公務員賠償責任保険は退職後も5年間の補償が続きます!

 私は公務員を今年3月で退職しましたが、在職時は、セクハラ・パワハラの争訟費用や情報漏洩事案にも対応する「公務員賠償責任保険」に加入していました。

公務員賠償責任保険制度の案内パンフレット(自治労共済生協)

 損害賠償責任保険のひとつですが、「住民監査請求」、「住民訴訟」、「民事訴訟・民事調停等」があった場合に、弁護士費用や身体障害を被った被害者への見舞金等の費用について、保険金が支払われます。

 それぞれのケースについて事例を挙げます。

〇住民監査請求

・水道料金が時効で徴収不能となり、市に損害を与えたとする住民監査請求の結果、監査委員から市長に、当時の担当職員らに対し、損害賠償を請求するよう勧告がなされた。

〇住民訴訟

・議会の議決を経た公有地の売却について、著しい廉価が行われたとして、その契約事務を行った職員の行為について住民訴訟が提起された。

 この「公務員賠償責任保険」ですが、退職後も5年間の補償が続きます。

住民監査請求。住民訴訟のイメージ

〇民事訴訟・民事調停等

・保育士が園外保育中に公園で園児を遊ばせていたところ、遊具に指を挟みケガをしたため、市に対して損害賠償請求が提起された。保育士には事故の状況から重過失があったと認められ、市から求償された。(国家賠償法による職員への求償)

・対応に問題があるとして、窓口への来訪者に名誉棄損で訴えられた。(職員個人に対する民事訴訟)

民事訴訟・民事調停等のイメージ

 いったん訴訟が起こされると、敗訴したときの損害賠償金だけではなく、たとえ勝訴しても、自らの弁護士費用等争訟費用の負担を強いられます。

弁護士費用の例:弁護士相談費用2~3万円、着手金10~100万円、成功報酬10~150万円

 補償内容(支払限度額)は、1被保険者当たり3億円~3,000万円まで、保険料によって異なります。 

公務員賠償責任保険のタイプ別補償内容等

 私の場合、退職直前は「タイプC」に加入していましたので、あと5年間は補償が続くことになります。前々職は、非常にナイーブな業務であったことから、「タイプS」に加入していました。

 この保険、初年度加入日前に行った行為に起因する請求も、請求時に加入していれば補償対象になるという優れものです。

 こういった職種上の損害賠償責任保険は、「専門職業人賠償責任保険」などとして、看護師や薬剤師などの医療従事者、弁護士や司法書士等のいわゆる士業、旅行業者や通関業者、消防設備保守事業者やクリーニング業者など、職種別に提供されています。

 また、建設工事に対応するもの、情報漏洩リスクに対応するものなど、色々な業務に対応する損害賠償責任保険が提供されています。損保は、なかなか該当事案が起こることは多くないが、いざ発生したら賠償額等は多額という場合が多く、保険料も比較的低額ですので、万が一のリスク回避のために、加入を検討されても良いかもしれませんね!

 私も、FP業務や行政書士業務を行うにあたっては、損害賠償責任保険の加入をまず最初に行っていきたいと思います。(募集時期の制約などはありますが)

 なお、長野県では、この「公務員賠償責任保険」は職員労働組合を通じて募集されていました。

 また、適用されて事例として長野県内では、長野県林務部の大北森林組合等への補助金不適正受給に対応した「関係した県職員への損害賠償請求」が挙げられます。

 「損害賠償責任保険」も当ブログのカテゴリーとして新たに追加しましたので、今後も損保関係の投稿を行っていきますね、お楽しみに!

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