再び脚光のマイナポイント、消えぬ根本課題

みなさん、こんにちは!「家族信託」に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。
今回は、日経クロステック(2021年11月18日)にマイナポイント(マイナンバーカード)の記事が掲載されていましたので、それに関して投稿していきます。

政府は大型経済対策の1つとして、マイナンバーカード保有者を対象に最大2万円分のポイントを付与する給付策を固めました。カードの取得に加えて、カードを健康保険証として利用登録したり、銀行口座をマイナンバーとひも付けたりするなど、政府が普及させたいマイナンバーの用途について利用者が所定の手続きを完了するごとに給付を増やします。いわばスタンプカードのような方式の採用です。

政策を主導した公明党の山口那津男代表は、その狙いについて「(制度の達成ごとにポイントを与えるという)やり方に慣れていただくことで、デジタル化にふさわしい確実でスピーディーな給付を実現する基盤をつくる」と2021年11月13日の民放の報道番組で語っています。

実際に利用者がポイント付与を受けようとするかは、マイナンバーとひも付けた銀行口座がどう使われるかなど、制度の意義を国民に十分に浸透させることが課題となります。最大で2万円分の「ニンジン」を原動力に、マイナンバー制度は普及段階から利用価値を出す段階へとステップアップできるのでしょうか。現時点での制度概要と課題を述べています。

現行ポイントの未取得者を広く対象に

自民・公明両党の合意によれば、最大2万円分を付与する新たなマイナポイントは

(1)新たなカード取得者を対象に最大5000円分

(2)マイナンバーカードを健康保険証として利用登録した人に7500円分

(3)公的給付金の受け取り用としてマイナンバーと預貯金口座をひも付ける登録をした人に7500円分

と3段階で付与する。

このうち(1)の最大5000円分のポイント付与は、今後新たにカードを作る人だけが対象ではない。2020年9月にスタートし2021年12月末に終了予定の第1弾のマイナポイント付与で、5000円分のポイントを受け取っていない人も対象にすることが、制度設計の過程で決まりました。

このため、カード未保有の人はポイント付与を受けるために、次の第2弾の付与開始までカード取得を待つ必要はありません。

またカードの申請時期が2021年4月末より後だったなどの理由を含めて、第1弾のマイナポイント付与に登録しなかった人やできなかった人も次の第2弾で対象になり、広く救済されることになりそうです。

第1弾のマイナポイント付与は、マイナンバーカード保有者が特定のキャッシュレス決済手段を政府のシステムに登録すると、その決済手段の利用額もしくはチャージ額の25%分のポイントを最大5000円分まで付与する仕組みとなります。つまり上限の付与には2万円の利用・チャージが必要となります。第2弾でもポイント付与の仕組みと上限額は同じとしています。

税務用の口座情報とは別、理解と賛同広がるかが鍵

第2弾のマイナポイント付与における課題の1つは、多くの国民にとって初めてとなるマイナンバーと預貯金口座のひも付けです。甚大な災害や感染症、急激な経済悪化などの非常時を想定して、公的給付金を政府が迅速に振り込めるよう、住民の口座情報をマイナンバーとひも付けるとしています。

根拠となる法律は2021年5月に可決された「公金受取口座登録法」で、同法は新型コロナウイルス禍の2020年春に実施した、10万円の特別定額給付金の事務が混乱した反省から整備されたものです。

リーマン・ショック後の2009年に給付された2万円の定額給付金も含めて、従来の給付金は市区町村に事務を委ねることが一般的でした。同法では、甚大災害など緊急時に支払う「特定公的給付」に向けて、政府が直接かつ事前に個人の預貯金口座を収集・管理して、迅速に給付できるようにするものです。

同法では、国が管理する口座情報の利用目的を緊急時の特定公的給付と明記してあり、制度の趣旨が住民に正しく広く伝わり、かつ賛同してもらえるかが、ひも付け登録者を増やすうえでのポイントとなりそうです。

具体的には登録した預貯金口座の情報が、今後の税務調査など公金給付以外の目的に使われることはないことが理解されるかどうかです。

今回の公的給付金向けとは別に、税務や社会保障向けの預貯金口座の登録制度は2018年から始まっています。こちらの制度は、国税庁が税務調査の際に本人が持つ複数の口座を名寄せして調べやすくするなど、税務や社会保障での利用を目的にしているものです。

このため、1人あたり1口座の公的給付金向けと異なり、自身のマイナンバーに対して保有する複数の口座情報をひも付けることになります。ひも付けの登録や管理も原則として金融機関が担うなど、公的給付金向けとは制度上もシステム上も異なる仕組みとなっています。どちらも国民が自由意志で登録できる制度だが、こうした違いをしっかり説明する必要がありそうです。

なお、マイナンバーと預貯金口座のひも付けは、少なくとも今回のポイント付与に限ればマイナンバーカードの所持が必要となってきます。登録を受け付ける手段は当面、カードで本人を認証するマイナポータルだけに限られるからだそうです。政府は2024年度までに金融機関の窓口での登録手続きも可能にする予定ですが、今回のポイント付与にはシステムや体制整備が間に合わない見通しです。

開始目標は2022年春、システム開発前倒しで対応か

第2弾のマイナポイント付与の開始時期は財源とシステム・体制の整備時期で左右されるが、2022年春ごろを軸に、その前後で時期を検討しているとみられています。

制度開始に必要となるシステムや業務体制は、準備が済んでいるものとそうでないものが混在しています。キャッシュレス決済の利用・チャージ額に応じた付与は第1弾の仕組みを流用でき、健康保険証としての登録や利用も2021年10月に正式運用を始めています。

時期を左右するのがマイナンバーと預貯金口座のひも付けとなります。2022年度中に運用を始められるようデジタル庁がシステム開発を進めていますが、運用の前倒しも検討しているからです。

牧島かれんデジタル相は2021年11月中旬の会見で、「預貯金口座の登録を2022年春にも開始できるように(前倒しを)したい」と発言しています。

第2弾で付与するマイナポイントの財源は、2021年度補正予算で確保するとなれば、同補正予算の2022年通常国会での成立時期と口座登録システムの前倒しの実現性の両方を踏まえて、早ければ2022年春に制度を開始できる可能性がでてきます。

ただし第1弾のマイナポイントの未達分などすぐ使える別の財源が確保できる場合は、キャッシュレス決済による付与や保険証利用手続きによる付与だけを、2022年1~2月にも先行して開始できる可能性があります。

5000円分のニンジンも、第1弾の消化率は5割弱

第1弾のマイナポイント付与は2020年9月に開始し、2度の延長を経て2021年12月末で終了する予定となっていますが、大幅な計画未達に終わることが確実とみられています。

総務省の集計によると、終了まで2カ月弱を残した2021年11月11日時点の登録済み者は2417万人。政府が2500億円の予算を組んで確保した5000万人分に対して半分弱の消化にとどまっています。

ポイント付与対象となる2021年4月末までに交付申請をしたカード保有者は4931万人いるが、これを分母としても第1弾の登録者は半分弱にとどまっています。また、国内居住の全住民に対するマイナンバーカードの交付率も2021年10月時点で38.4%にとどまり、「2022年度までにほぼ全ての住民に交付する」という政府目標の達成が危ぶまれるペースで推移しています。

第1弾のマイナポイントが計画を大幅に下回る見通しであることは、ポイントというニンジンだけでは解決しない根本的な課題の存在を示唆しています。具体的には、

(1)カード保有の意義がまだ浸透していない

(2)カード保有者にとっても様々な制度の利点が伝わっていない

(3)オンラインでの登録手続きのハードルが高い

などの課題があります。例えば登録には専用のスマートフォンアプリなどが必要で、カードを何度かかざしながら様々な登録手続きをすることが求められます。実際に決済手段のひも付け登録が難しく、なかなか完了しないといった声は多く上がっていました。

第2弾のマイナポイント制度も、やはりマイナポータルのスマホアプリやWebサイトで健康保険証の利用登録をしたり、同じくマイナポータルを通じて公的給付金の受け取り口座を登録したりする手続きが必要になってきます。

2021年10月、一足先に始まったマイナンバーカードを保険証として利用できる制度は、カードの読み取りなどシステム対応を済ませた医療機関が6%程度にとどまり、今のところは広く住民がメリットを享受できる環境にはなっていません。

同様に公的給付金の受取口座の登録も、国民の理解が進まなければ普及しない恐れがあり、マイナンバーカードの利活用のメリットを住民に理解してもらう活動や、オンライン手続きを簡単にするシステムの改修が必要になりそうです。

まとめ

私が所属する長野県行政書士会においても、事務局から「マイナンバーカード申請手続相談員の募集について」の通知がありましたので、足元でもこうした動きが加速しそうですね。

私も会員の一員としてこの「マイナンバーカード申請手続相談員」に手を挙げましたが、応募要件に「マイナンバーカードを取得済み、または現在取得中」という条件が付されていましたので、この条件を満たさない会員も多数いるのではないかと思います。

当該相談員はどんな業務になるのでしょうかね。また、このブログでも紹介できたらと思います。

コメントを残す