「認知症に備える保険」ってどんなもの?

みなさん、こんにちは!「家族信託」や「遺言書」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。

今回は、2022年2月27日付け日本経済新聞の人生100年の羅針盤に「認知症に備える保険」についての記事が掲載されていましたので、それに関して投稿していきます。

認知症に備える保険は生命保険と損害保険

認知症になってしまった場合に備えておきたいことが大きく2つあります。

一つは認知症になった本人の介護などの費用への対応です。

もう一つは、認知症になった人が徘徊(はいかい)などの際に事故を起こしてしまったときの賠償費用です。

生命保険と損害保険でそれぞれ事前に備えておくことができ、最近、こうした認知症リスクに備える保険が相次いで販売されています。

一時金または年金で保険金を受け取り

認知症になると、見守りなどで公的介護保険制度の給付以外にも介護費用が必要になるケースがよくあります。こうした費用に備える手段の一つは生命保険会社が取り扱っている認知症保険や介護保険があります。一定の条件を満たせば、一時金または年金の形で保険金を受け取ることができます。

認知症保険では、主に認知症と診断されることが保険金が出る条件となります。商品によっては「要介護1以上」など公的制度と連動する条件が付く場合もあるようです。介護保険は一定以上の要介護状態になれば認知症でも保険対象になります。

認知症保険では軽度認知障害(MCI)が保障されるかどうかがポイントの一つとなります。

例えば「SOMPOひまわり生命保険」はMCIの診断が初めて確定したときに契約時に決めた基準一時金の5%、その後に認知症と診断されれば95%の一時金が出ます。また、MCIを経ずに認知症の診断が確定したら全額(100%)を受取ることができます。「朝日生命保険」にはMCIの診断確定時に最大30万円が出る特約が用意されています。

「指定代理請求人」手続きは忘れずに

一定の要介護状態になると保険料の支払いが不要となる商品も存在します。「アフラック生命保険」の「しっかり頼れる介護保険」は要介護1以上で保険料免除になります。

また、「東京海上日動あんしん生命保険」の「あんしんねんきん介護R」は、契約時の年齢により70~80歳までに受け取った保険金と払った保険料の差額が戻る設定になっています。

認知症になると必要なとき自分で保険金を請求できない恐れがありますので、大事なこととして、子供などを「指定代理請求人」として契約し、その旨を家族に伝えておきましょう。

賠償費用は個人賠償責任補償で対応

鉄道事故など認知症の高齢者が事故を起こしたときの賠償費用に備えるのは個人賠償責任補償になります。これは火災保険や自動車保険に付帯して加入するのが一般的です。損害保険で以前からある補償ですが、認知症に対応して大手損保は補償範囲を広げている状況です。

まず、保険の対象とする人の範囲について、「三井住友海上火災保険」などは加入者が認知症で責任能力がない場合、監督義務がある別居の既婚の子供なども補償の対象にするようにしました。

以前は、本人の配偶者か同居の親族、別居の未婚の子供に基本的に限られていました。子供が加入していて、子供に監督義務がある場合は別居の親が起こした事故も保険の対象となります。

また併せて、補償する事故の範囲も広がっています。認知症の高齢者が徘徊して線路の中に侵入し、電車の運行を妨害してしまったときは「物を壊したり人にけがをさせたりした場合」に当てはまらないため、以前は個人賠償責任補償の対象外でしたが、大手損保を中心に、電車を止めた際の賠償費用を補償対象に加えるようになってきました。

例えば「損害保険ジャパン」は火災保険に個人賠償責任補償を付帯する場合の保険金は最大で1億円、自動車保険では国内なら無制限に設定されています。

「東京海上日動火災保険」の「認知症あんしんプラン」は、個人賠償責任補償のほか、徘徊で行方不明になると捜索費用を1回の事故につき30万円まで補償します。

自治体による補償制度も

名古屋市や神戸市など自治体が損保と契約し、地域の認知症患者を対象に補償制度を導入する例も増えてきています。税金で保険料を支払い、高齢者の直接負担がない場合も多くなっています。ただし、補償内容・金額や適用条件は自治体によって異っています。

認知症の本人に責任能力がなく監督義務者もいなければ誰にも法的責任がない場合もあります。そうなると被害者が賠償を受けられないことにもなります。こうした事態に備える動きも出てきています。

「三井住友海上」と「あいおいニッセイ同和損害保険」は、自動車事故で運転者など誰にも法的責任がない場合も対人・対物賠償保険と同じ保険金を払う特約を導入しています。

まとめ

高齢者の4~5人に1人が認知症になると言われている長寿化の時代。認知症に備えることは大変重要です。

今回は生命保険と損害保険を活用した認知症への備えをご紹介してきました。

人それぞれの事情で状況は大きく異なりますが、自分の置かれた状況を冷静に見つめなおて、いざという時のための準備を元気なうちに行っておくことが安心安全な生活に結び付きます。これは親世代にも子世代にも言えることです。

「家族信託」は認知症対策の備えとして最近注目されてきた財産管理の一手法です。

ディアパートナー行政書士事務所では相続対策に特化した行政書士として、家族信託をはじめ、遺言や任意後見など生前の相続対策のご相談に随時応じておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

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