頭金ゼロ、変わる住宅ローン 銀行も個人もリスク蓄積

みなさん、こんにちは!「家族信託」に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。
今回は、日本経済新聞「金融PLUS」で、変革する住宅ローンについての記事が掲載されていましたので、それに関して投稿していきます。

最近の住宅ローン事情

頭金なしで住宅を購入する人が増えています。頭金は物件価格の2~3割が目安とされていますが、働き方の変化や晩婚化で、頭金をためて住宅ローンを組み、定年までにコツコツ返すといった常識は変わりつつあります。

また、新規顧客を獲得するための銀行同士の金利競争は激さを呈しており、借りすぎの利用者もいるとみられ、銀行のリスク管理が重要になっています。

今は、年末調整や与党の税制協議など住宅ローンの話題が多い季節ですが、自民、公明両党の税制調査会は11月26日、2022年度税制改正に向けた議論に着手しました。「税のゆがみ」是正もテーマの一つで、足元の低金利で、支払う利息額より控除額が多くなる場合があるため、政府・与党は借入残高の1%を所得税から差し引く住宅ローン減税の仕組みを見直す考えです。

住宅ローンの残高は増えています。住宅金融支援機構によると、個人の住宅ローン残高は2021年3月末で206兆円。2010年3月末の175兆円を底に緩やかな上昇が続いています。これには、低金利が続いていることが大きいとみられています。今は変動金利型なら年0.4%程度で借りることができます。

借り方にも変化が

住宅ローンの借り方にも変化がみられます。三井住友信託銀行と三井住友トラスト・資産のミライ研究所が6月に発表した調査では、頭金ゼロと答えた人が全世代で27%いました。住宅購入者の7割を占める30代に限ると、頭金ゼロが38%、頭金1割が29%でした。同研究所は「住宅ローン減税の終了前に利用したい」「頭金をためていると完済時に高齢化」「物件価格の高止まりで待っていても安くなりそうにない」といった事情があるとみています。

住宅の取得年齢にも変化

共働き世帯の購入が目立つ都心のマンション。住宅の取得年齢は30代後半から40代にずれこんでいます。
不動産経済研究所によると、10月の首都圏の新築マンションの平均価格は6750万円と前年から1割上昇しました。バブル期の1990年を超えて10月としては過去最高でした。東京23区内の平均価格は8455万円にもなります。都心のマンションは共働き世帯の購入が目立ちます。

住宅ローン 審査でも変化が

住宅ローンの組みやすさがマンション価格を上げる一つの要因になっているようです。銀行は働き方や家族形態の変化に伴い、住宅ローンの商品性を改善してきています。例えば、夫婦で住宅ローンを組むペアローンでは法律婚だけでなく、事実婚や同性パートナーも対象にする銀行が出てきました。団体信用生命保険(団信)の加入はどちらか一方しか入れない場合が多いが、二人とも入れる商品があります。

ローンの審査も変わりつつあります。かつては転職から3年間は融資できない銀行が多かったのですが、今は地方銀行も含め、転職から半年でも融資する銀行が存在します。数年分の収入の推移をみるなど勤続年数以外の要素を判断材料に加えているようです。

ただ、住宅の取得年齢が30代後半から40代にずれ込んでいることが懸念材料でもあります。35年ローンを組むと、完済時が70歳以上という人もいます。ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんは「物件の高騰や低金利もあって、借りすぎの人がみられる。完済時の年齢が65歳すぎにならないよう注意が必要だ」と話しています。

銀行と個人のリスク

新型コロナウイルス禍をきっかけに収入と雇用の不確実性は高まりました。金融庁によると、金融機関に住宅ローンの返済計画について条件変更を申し出た件数は2020年3月から2021年9月までの累計で5万7千件と増加傾向にあります。返済期間を延ばせば毎月の返済額は軽くなるものの、後々の返済の負担は重くなってしまいます。

インターネット専用銀行の攻勢で金融機関の金利競争は激しさを増しています。大手銀行からは「これ以上の金利競争は限界」との声がよく聞かれ、過当競争で銀行にも個人にもリスクが蓄積していることは否めません。

長期の返済を前提にした住宅ローンは、一般の会社員が高額な住宅を取得できるようにした重要な金融商品という一面もあります。住宅ローンが組みやすくなった結果として、借りすぎの人が増えているとすれば本末転倒といえるでしょう。ローンが返済できない場合は担保である住宅を売却して回収する手段が銀行にはありますが、銀行は担保権の実行を望んではいません。個人は金利上昇や高齢時の病気などに対応できるのか。銀行側も将来に向けたリスク管理を考える時にきているといえます。

まとめ

ローンを組む場合は、慎重なシミュレーションが欠かせませんが、慎重になり過ぎで晩年になってローンを組むのもリスクがあります。専門家にも力を借りながら進めたいものです。

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