「サザエさん」から「人の一生」の変遷を考える!

 NHKラジオの「今日は何の日」を聞いていましたら、昭和23年4月22日に福岡の新聞社でマンガ「サザエさん」の連載が始まったそうです。

 「サザエさん」は、1946年から「夕刊フクニチ」「新夕刊」「夕刊朝日新聞」を経て、1951年から「朝日新聞」朝刊で1974年まで連載されました(途中何度か休載)。サザエさんや家族、身の回りの人々との暮らしを描いた4コマ漫画でした。今はテレビアニメで皆さんご存じのとおりです。

 まんがサザエさんの新聞連載が始まったのが1946年ということで、福岡の新聞社から始まったようですが、これは作者の長谷川町子さんの疎開先だったということですので、歴史的な背景を感じますね。(太平洋戦争は1945年8月15日に終戦を迎えています) サザエさんの父親である磯野波平さんが何歳の設定か、ご存じでしょうか?

 波平氏の趣味が盆栽・俳句・骨董品ということや外見から受ける印象からは、「波平さんは60代、フネさんも60近い」とも見ることができます。
   フジテレビのキャラクター紹介では、波平さんは54歳ということになっています。父親の波平さんはもちろん、母親のフネさんも自分よりもかなり年上に見えますが、意外に実年齢は若いのです。

 フネさんは、「年齢は50ゥン歳」となっているが、娘のワカメちゃんが9歳、1950年頃に結婚した夫婦の年齢差が3歳程度ということを考えると50代になったばかりか、40代後半でもおかしくないかもしれません。

 1950年頃は、55歳定年が普通だった時代ですので、「波平さんが定年直前」という設定だから54歳というのは理論上合っています。ちなみに、隣家に住む作家の伊佐坂難物先生は60歳くらいという設定だが、どう見てももう一回り位年配の印象がありますね。

 当時の男性の平均寿命は約65歳でした。「波平理論」を提唱する元日銀金融研究所長の関根敏隆さんによると、波平さんは「生物学的には現在の74歳に相当する」と、医療の進歩や健康増進などで80歳にまで伸びた現在との違いを指摘しています。
 

平均寿命と将来推計(出展:厚生労働省)

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 たしかに上のグラフをみると、1950年の男性平均寿命は58歳となっていて、平均的な数値でみると、波平さんは4年でお亡くなりますね。その後、フネさんが10年くらい未亡人生活を送るといった感じでしょうかね。

 還暦を迎えた私ですが、私が就職した前後の1980年に男性の平均寿命が73.35歳です。でも、その30年間の平均年齢の伸びは急ピッチですね。

 そして、上のグラフは将来推計もしています。平均寿命の伸びは鈍化しているものの、着実に延伸していくようですね。

 令和元年高齢者白書によりますと、2065年時点では全人口の38.4%が65歳以上となり、全人口の1/3以上が高齢者になると予想されています。後期高齢者(75歳以上)に限れば、2018年時点の14.2%から25.5%と、大幅な増加となると推計されています。

  文部科学省の調査によれば、2012年の高齢者の体力を、それより15年ほど前の1998年時点の人達と比べると、5歳くらい若い人と同じ程度だということです。半世紀以上前の1950年代に設定されたキャラクターである波平さんやフネさんが、年齢の割には老けて見えるのは、今の同年齢の人達がずっと若々しく健康で体力があるからでしょう。

   平均寿命が長くなったということは、単に歳を取ってからの老後の時間が長くなったということではありません。栄養状態の改善や医療の進歩によって、普通の人が健康で働いて生活できる期間である健康寿命がが長くなっているのでです。

 そして、現在の超高齢社会において、クローズアップされるのが「平均寿命」と「健康寿命」の関係(差といっても良いかもしれません)です。

健康寿命グラフ

 上のグラフによれば、

男性 平均寿命80.98歳、健康寿命72.14歳  その差が 8.84年

女性 平均寿命87.14歳、健康寿命74.79歳  その差が12.35年 

 何らかの要介護状態を抱えながら、平均で8~12年生存することがみてとれます。

 超高齢社会において、「健康な状態で長生きできること」が望ましいことは言うまでもありません。

 世界に例を見ないスピードで高齢化が進む日本の現状を見れば、平均寿命と健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)の乖離が大きな問題となります。

 要介護状態(平均寿命と健康寿命の差)の期間は、働くことが困難になることが予想されますので、この期間は、「貯蓄」、「公的年金」や「私的年金」、利子所得や配当所得、不動産所得などの「不労所得」などで生活していくことになります。

 どのような要介護状態になろうとも安心して暮らしていけるよう、「自分年金的なもの」は必要になってきます。それが、「貯蓄」の人もいるでしょうし、「株式配当」や「家賃収入」の人もいるかもしれません。

 いずれにしても早い時点で、現在取り組みが可能で、最適な「自分年金作り」に着手していくことは必要だと思います。

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 「時間」という条件は、誰しも等しい条件ですので、なるべく早くに最適な方法で「自分年金作り」をしていくのが将来の安心につながります。

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