお金の流れを大幅に改善することができます。毎月のカードの支払い等にきゅうきゅうとしつつ何十年も働き続けるより、1000万円を超えた資産を若いうちから増やしながら働き続けることのほうが、どんなに精神的に安定したものとなることでしょうか。

 そして専門家はこう勧めています。

 あなたも、あなたのFIREを目指して、まずは家計管理の見直しからスタートしてみてはいかがでしょうか。

 結局はここにたどり着くのですね。お金の問題だけでなく、人生の充実度も上昇させていきたいですね。最期の瞬間に後悔の残らないように!(・・・とはいえ、流されてしまうのは人間の性でしょうか・・・)

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