60代ライフの「幸せ」に必要な資産額とは

みなさん、こんにちは!「家族信託」や「遺言書」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。

日本経済新聞電子版(2022年4月22日)に、60代ライフに関する気になる記事が掲載されていましたので、それに関して投稿していきます。なんといってもテーマは「人生100年こわくない」です(笑)。でも副題もついてました「資産活用で笑おう」!

60代の本音

アンケート結果から、生活の満足度を巡る60代の本音が浮き彫りになりました。

金融業界では、「退職後の生活に資するため、早くから資産運用を中核とした資産形成が必要だ」といわれています。その一方で、実際、資産運用をしなくとも、一定程度の預金と年金だけで退職後の生活を満足しながら暮らす人たちも多数存在します。

なぜ現役時代に資産形成を進めなければならないのかと聞かれて、どう答えるべきでしょうか。

ライフサイクル仮説では、現役時代の所得の余剰分を退職後の生活に移転(=資産形成)することが合理的な判断だとされていますが、それが生涯を通じて幸せな生活をするためだとすれば、「幸せな退職後の生活のために現役時代に資産形成を行う」ということになります。

ならば、資産があることが幸せにつながるのだろうか、どれくらいの資産があれば幸せと感じるのだろうか、何と比較して多いと認識できれば幸せなのだろうか、などといった疑問が次々と湧き出してきます。

5点満点で満足度を調査

フィンウェル研究所は、2022年2月に「60代6000人の声」アンケートを実施しました。三大都市圏、人口100万人以上の県庁所在地、30万~100万人の県庁所在地、それぞれから60代2000人以上、合計で6485人の回答を得ました。

今回の調査で中核に据えたテーマの一つは、60代の生活満足度です。

「あなたは現在の生活全般に満足していますか」という設問と、選択肢として「満足できる」「どちらかといえば満足できる」「どちらともいえない」「どちらかといえば満足できない」「満足できない」の5つを用意しました。それを5点から1点に換算して、集計しました。

分布をみると、5点満点の「満足している」は全体の9.0%と少なく、最も多かったのが4点の「どちらかといえば満足できる」でした。また回答者6485人の平均値は3.17点で、3点の「どちらともいえない」より少し満足している姿を示しています。

「生活全般の満足度」の他にも、「健康状態」「仕事・やりがい」「人間関係」「資産水準」の満足度も聞きました。それぞれの平均値は、「人間関係」が3.51点と最も高く、次いで「健康状態」の3.30点、「仕事・やりがい」の3.20点と続きました。ただ残念ながら「資産水準」は平均値が2.80点と、「どちらともいえない」水準を下回っていました。

資産水準が生活を左右する

今回のアンケート調査とその分析で分かったことは、退職後の生活に満足感を持つためには、「健康、やりがい、人間関係といったことも重要だが、それらよりも生活の満足度に大きな影響を与えているのは資産水準」だという点でした。

改めて、「資産水準」の満足度の平均値は2.80点と最も低かったが、だからこそ改善の余地が大きいといえるのではないでしょうか。

ただ「資産水準」は、「健康状態」「仕事・やりがい」「人間関係」とは違って、60代になってから対応するのは困難です。「ジョギングなどをして現役時代よりも健康に留意する」とか、「趣味の集まりで新しい仲間を増やす」といったことは、60代だからこそできることだが、「資産水準」は現役時代から始めることが重要になります。

退職金を使って慌てて資産運用しようものなら、かえってリスクの高い投資に飛びついて、思いがけない損失を被ることもあり得ます。だからこそ、冒頭の質問への回答は、「退職後の生活の満足度を高めるためにも、現役時代からの資産運用が重要になる」といえそうです。

ところで2019年6月に金融審議会市場ワーキング・グループが取りまとめた「高齢社会における資産形成と管理」と題する報告書は、その報告書の前段となる現状分析のなかで家計調査を利用した「高齢者の支出と年金収入の差額」から、必要な資産の平均値として2000万円程度という規模感が示されました。

これが、”年金だけでは老後の生活は不十分で、老後に向けて2000万円の資産をつくり上げる必要があることを政府の研究会が認めた”という、年金危機をあおるようなコンテクスト(文脈)でマスコミで取り上げられました。

いわゆる「老後2000万円問題」のことですが、これは意図せざる形で退職後の生活に必要な資産規模を社会に刷り込んだ可能性があります。

「老後2000万円問題」意識か

今回の結果から、60代の資産水準の満足度が2000万円を意識したものになっているようにも映ります。今回、アンケート回答者全体の保有資産額平均値は2696万円で「資産水準」の満足度の平均は2.80点でした。

これを保有資産額ごとに集計して平均点を計算し、その分布図をみると、資産水準の満足度で「どちらでもない」と回答した3点の人の保有資産額は2000万円を少し超えたところにあることがわかりました。

同様に「満足できる」(5点)と「どちらかといえば満足できる」(4点)を回答した人の比率を集計しました。回答者全員では27.9%でしたが、1501万~2000万円の層では26.7%と、これを若干下回ります。2000万~5000万円の層では39.5%とこれを一気に上回り、2000万円前後に分岐点があることがうかがわれます。

「2000万円問題」は意図せざる形でその後の資産形成の流れを作った1つの契機といえるかもしれませんが、2000万円という一律の金額が社会のゴール設定になってはいけないと、この記事では警鐘をならしています。

まとめ

「60代ライフ」、私自身がその年齢層にあたりますので、身につまされるお話です。

しかし、この「2000万円問題」が注目される前から、公的年金だけでは充実した老後を送ることは難しいことは多くの人が考えていたのではないでしょうか。多くの人はこの数字がクローズアップされた時に「やっぱりね」と思ったはずです。

でも、60代には、「人間関係」、「健康状態」、「仕事・やりがい」が重要視されているのですね。なぜだか、ちょっぴり安心した調査結果でした。

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