金融用語の基礎知識、ランキングは?

 すっかり秋の気配ですね。こんにちは、ディアパートナー行政書士・FP事務所 代表の瀧澤です。

 9月11日付日本経済新聞のNIKKEIプラス1で「子どもに聞かれて困る金融用語」をランキングしていました。

 現代社会では金融知識の重要性が増しており、テレビ・ラジオ、新聞に頻繁に登場しながら、大人でも知らない言葉は意外と多いものです。約千人の日経読者にアンケートし、理解が曖昧だった金融用語をランキングしたものを編集して投稿します。

 子どもに分かるような解説こそが、私たちにも良く理解できる解説なのかもしれません!

1位 FX

高レバレッジ可能な外貨取引

 もともとは日本円を米ドルなどに換える外国為替(Foreign Exchange)を指します。国内では「証拠金」と呼ぶ、預けたお金の何倍もの売買ができるレバレッジ(leverage、「てこ」)という仕組みを使った「外国為替証拠金」取引の意味で主に使われます。

 取引は、円とドルなど2つの通貨を交換する相場を予測して売買します。元本以上の金額を取引できるため、大きなもうけが期待できる一方、預けた証拠金以上の損失が生じるおそれがあり、元本も利益も保証されません。国内では1998年の法改正を受けて始まりました。

 制度開始当初は電話注文が基本だったが、その後にインターネット取引が広がりました。テレビCMやネット広告が盛んに行われているため、耳にする機会は多いのかもしれません。

 アンケート調査では、「わかる」「曖昧」「わからない」の3つの選択肢を示したところ「わからない」は126人と少なく「曖昧」が約1000人中686人と最多でした。何となくわかるが、細かい解説は難しいと感じる人が多いようです。

 国内FX投資家は海外で「ミセス・ワタナベ」と呼ばれましたが、これは、主婦層が多いというイメージからの命名だとされています。ただ、取引の仕組みやリスクを完全に把握していた人ばかりとは限らず、取引開始後は投資家と取引業者の間でトラブルも目立ち、様々な規制が導入されて現在に至っているのが現状です。

 「用語の表面的な意味を解説できるだけでなく、投資というより(短期的な一獲千金を狙う)『投機』に近い取引だと解説できる基礎知識こそが大切だ」(瀧俊雄氏=マネーフォワード執行役員・Fintech研究所長)との指摘もありました。

2位 暗号資産(仮想通貨)

電子取引可能な資産の新名称

 ビットコインなど、電子的にやりとりされる資産のことを指します。1位のFX同様「わからない」人は約1000人中161人と少なく、聞いたことはあるが、詳細は不明確なままという人が目立ちました。

 一般的には仮想通貨ということばが使われることも多いが、法律上の正式名称は「暗号資産」となっています。2016年の法改正で、まずビットコインなどを仮想通貨と定義づけた経緯があり、法的にも仮想通貨と呼んでいた時期があります。

 もっとも、その後、投機性が高く、値動きが激しいうえに、現実の金融資産などによる価値の裏付けがないものも多いことから、通貨と呼ぶことへの異論が国際的に高まりました。これを受け、2019年の法改正で「暗号技術を用いる資産」という意味の現在の呼称に変更した経緯があります。

 一方、世界各国で現在の暗号資産とは別の流れで、各国中央銀行によるデジタル通貨の発行の検討の動きも広がっています。

3位 家族信託

存命中に家族が財産を管理

 高齢者らが持つ預貯金や自宅不動産などを家族らに託す仕組みをいいます。親子間などで契約を結ぶもので、民事信託とも呼ばれています。信託銀行や信託会社が扱う商事信託とは基本的に違うものです。

 死後に遺産をどう扱うかを示す遺言も大切ですが、長寿化の今、80代後半になれば約40%が認知症になるという研究もあります。家族信託は、存命中に自分では資産管理が難しくなった時の備えとして、今注目の相続対策です。

 親が認知症になる前に契約しておき、もし発症(判断能力がなくなった段階で)したら、子の判断で親の家を売り、介護施設の費用などに充てることもできます。金銭的なメリットに加えて、親の家が空き家になるのを防ぐ効果も期待できます。

 ただ、家族間の契約といっても通常は報酬を払って司法書士などの専門家らの支援を受けることになります。報酬に見合う効果があるか、契約内容の細部をどう詰めるかは注意が必要となります。まず制度の存在を知り、親子で時間をかけて検討することが不安軽減の第一歩といえます。

家族信託組成数が全国トップクラスのグループ企業と業務提携

 ディアパートナー行政書士事務所では、今年に入ってから、司法書士法人・弁護士法人・行政書士法人などで構成され、”家族信託”組成数が全国トップクラスのトリニティグループのグループ企業である「トリニティ・テクノロジー株式会社」と「家族信託コンサルティング」に関する業務提携を結び、現在、サービス提供開始に向けて準備中です。

 サービス提供が開始される段階になりましたら、当ブログにも投稿していきますのでお楽しみに!

準備が整い次第、お知らせします。

4位 マイナス金利

銀行の資金貸し出し促進

 本来は利息を受け取る立場にいる、お金を預けた側が逆に利息を払うことを指します。国内では2016年に日本銀行が導入しました。金融機関は日本銀行にお金を預けていると利息を負担しないといけなくなる恐れがあるので、積極的に企業融資などへお金を振り向けると期待されました。

 通常のお金の貸し借りと利息の関係の反対という構図で、一見すると、解説するのは簡単そうだが「子どもたちに対しては『お金を預けて利息をとられる』という普通ではあり得ない、極端な措置が必要になるほど経済に元気がないとみなされたという導入背景こそ丁寧に話すべきだ」と専門家(前出の瀧氏)は話しています。

5位 フィンテック

スマホ普及で一般に広がる

 金融(Finance、ファイナンス)と技術(Technology、テクノロジー)を融合した言葉です。情報技術を活用して銀行や証券、保険などの金融商品・サービスをより便利にすることを目指します。キャッシュレス決済サービスや家計簿アプリなどが典型的な事例です。

 伝統的に金融は送金のためのネットワークなど情報技術と密接に結びついて発展してきた歴史があるが、ここ十数年でスマートフォンが急速に普及したことで様相が変わっってきました。これまで複雑だった金融取引をこうした個人の情報端末で手早く、簡単に行いたいという需要が大幅に高まり、様々な新技術開発につながってきています。

6位 プライマリーバランス

国の基礎的な収支

 借金に頼ることなく、歳出を賄うことができるのかを示す指標のことをいいます。計算するには、まず国の全体的な歳出から過去の借金返済にかかるコスト(利払いなど国債費)を差し引き、社会保障や公共事業などにかかる経費額をもとめます。

 次に歳入の中の税収等から先ほど計算でもとめた額を引きますが、これがマイナスとなっているなら、借金なしに歳出を保てない状態で、このままなら借金は増え続ける状況です。

 日本は赤字が続いていて、黒字化を目指していますが、達成時期については先送りが目立っています。将来、そのツケがまわりかねない子どもたちには黒字化の意義に加え、国の収支自体に関心を持ってもらえる解説を心がけたいと思います。

7位 マクロ経済スライド

社会・経済に合わせて年金給付を調整

 公的年金額の伸びを抑える仕組みを指します。(この一言に説明は分かりやすいですね~)

 年金額は物価や賃金の変動に応じて毎年改定していますが、このマクロ経済スライドが発動されると物価・賃金が上昇しても年金の伸びは低く抑えられる制度設計になっています。

 どの程度抑制するかは、制度を支える現役世代の減少や平均余命の伸びを考慮して決定するとされています。発動しない年もありましたが、現在は発動せずに未調整となった分は翌年度以降に持ち越す決まりとなっています。

 現在の年金受給世代の中にはこの制度を不安視する人もいるが、本来の目的は年金財政の健全化であり、子や孫などの将来世代の年金を確保していくための措置であることは見落としてはいけない点です。

8位 iDeCo(イデコ)

公的年金に上乗せ 税制優遇も

 個人型(Individual-type)、確定(Defined)、拠出(Contribution)年金(pension plan)を意味します。公的年金に上乗せする形で、個人が任意で加入し、運用する金融商品も自分で選ぶことになります。

 将来の年金額はその運用成績次第で変わってきます。掛け金、運用益、そして給付を受け取る時にそれぞれ税制上の優遇措置が用意されています。国民年金被保険者である60歳未満(2022年5月からは65歳未満に引き上げ)なら加入ができます。

 ただ、原則60歳まで引き出せないというルールや金融機関ごとにそろえている金融商品や手数料に差があることを十分に理解しないまま始めてしまう人もいるため、注意が必要です。

 わたし的には、子どもたちにもお金を稼ぐようになったら、いの一番に始めてもらいたい制度です。優遇措置の恩恵を十分活用しましょう!

9位 東証「プライム」

22年スタートの最上位区分

 ランキングもここまで進むと難しいですね~。

 2022年4月に東京証券取引所の市場が再編されて誕生する、実質的な最上位の区分のことを指します。

 現在の東証は1部、2部、マザーズ、ジャスダックと分かれていますが、プライムのほかに「スタンダード」と「グロース」という区分に整理され、市場は3区分となります。プライムは現在の東証1部とは区分に入るための条件は異なり、現在の1部上場企業がすべて新たな最上位区分に入るとは限りません。

 しかし、既に現状でどの新区分の基準に適合しているかは東証から各企業に通知されているようです。2021年9~12月の間に、企業はどの区分にするかを選び、これを受けて2022年1月に新区分の選択結果が公表される予定となっています。

10位 インデックス運用

市場の指数に合わせて投資

 株などの値動きを示す「日経平均株価」や米「S&P 500」といった指数(index、インデックス)に連動した値動きを目指す運用のことをいいます。インデックス型と呼ばれる投資信託やETF(上場投資信託)が典型的な商品例となります。

 株式の銘柄を独自に選定するなどして市場平均を上回る成績を狙う「アクティブ運用」に比べると、より堅実な投資スタイルだと一般的には考えられています。もっとも、指数にも様々な種類が存在しているうえ、同じ指数へ連動を目指す金融商品であっても、それぞれコスト差があり、長い目で見ると運用成績も異なってくる場合があることには注意が必要となります。

まとめ 用語の名称より意味を知ろう

 このアンケート調査で失敗談を聞くと、「FXを『ファクスね』と言ってしまった」(50代女性)、「iDeCoを『アイデコ』と読み、笑われた」(50代女性)など言い間違いから「マクロ経済スライドは年金がどんどん増える制度と思い込んでいた」(50代男性)といった誤解まで、様々なものが聞かれました。

 次々と新しい言葉も生まれる金融分野で、すべてを完璧に理解するのは難しいことですが、知らないことを認め納得いくまで調べる姿勢が必要と専門家は指摘しています。

 こんごも新たな金融用語が誕生してくるのでしょうが、その都度、勉強です。人生は一生涯、勉強ですね。お互いに頑張りましょう!

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