”誰でも入れる”生命保険ってどんなもの?

 こんにちは、ディアパートナー行政書士・FP事務所 代表の瀧澤です。

 最近、「何らかの病気をかかえていても保険に入れます!」といったうたい文句でPRしている生命保険商品がありますが、いったいどういったものなのでしょうか?

中高年のための生命保険

 生命保険は、年金や健康保険などの公的社会保険や預貯金などによる保障では十分でない部分を補ったり、カバーできない部分を保障するために個人や団体で加入する保険です。

 生命保険への加入は、世帯主の死亡保障が目的になることが多く、中高年向けの性格が高いものです。最近では医療保障でも、中高年向けの保険商品が相次いで発売されています。

無選択型の保険

 私自身、若いころは、定期健診でも「所見なし」の記述が多かったのですが、最近は「要精密検査」や「要治療」、「経過観察」などと記述されてきています。中高年になると、多くの人は何らかの病気をかかえがちになります。まあ~「老化」が主な原因でありますので致し方ないとは思いますが・・・

 何らかの病気があると、生命保険への加入の際、医師による審査や告知書による告知の内容によっては、契約ができないこともあります。

 このように病気をかかえている人を対象に、最近は「誰でも入れる」などのキャッチコピーで販売されている保険商品があります。結構、テレビや新聞でコマーシャルしていますよね~。

 これらの保険は、「無選択型」、「引受基準緩和型(限定告知型)」というタイプの保険商品になります。

 無選択側は、医師による診査や告知書による告知が不要(無診査・無告知)で、過去の病歴などで生命保険への加入が不可能になった人を対象としています。

 一方、一般の保険に比べ、給付条件が厳しく、保険料もかなり割高の設定となっています。割高な保険料でも、生命保険に入りたい人向きといえます。

10,000円コース7,000円コース5,000円コース3,000円コース
女性特有の病気で
入院1日目から補償
1日につき
5,000円
1日につき
3,000円
1日につき
2,000円
1日につき
2,000円
女性特有の手術等を
受けた場合
10万円7万円5万円3万円
女性プラン商品の一例

引受基準緩和型(限定告知型)の保険

 「誰でも入れる」としている保険商品の大部分は、引受基準緩和型の保険です。

 引受基準緩和型の保険は、契約時に医師による診査はなく、通常の医療保険に比べて告知項目が数項目と少なく、病気で通院中の人も契約できます。

 また、過去に治療歴のある病気による入院や手術も対象になりますが、契約後1年間は給付金額が半額になるなどの制限があります。

 告知項目は会社により異なりますが、主なものを次に掲げます。この項目に該当しなければ契約が可能になります。

 ① 過去2年以内に、病気やケガで入院したことがある。
 ② 過去5年以内に、がんで入院手術したことがある。
 ③ 今後3ヶ月以内に入院・手術の予定がある。
 ④ 現在、がん・肝硬変と診断されたことがある。
   など
告知項目の一例

 ではつぎに、糖尿病治療中の人でも、加入できる商品の一例です。

【保障内容の一部】

入院給付金5,000円×入院日数
(1入院60日限度)
手術給付金入院中の手術:50,000円
入院中でない手術:25,000円
歯周組織の手術:25,000円×2回
保障内容の一例(一部)

【保険料月額】

 契約年齢    男 性      女 性   
45歳3,074円2,337円
50歳3,648円2,971円
55歳4,633円3,523円
保険料月額の一例

中高年層向け商品の充実

 生命保険各社は、中高年層に焦点を絞った新商品の開発に力を注いでいます。そうした背景には30歳代前後を対象としている従来の保険の主力商品の頭打ち傾向があります。これには少子高齢化の影響も大きいと思われます。

 従来型保険でカバーしきれない中高年層向け商品を充実させることで、活路を切り開くという狙いもあると思います。高齢人口比率が増加していく昨今、よりいっそうの商品開発を期待したいところです。

生命保険と相続

 生命保険はよく、相続対策にも活用されるということですが、相続に関して、生命保険のメリット・デメリットを紹介します。

1)メリット

①相続税の納税資金

 相続税が発生するのは全体の約1割弱ですが、相続税が発生した場合は相続開始から10ヶ月以内で納税しなければなりません。誰もいつ死亡するか分かりませんが、はっきりとしない死亡する日のために納税資金を用意しておくのは大変なことです。

 そこで、相続税の額を予想し、満期時点の元本と利息で納税しようと預金を始めても、満期まで生きている保証はありません。

 ところが、生命保険であれば、契約後直ちに効力が発生しますので、いつでも相続税を納めることができます。

②遺産分割用の資金

 こちらは相続税と違って、誰でも該当する可能性があります。

 相続人間の遺産分割に当たって、土地や建物とした不動産だけですと相続人の間でうまく分けられないこともありますし、そもそも、相続人の一人がその不動産に居住していたとすると、そこに引き続き住めない可能性もあります。

 生命保険に入っていれば、土地や建物、未上場の株式など換金しにくいもののほかに、現金ができるので、相続人間で円満な相続ができる可能性が高まります。

被相続人の税金や葬儀費用、事業整理資金など

 亡くなった人が納めるハズだった所得税や住民税、固定資産税などの納税資金、亡くなった人の葬儀費用、また、個人事業者の場合は事業整理の資金も必要になるかもしれません。

 いつ発生するかわからないこれらの支払いに備えるのは、生命保険が適しています。

(2)デメリット

 保険リスクをしっかり考えずに、相続税を圧縮する目的で加入した変額保険で損をしたり、保険のかけすぎで財産を減少させることによって相続税額が減るのは本末転倒な考え方となります。

 また、生命保険の支払いは死亡によって発生しますので「長生きのリスク」もデメリットとして挙げられます。

生前贈与を活用した節税の今後

 昨年末に発表された「令和3年度税制改正大綱」には以下のような記載があります。

〇相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から、現行の相続時精算課税のあり方を見直す。

 今後の見直しの内容にもよりますが、日本も、今後、国際基準である、「生前贈与を活用した節税はできなくなる」という可能性が高まります。富裕層への課税強化が今後進むのは間違いなさそうですので、相続対策としての「生命保険の活用」がもっとクローズアップされてくるかもしれませんね!

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