「億り人」ってどんな人?その共通点は

皆さん、こんにちは!「家族信託」に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。

今回は、日経ヴェリタス2022年1月30日号に掲載されている、経済コラムニストの大江英樹さんの「『となりの億り人』その共通点とは」を参考に、現代の日本で純金融資産が1億円を超える人たちを想像してみます。

大江英樹さんの近著「となりの億り人」は、名前から想像されるように、これは今から20年前にアメリカで出版されたトーマス・J・スタンリーの著書「となりの億万長者」からインスパイアされ、現代の日本で純金融資産が1億円を超える人たちの思考や行動に焦点をあてて書いたものです。

「となりの億万長者」は1万人以上にアンケートを取り、そのデータを元に書かれていますが、大江さん自身も証券会社時代、3万人を超える顧客からの投資相談を受けてきた経験から、資産家に共通する考え方や投資行動を見てこられました。加えて、今回の執筆にあたり、実際に1億円以上の純金融資産をこしらえた複数の人たちにもインタビューを行いました。そこからは、実に面白い傾向が浮かび上がってきたということです。

意外に普通のサラリーマンが「億り人」?

意外に思う人が多いかもしれませんが、資産家の中には「普通のサラリーマン」が多いのです。これは、大江さんが証券会社時代に感じていた感覚とまったく同じだということです。一般的に大金持ちというと、タレントや医者、企業オーナーといった人たちを想像しがちですが、実態はそうでもないようなのです。

たしかに彼らの収入は多いが、それは必ずしも安定しているわけではありません。稼げる時は稼げるが、全く収益が上がらないことだってあり得るのです。さらに収入だけでなく支出も安定しません。例えば事業をやっている人であれば商品を安く仕入れるチャンスがあったり、設備投資資金が急に必要になったりすることも起こり得るといった具合に、予想外の支出が発生するのは日常茶飯事です。

一般的に収入のコントロールは難しい半面、支出のコントロールはある程度可能ですが、自営業や自由業の人たちはこのように収入だけではなく支出のコントロールだってそれほど簡単なわけではありません。

ところが、サラリーマンの場合は自由業や自営業とは異なり、収入は急には増えないものの、彼らよりずっと安定しのですのです。したがって支出のコントロールさえきちんとできれば着実に資産を増やしていくことは可能なのです。

「となりの億万長者」にも「高所得者が資産家というわけではない」というくだりがあります。いくら収入が多くてもそれより支出が多ければ資産は増えないのです。

それに昔と異なり、現代は働く人の約9割は被雇用者、すなわちサラリーマンとなっています。したがって単純な確率論で考えてもサラリーマンが多いのは当然といえます。たしかに有名人や企業オーナーは世間的にも良く知られた人が多いために大金持ちが多いとイメージしがちですが、必ずしもそういうわけではないようです。

では、サラリーマンは誰でも資産家になれるのかというとそうではない。事実、大半のサラリーマンはそれほど巨額の資産家というわけではない。やはり一定の資産をこしらえた人たちにはそれなりの理由がある。

支出は合理的かつ論理的に

実際に大江さんがインタビュー取材や今までの経験から感じるのは、資産家と呼ばれる人たちには明らかな共通点があるということです。

これは資産家の人たちにはほぼ例外なく当てはまるということなのです。彼らは必ずしもケチとか倹約家ではありません。むしろ一般的によく取り上げられる「節約」は、やっていないと言ってもいいようなのです。簡単に言えば、自分の好きなこと、自分にとって価値が高いと思うものにはどんなに高額な支出でも惜しみませんが、自分にとって意味のないことや無駄なことには1円たりとも使わないというのです。

さらに言えば、支出の考え方が極めて合理的でかつ論理的だというのです。取材したある人は、生命保険も医療保険も一切入っていないそうなのです。

「私の場合は共働きで子供もいません。私が亡くなっても遺族年金がどれぐらいあるかということも理解していますので生命保険に入る必要がありません。それに会社の健保組合では付加給付があるので、どんなに大きな病気をしても自己負担は月に3万円だけです。そのために健康保険料を払っているのですから、民間の医療保険などは入る理由が全くないのです」

これはまさにその通りなのですが、実は多くの人はよくわかっていないか、わかっていても見直すのが面倒なので保険料を払い続けているのではないでしょうか。実際、大江さんが取材した中では誰もが自動車保険には加入しているものの生命保険や医療保険に入っている人は1人もいなかったそうです。

そしてこれは保険だけに限らず、生活のあらゆる面で自分の支出の価値基準がはっきりしているということです。みんなが買っているからとか、みんながやるからという理由で「なんとなく消費」をしていないというのが大きな特徴だと言えます。

どうもメディアやSNS(交流サイト)で取り上げられる「億り人」という言葉からは「仮想通貨で大もうけした」とか「デイトレードを続けて1年間で1億円もうけた」みたいなイメージが多いのではないでしょうか。

もちろん、そういうケースもないことはないのでしょうが、そういった類いのものには「再現性」がなく、誰にでもできる、いつでもできるという普遍的な方法とは言えません。

「急がば回れ」の長期志向

事実、大江さんが取材した人たちで仮想通貨やデイトレードで資産をこしらえたという人は1人もいなかったそうです。1億円以上の資産をこしらえた方法は人それぞれです。ある人は米国株、ある人は投資信託、そして不動産投資、中には投資はほとんどやらず、ほぼ天引き貯蓄だけで1億円をためたという人もいたそうです。

ただ、やり方は違っても、いずれの人にも共通するのは短期で利益を得ようとは誰も考えておらず、いずれも20年、30年という長期のスタンスで資産形成をしているということです。事実、過去10~30年を振り返ってみても、グローバルに分散投資をしながら投資を続けることで、一定の成果は生まれています。

例えば2001年3月から21年3月までの20年間、毎月5万円を世界株式に積み立てながら投資をしていれば、積立累計額は1200万円ですが、21年3月時点での評価額はおよそ3400万円程度になっています。約2.8倍になっている計算です。

資産形成の投下額を増やす

加えて大切なことは、運用利率や投資利回り以上に資産形成のために投下する金額を増やしているということだそうです。これは単純に考えても当たり前のことで、投資成果は不確実ですが、投下する金額を少しずつでも確実に増やしていくことはできるというのです。

「毎月2万円を積み立て、3%複利で運用できればこんなに増える」というセールストークはよく聞かされますが、それよりも積立額を1万円増やして3万円にすれば例え金利がゼロでも3%複利を上回ることになります。こんなことは計算するまでもない当たり前のことですが、意外とこの事実に気付いてない人は多いようです。

実際に大江さんが取材した人の中には、ほとんど投資はしていなくても夫婦共働きで子供もいないので積立額を増やすことによって預貯金だけで1億円以上の資産をこしらえたという人もいるということです。言うまでもなく、貯蓄だけではなく投資をしていたら、さらに大きな成果は得られたのでしょう。

そして、大江さんは投下資金を増やすには支出の適正化が欠かせないと指摘しています。結論は、長期にわたって支出をコントロールしながら地道に投資することが大切で、それを続けるというメンタリティーが何よりも求められると結論付けています。

まとめ

資産形成の投下額を増やし、長期にわたって支出をコントロールすることが「億り人」になる秘訣のようですが、自分たちの人生の充実達成の度合いと資産とを勘案しながら、バランスの良い資産運用と支出管理に努めることが重要なのでしょうね~。

ただ、資産運用や支出管理に関しても、法改正や税改正などの対応するため、常に新しい知識を身につけることも大切になってくるのではないでしょうか。うまく時代にマッチした制度にも乗っていくことも必要なのでしょう。

コメントを残す