コロナ禍で急速に進んだテレワークの行く末は?

 新型ディアパートナー行政書士/FP事務所 代表の瀧澤です。

 コロナウイルス感染拡大を防ぐため、企業の間では、急速にテレワークの導入が進みました

 第1回目の緊急事態宣言が2020年4月に発令され、多くの企業が在宅勤務を主としたテレワークで対応することになりました。しかし、都市と地方では温度差があるようです。

 オフィス用品通販のアスクルの調査によると、東京都や愛知県など大都市を擁する地域のテレワーク利用率が高い傾向がうかがえます。一方、東北や北陸、中国・四国などの地方は「テレワーク制度がない」と回答した企業が8割近くにおよんでいます。

アスクル「新型コロナウイルスの影響についてのアンケート報告書」

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 また、利用頻度にも変化が見られるようです。20年5月と21年4月の調査結果を比較すると、昨年は週5日のテレワーク利用が最も多く25.4%だったが、今年は12.6%まで急減しています。

 代わりに週2日や週1日、それ以下の利用が増えました。コロナ禍は依然として収束が見えない状況ではあるが、1年前と比べて出社する従業員が増えている状況がうかがえます。実際、企業もテレワークを制度として導入するか迷っているようです。

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 テレワーク制度の実施期間については、「恒久的な制度になる予定」と回答した企業が24%に達しました。20年5月時点では10.9%となっていましたので、テレワーク推進に前向きな企業が増えているのが分かります。

 半面、「まだどちらになるか分からない」との回答は昨年の35.4%から今年は42.1%と6.7ポイント増加しており、制度の恒久化についてはまだ時間がかかるものとみられます。

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 日本の企業がテレワークに慎重な姿勢を見せる理由は、在宅勤務の長期化によってオフィスで働くよりも生産性が低下すると考えているからだということです。

 パーソル総合研究所上席主任研究員の小林祐児さんは「テレワークの生産性に関する国際的な調査では欧米に比べて日本は消極的な回答が多い。しかし、これは企業が在宅勤務にお金をかけていないから。コロナ後に在宅勤務用のIT機器などに支出した金額は主要国で日本が最低だ」と指摘しています。

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 実際、テレワーク実施での課題を聞くと「作業環境の整備」や「ハードウエア機器のスペック」を挙げる利用者が多いようです。結果、オフィスと同様かそれ以上の生産性を在宅勤務で担保することがなかなか難しいということが見えてきました。

 しなしながら、子育て世代に当たる30~40代の従業員にはコロナ後にもテレワークを希望する層が多いということです。

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 パーソル総合研究所の調査ではテレワーク実施中の正社員の78.6%が継続を希望しています。

 小林さんは「コロナ後は恐らくなし崩し的に出社が増えるが、テレワークは労働者の“権利”になってくるだろう。人材の獲得競争に勝つためには、より広い地域から候補者を募るため、居住地の境界を越えるテレワークの導入が欠かせない」と分析しています。

パーソル総合研究所「『まだらテレワーク』時代の生産性はいかにして高められるか」

以上、出展:【日本FP協会 FPビジネスコラム「テレワークやめるかつづけるか」】

 テレワーク制度のしっかりとした定着には、もう少し時間がかかりそうですが、「働き方改革」という観点からも、着実にしっかりと定着させていく必要があります。

 しかも、子育て世代に当たる30~40代の従業員には、コロナ後にもテレワークを希望する層が多いということですから、これは「働き方改革」だけでなく、「少子化対策」という点でも注目するところです。

 また、地域振興」の観点からも、ワーケーション、リゾートワークが注目されています。

ワーケーションとは?

 「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語で、オフィスを離れ、どこかで休暇を過ごしながら働くことをさします。「ワーケーション」という言葉そのものは、2000年ごろにアメリカで生まれたとされ、近年働き方が多様化してきた影響で世界中に広がっています。

 オフィスから離れたところで仕事をするという点では、リモートワークやテレワークと同じですが、ワーケーションはただ離れているだけではなく、ビーチやリゾート、温泉街などの「休暇先」でゆったりバカンスを楽しみながら働くというものです。

 たとえ仕事が忙しくても、「仕事扱い」で家族で海外旅行に行き、子供がビーチで遊んでいる合間などに数時間、仕事をしたりもできるというものです。

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ワーケーションは「日本だからこそ」流行る?

 日本では、仕事に穴が開くとして長期休暇をためらう社員が多いけいこうにあります。しかしワーケーションが認められると、インターネットさえあれば休暇先でも仕事ができるため、仕事に大きな穴があくことは生じません。

 また、仕事なので滞在日数を伸ばしやすく、海外といった遠い地域も旅の目的地に選ぶことができると考えられます。

 元々は、パソコンやスマホさえあればどこでも仕事ができるフリーランサー、デジタルノマドが旅行をしながら仕事をするという働き方でしたが、最近は企業にも導入されるようになってきています。2017年には、JALがワーケーションを導入したとして大きな反響となりました。

 ワーケーションは、仕事の合間にリフレッシュができるということも魅力的ですが、なにより「休暇として」ではなく「仕事として」リゾートなどの休暇先に行けることが、日本人の休暇へのハードルを下げるという意味で魅力的な要素となっています。結果、これを導入することで働き手の満足度も高まることが期待できます。

 一方で、そうでもしないと休めないという悲しい現実も同時に見えてくることになります。

 実際、英語でワーケーションについて書いている記事の中には、「休暇先でなぜ仕事をしなければならないのか」、「普通にオフを取れば良いじゃないか」と否定的なものも多かったとのことです。そして、同じ企業内でも、現場を離れられないような職種ではワーケーションをすることが難しいということも課題となります。

 企業でも広がりを見せるワーケーション。課題もあるが、仕事という名目があることで休暇先に行きやすくなり、自分のペースで働くことができることで、社員の満足度が高まるというのは、働き方改革として成功しているといえるのではないでしょうか。

長野県が提案する「信州リゾートテレワーク」とは

 詳細は後日に譲るとして、ここでは簡単に、長野県が提案する新たなライフスタイル「信州リゾートテレワーク」をご紹介します。

https://shinshu-resorttelework.com/

 場所や時間にとらわれない働き方である「テレワーク」は、仕事はオフィスで行うもの、という従来の概念を覆し、人々の生活をより豊かなものに変えつつあります。

 長野県では、このテレワークを、普段のオフィスや自宅ではなく、信州ならではの魅力に触れながら行う「信州リゾートテレワーク」という新たなライフスタイルをご提案しています。非日常空間でいつもの仕事をする。そこに新たな価値が生まれます。

 日本の各地リゾート地(観光地)でも誘客活動が盛んになりつつある「ワーケーション」、「リゾートワーク」ですが、地域活性化のひとつ、観光振興の大きな柱になるかもしれません。

 後日、「信州リゾートテレワーク」を詳しくご説明しながら、地域振興としての「ワーケーション」、「リゾートワーク」について、考察してみたいと思いますのでお楽しみに!

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