2022年 くらしの制度、こんなに変わる

こんにちは!「家族信託を活用した生前相続対策」などに特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。

今年2022年は、くらしに関する制度が次々と変わるります。年金、税、住宅など「知らないでは済まされない」重要予定とはどんなものがあるのでしょうか?

1月8日付けの日本経済新聞「なんでもランキング」の記事から投稿します。(ファイナンシャルプランナー(FP)など専門家が選考)

1位 厚生年金、適用広く(10月) 中小でのパートなど影響

パートなど短時間労働者も一定条件を満たすと厚生年金などに加入します。かつての加入条件は正社員の4分の3以上の労働時間などでしたが、今は従業員500人超の会社などなら「週20時間以上働く」「月収8.8万円以上」などを満たせば加入することになります。

2022年10月からは従業員100人超の会社でもこの条件が適用されます。厚生労働省によれば新たに約45万人が適用となる見込みです。さらに2年後の24年10月には同50人超の会社でも適用されます。

特に影響が出そうなのがパート労働者らです。専門家は「配偶者の扶養でいるつもりが、自分で(厚生年金など)社会保険に加入し、保険料が天引きされる例が増える」としています。

目先は保険料負担で手取り収入が減りかねないため、新たな適用基準に当たる年収目安を基に「106万円の壁」などと呼び、働く時間などを調整する人もいますが、「壁」を超えて働けば、将来の年金は基本的に増えることになります。

「パートなどで働いてきた女性の年金が少ないことは定年後夫婦の家計の問題点になる」だけに、見落としたくない部分です。厚生年金とセットで加入する健康保険で「傷病手当金などを受けられる可能性も生じる」ので、加入の利点はよく見極めておきたいものです。

2位 住宅ローン減税変更 (1月) 控除率・期間に注意

これまで住宅ローンを使うと原則10年、毎年末の残高の1%など(一般の新築住宅は最大年40万円)が税額控除されていましたが、税制改正で見直されます。正式決定は国会審議後ですが、控除率が0.7%に下がり、対象の残高上限も変わります。一定の省エネ基準に満たない新築住宅なら控除額は最大年21万円(23年末まで入居の場合)。

新築なら控除期間は原則13年に延びますが、24年以降は省エネ基準不適合だと10年へ戻る場合があります。「住宅を新規取得する人にはインパクトが大きい。環境性能などで内容に差があり購入住宅がどの区分かという確認は必須だ」と専門家は話します。

見直しの背景には金利低下があります。従来の控除率1%を下回る低金利が増え、支払利息より控除額が大きい「逆ざや」が広がり、会計検査院が問題視し、リモートワークの広がりなどもあり「住宅購入ニーズが高い中、関心は非常に高い」としています。

ただ、払う税金などで変更の影響度は異なり、新制度の方が控除が大きくなる場合も考えられます。「源泉徴収票などで自分が払う税はいくらか確認を」して、対象者の所得上限なども見直されているので、自分の条件と照合し、新ルールを確かめる必要があります。

3位 年金、75歳まで繰り下げ可能に(4月) 最大84%増

公的年金は原則65歳からの支給ですが、65歳より遅くもらえば繰り下げ、早くもらえば繰り上げとなります。繰り下げは現在70歳までですが、75歳まで引き上げられます。繰り下げると年金は1カ月ごとに0.7%増え、75歳まで繰り下げると84%増となります。

増額率に目が行きがちだが、肝心なのは「月単位で年金が増えるので、収入や働き方に応じて上手に活用すること」が必要です。75歳までに広がった選択肢をどう使うか考えたいものです。「年金受給増額に企業年金などが加算されると、医療費などの窓口負担割合が上がる可能性を見落としがち」なので注意が必要となります。

ちなみに繰り上げると1カ月ごとに年金は減ります。減額率は0.5%から0.4%に縮小されます。「やむを得ない事情で繰り上げる人には朗報だが、それ以外の人に減額率が縮小しても繰り上げは勧めない」という専門家の声もありました。年金減は、想定以上に長生きしたときに生活を不安定にするリスクが無視できません。繰り上げ、繰り下げとも新ルール適用には誕生日にも条件があります。

4位 高齢労働者、年金減りにくく(4月) 60代前半の在職老齢年金

60歳以降に厚生年金に加入して働き、一定以上の収入を得ると年金が一部か全部、もらえなくなるのを在職老齢年金と呼びます。60~64歳はこの仕組みが変わることになります。現在は賃金と年金の合計が月28万円を超えるかが基準ですが、47万円に上がります。年金減額対象者は約37万人から約11万人に減る見込みです。

引き上げで恩恵を受ける対象者はかなり限られ、「改正のタイミングは少し遅かった」という声も。一方、「働く意欲をなくすような制度は変更が必要」という指摘も聞かれます。高齢期も働くのが普通という感覚はますます強まっていきそうです。

5位 イデコ加入期間長く (5月) 65歳まで続けられる 

複数の税優遇がある個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)ですが、一定条件を満たせば、加入できる年齢が60歳未満から65歳未満に上がります。

「投資にお金を回せる余裕が生じた50代が、これまで60歳までの短期しかないと知って加入を敬遠する例が多かったことから、老後の資金形成が進む」という専門家の声が聞かれました。

この5月の改正に続き、10月には別の制度である企業型確定拠出年金(DC)とイデコの併用も容易になることもあり、専門家は「厚生年金に加入して再雇用で働くのであれば、積極的にイデコを活用すべきだ」と話しています。

6位 65歳以上の年金、働けば毎年増(4月) 就労意欲アップに期待

通常、会社員らが厚生年金に加入して働くほど年金は増えていきます。しかし、厚生年金を受給している65歳以上はこれまで、働いている間は年金が増えず、退職時などにまとめて上乗せされていました。この仕組みが変わり、働きながらでも毎年1回、年金が改定されるようになります。長く働くことによる年金増加のメリットが早期に得られるようになります。

長く働くことが大切と考えてはいても体力・気力の低下で実践が難しいと感じる人もいます。階段を上るように着実に年金が増える今回の仕組みは、高齢者の就労意欲向上のインセンティブとして期待されます。

7位 パパも「産休」 (10月) 育休の見直し、分割もOK

男性が子の出生後8週間以内に、4週間まで2回に分割して取得できる「産後パパ育休」が創設されます。「男性版産休」とも考えられます。同時に、通常の育休も2回までの分割取得が可能になります。夫婦が交代しながら、それぞれ分割で育休を取得し、育児を担える仕組みが整います。

この改正に先立つ4月には有期雇用で働く人が育休を取得しやすくする条件の緩和も行われます。

8位 18歳で成人 (4月) 親の同意なく契約可能

民法の改正によって、成人年齢が20歳から18歳に変わります。酒を飲んだり、たばこを吸ったりできるようになる年齢と国民年金の加入義務が発生する年齢は20歳のままですが、大きく変わることも多くあります。例えば、借金などの契約が18~19歳でも可能になり、親の同意がないからと後から取り消すことはできなくなるのが原則です。

「18歳で成人になった人を標的にした悪徳商法などが出てくるかもしれない。親子で話し合い、何ができ、何ができないか、契約などで何に注意すべきかを確認したい」と専門家は話しています。若い世代への金融教育のあり方が改めて問われることになりそうです。

9位 高齢者の医療費、窓口負担2割(10月) 約370万人が対象

現在、75歳以上の人の多くは医療費の窓口負担が1割ですが、法改正により一部は2割負担に変わります。単身世帯なら収入から各種控除を差し引いた課税所得が28万円以上かつ年収200万円以上で2割負担となります。対象は約370万人と見込まれます。当初は幅を持たせていた開始時期は10月からとなりました。

負担感は大きくなりますが、激変緩和措置も用意されます。外来受診で施行後3年間は1カ月の負担増を最大でも3000円とする予定です。医療費の負担感は増しており。今回は対象外の人も将来、負担割合がまた見直される可能性は考えておくべきかもしれません。

10位 火災保険、最長5年契約 (10月) 自然災害の増加響く

住宅の火災保険が変わります。現在は最長10年の契約が可能ですが、5年に縮みます。大手保険会社は10月以降の実施を検討中です。通常なら長期契約するほど保険料は割安になりますが、近年は契約期間の短縮が続きます。2015年には最長契約期間が36年から10年に変更されていました。

火災保険は台風や豪雨の被害もカバーしますが、最近は大型被害が相次ぎ、多額の保険金支払いが続いていました。期間短縮化も、リスクの長期的な評価が難しくなったことが背景にあります。「やむを得ない措置だが、保険料負担の増大が予想され、家計圧迫は避けられない」と専門家は話しています。保険の契約内容の見直しなどは早めに検討したいものです。

制度相互に関連 自分で考え選ぶ

一見、多くの制度がバラバラに改正されるように感じる2022年ですが、実は各制度は相互に関係し合っています。例えば、長寿化の中で長く働くという点で考えると「厚生年金、適用拡大」(1位)で公的年金に加入して働きやすくなったとします。収入が安定すれば、「年金繰り下げ」(3位)の選択、「イデコ加入年齢引き上げ」(5位)の活用で、老後の年金を増やす余地も広がります。10位内からは漏れましたが、1月には65歳以上の人が複数の事業所で働く場合、雇用保険に入りやすくなる制度改正も行われました。高齢期の「複業」の場合も、失業や介護休業などで給付が出るケースが増えると考えられます。

「人生100年時代」の中、制度変更で何歳まで、どう働くかという選択肢は充実しつつあります。もっとも、選択肢を的確に生かすには「自分で考え、選ぶ意識が欠かせない」とし、制度改正を少し意識するだけでも「手取り収入が増えたり、色々な給付金の対象になったりと結果が大きく変わりうる」と専門家は話しています。自分に関係する部分がないのか、常に関心を払う姿勢が非常に大切になります。

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