起業を目指す方へ”フリーランスの税金と社会保険は?”

 こんにちは、ディアパートナー行政書士・FP事務所代表の瀧澤です。

フリーランスの税金と社会保険

 近年、働き方改革など社会状況の変化を受けて「フリーランス」という働き方があらためて注目されています。しかし、会社員からフリーランスになった場合には、税金や社会保険などの手続きを全て自分で行わなければなりません。(もちろん税理士や社会保険労務士へ依頼するという手段はありますが・・・)

 起業の第一歩であるフリーランスの税金や社会保険についてご紹介していきます。(出典:日本FP協会「FPいまどきウォッチング」)

フリーランスとは

 フリーランス(Freelance)とは、特定の企業や団体、組織に所属せず、自らのスキルやノウハウを社会的に独立した形で提供し、報酬を得るという「働き方」あるいは「このような働き方をする人」を意味する言葉です。日本では、自由業などとも呼ばれています。特定の企業等と雇用契約を結ぶ会社員とは異なり、フリーランスの場合、案件ごとに契約を結び、作業を行うのが特徴です。

 このような働き方は、事務職や営業職、エンジニア、プログラマー、デザイナー、ライター、士業などさまざまな幅広い業種で存在しています。

 また、フリーランスと個人事業主は、同じように取り扱われていることも少なくありませんが、正確には違います。フリーランスは、案件ごとに契約を結ぶという働き方の一つであり、個人事業主は、開業の形態が、法人事業ではなく、一個人で行う事業主という意味です。(この辺の解釈、なかなか難しいですね~)

 たしかに法人を設立した上で、フリーランスとして仕事をするケースもある一方で、個人商店を経営する個人事業主はフリーランスとは呼ばませんね。ただし、フリーランスで働く人の多くが個人事業主であることを踏まえて、ここでは個人事業主として働くフリーランスを前提に説明していきます。

フリーランスの事業にかかる税金

 フリーランスが行う事業に関して支払う可能性のある税金は、主に次の5つです。

フリーランスの税金

 会社員と異なるのは、計算から申告、納税(所得税の場合、所得税額の計算、確定申告から納税まで)を全て自分で行います。(もちろん税理士に依頼することは可能です)

 住民税は、所得税の確定申告を済ませれば、計算から申告までの手続きは不要で、6月頃に送付される納付書で支払います。

 また、所得税や住民税以外にも、個人事業税や固定資産税、消費税などの税金がかかることがあります(固定資産税については、会社員であっても不動産を所有していればかかります)。

 ただ、これらの税金は、全ての事業が対象となるわけではなく、納税義務が免除される免税点などが設けられていますので、支払うのは該当する場合のみです。そこで、フリーランスは自分にどのような税金が発生し、いくらかかるかを確認しておくことが必要です。

フリーランスに認められる「経費」とは?

 フリーランスの場合、営む事業で得た所得は「事業所得」に分類され、1年間の総収入金額から必要経費を差し引いて事業所得の金額を求めます。

 この事業所得から所得控除を差し引いたものが課税所得になり、それに所定の税率を掛けたものが納付税額です。さらに、ここから、住宅ローン控除や配当控除などの税額控除がある場合、差し引いた最終的な金額が申告納税額となります。

 課税される所得金額が多いほど税率は高くなり、納税額も多くなるため、事業所得の場合、1年間の収入が同じでも、経費の額が異なると所得税額が変わってきます。そのため、必要経費として認められる支出項目の把握が重要になります。

 例えば、仕入れや人件費、仕事で使う消耗品の購入費や喫茶店で打ち合わせを行った際の飲食費などは対象になりますが、仕事とは別に、生活のために使った食費や被服費など、いわゆる「家事費」は対象外です。

 また、住居兼仕事場の住宅費やプライベートでも使用する自家用車の車両費といった、一部が必要経費として認められる「家事関連費」もあります。

 いずれも、対象になるかどうかの基準は、それが「売上を得るための支出かどうか」です。

フリーランスでも「源泉徴収」される場合がある

 フリーランスである個人事業主も、受け取る事業収入の種類によっては、源泉徴収されることもあります。対象となる収入の範囲は次の8つです。

フリーランスの源泉徴収

 源泉徴収される額(所得税額および復興特別所得税)は支払金額によって、次の通りに定められています(原稿料や講師料などの場合)。

 要するに、税金を先に天引きされているため、源泉徴収された税額が、年間の所得税額よりも多い場合、確定申告をすることで、税金が還付される可能性があります。この申告を還付申告といいます。還付申告書は、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出できます。

現誠意徴収される金額

フリーランスの社会保険

 会社員を辞めてフリーランスになる場合、勤務していた会社の健康保険の「任意継続被保険者制度」を2年間利用するか、「国民健康保険」に加入する方法の2つが考えられます。いずれも、医療費の窓口負担は3割となります。

 任意継続被保険者制度の保険料は、在職中は会社と折半していた保険料が全額自己負担となりますが、上限が設けられており、退職時の給与から算出される保険料と健康保険の給与平均から算出される保険料のいずれか低い方の金額が選べます。被扶養者も引き続き加入可能です。

 一方、国民健康保険の保険料(自治体によって税)は、算出方法や上限額が市区町村の条例で定められており、世帯の所得割、均等割、資産割などで計算されます。健康保険と異なり、全額自己負担です。(任意継続被保険者制度は全額自己負担です。)

 また、国民健康保険には、被扶養者という考え方はありませんので、世帯の人数が多いほど保険料が高くなります。(一人一人が国民健康保険に加入)

 さらに、フリーランスの場合も40歳以上になれば、介護保険に加入します。64歳以下の人の場合、介護分の保険料は、医療分と合わせて支払います。

 なお、医療費の給付については会社員(協会けんぽの場合)と大きな差はありませんが、フリーランスには原則として傷病手当金や出産手当金の仕組みがないなどの違いがあります。フリーランスは「傷病手当金がない」というデメリットを民間保険などで補完する必要が出てきます。

フリーランスの年金

 日本の公的年金は、20歳以上60歳未満の全ての国民が加入する「国民年金(基礎年金)」と、会社員が加入する「厚生年金保険」の2階建てであり、フリーランスが加入するのは国民年金です。

 万が一の時の保障のベースになる公的年金ですが、会社員に比べてフリーランスは手薄になりがちです。例えば、フリーランスの夫が亡くなった場合、原則として18歳になって最初の年度末までの子がいる家庭にしか遺族基礎年金は支給されません。

 また、フリーランスが障害状態になった場合に受け取れる障害基礎年金も、障害等級1級、2級に該当しなければ支給されず、障害等級3級あるいはそれに該当しない場合でも障害手当金が支給される障害厚生年金よりも受給の要件は厳しいと言えます。

 会社員の場合、「厚生年金保険」をはじめ、業務上の傷病を補償する「労災保険」や失業時に基本手当等が受けられる「雇用保険」などの社会保険にも加入しています。しかし、フリーランスには通常このような制度はありません(ただし、労災保険には一人親方等の特別加入制度が設けられている)。

 そのため、フリーランスはそれぞれのリスクに対応した自助努力(民間保険などへの加入等)が必要だといえます。

まとめ

 社会のしくみや常識が大きく変化するパラダイムシフトが起きている現代において、一人ひとりが多様な働き方を選び、企業もそれを支援する動きを強めていくものと思われます。また、「兼業・副業」という考え方も大きく進展していくでしょうし、それに伴う制度の整備も行われる可能性もあります。

 社会の動向を見極めながら、自ら(家族も含めた)の社会保険制度をどのようにしていくかをその都度都度、検討していく必要がありそうです!

その買うを、もっとハッピーに。|ハピタス

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