私の場合、健康寿命まで約10年!
みなさん、こんにちは!「家族信託」や「遺言書」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。
令和5年6月20日付日本経済新聞の「大機小機」に「定年延長はシニアのため?」という記事が掲載されていました。これを読んで、そして私の実体験からも「なるほど!」と思える記載がありました。
私が感じている「人生二毛作」に対する考えを、この記事と共に考えてみたいと思います。
「人生二毛作」とは?
「人生二毛作」とは、ミドル・シニア層がこれまで培ってきた豊富な経験や高いスキルを、キャリアの二毛作目として別の分野で活用することであると「人生二毛作社会を創る(同友館/原正紀著)」には定義しています。
また、企業に勤めながらも人生・キャリアの二毛作目を内に秘めているミドル層の存在は、超高齢化を迎えた日本の大きな原動力であり、また、実際にそういったミドル・シニア層が二毛作目でも活躍しているとあります。
「二毛作」とは、それまで耕してきた土壌を活かして、新たな農作物を育てて収穫すること(1年間で違う作物2つを栽培)をさします。
「人生二毛作社会を創る(同友館)」では、それを人のキャリアに置き換えて、世界に類を見ない高齢化社会を迎えた日本の、新しい社会システムを創る上で一つの解決策になる可能性を追求しています。
日経の大機小機では
2023年6月20日の日本経済新聞 大機小機「定年延長はシニアのため?」では、以下のように掲載されています。
2000年の法改正により、老齢厚生年金の支給開始年齢は60歳から65歳に引き上げられた。
2013年には改正高年齢者雇用安定法が施行され、企業には65歳までの雇用確保が義務付けられた。2025年までは経過措置だが、企業内では60代社員が目に見えて増えている。さらに同法の2021年改正により、70歳までの定年延長が努力義務とされている。
一見、シニア層にとって良いことのように見えるが、妙なところで弊害が起きていると聞く。以前は60歳の定年を機に、「田舎に帰って農業をやろう」という人が少なからずいた。それがすっかり減ってしまい、農地の後継ぎに影響が出ているとのこと。
個人差があることとはいえ、60代前半の5年間は概して貴重である。60歳ならば「生まれて初めてトラクターの運転を覚える」といった挑戦がまだ可能だが、65歳になると「俺ももういいか」と消極的になりやすい。本気で「人生二毛作」を考えるなら、還暦くらいをめどに転身を図る方が合理的だが、「今の仕事をあと5年続けていい」と言われると、その方が魅力的に響くらしい。
それで本人が職場の役に立っていればいいのだが、「昭和な」流儀を押し通して、若い社員に煙たがられているケースもありそうだ。漫然と65歳の誕生月までを社内で過ごし、「人生二毛作」の仕込み時期を失うのはもったいない。会社を離れリカレント教育やリスキリングなど、本来いろんな機会があるはずだ。
農業部門は新たな働き手を求めている。なるべくなら、違う経験を持つ人たちが入ってきてほしい。働き手としても、農業であれば体が続く限り何歳まででも働ける。「企業から農家へ」という人材供給は、双方にとってメリットになるはずである。
これからの日本社会は、本格的な人口減少と人手不足時代を迎える。高齢者の労働力は貴重な存在になる。
他方、シニア層のニーズは多様で、本人の能力や健康状態はもちろん、資産状況や家庭環境まで千差万別だ。それを一律に年齢で「輪切り」にするところに難しさがある。
ときには会社という「楽園」から追い出してあげる「優しい肩たたき」が、本人のためにもなるというケースは意外と多いのかもしれない。
以上が、日本経済新聞 大機小機「定年延長はシニアのため?」に掲載されていた記事内容です。
定年退職を機に60歳で違う分野へ
私は卒業後に就職した公務員を約40年間勤め、60歳定年の2021年3月に退職しました。(公務員は段階的に定年延長されるため、今年度60歳の人は61歳が定年退職年齢となります)
私が勤務していた自治体では、65歳までの間は、再雇用や関連団体への再就職をあっせんしてくれていました。現在は、全国ほとんどの自治体が同様の措置がされています。したがって、本人が希望すれば(よほどの問題行動がない限り)、65歳まで関係先で勤務することが可能です。
私の場合は「60歳からは雇用ではなく自営したい」と考えていましたので、以前からやりたいと考えていた「行政書士やファイナンシャルプランナーなどの仕事をすることに決めて、再就職の申込はしませんでした。
公務員の退職時期は一律3月末ですが、再就職希望は前年のお盆前に締め切られますので、それまでに再就職するか否かを決断しなければなりません。
私の場合も再雇用や関連団体への再就職などの選択肢もあったのですが、お盆前に早々と「あっせん不要」の断りをしました。
「再就職で65歳まで勤めてから自営する」という選択肢もありましたが、今回の記事のように「60代前半の5年間は貴重」だと考えて、60歳から違う分野へ飛び込みました。
・・・というのも、起業の関連書籍をみますと、「軌道に乗るまでに3年はかかる」というような記述が多くの書籍に書いてあったからです。最初の1~3年程度はかなり苦戦すると知り、それであれば、60代前半の貴重な5年間を「事業を軌道に乗せるための5年間」にしようと考えたのです。
とくに、雇用されていた時の関連事業(公務ですからあまり存在しない(笑))を独立して行うわけではありませんので、知名度や経験値、人脈などといったものはほぼゼロです。
公務員定年からまる2年以上が経ちますが、まだまだ「事業が軌道に乗る方程式」は見えてきません(笑)。最近、公務員を定年して独立して3年という方と話す機会があったのですが、同じような状況のようです。
「何が正解なのか」は分かりませんが、やりたいことにチャレンジする姿勢は大事ですし、せっかくチャレンジするのであれば「人生二毛作」の仕込みの時期を60歳~65歳に持ってきたことは先見の明があったのかもしれません。
「正解」が何かはそれぞれ自分が決めること!
そもそも何が正解かは、人によって異なるのではないかと思います。「年金も含めて人生の生涯獲得所得が多い」というのが正解という人もいるでしょうし、「業務のやりがい」や「やりたかったことにトライ」を正解とする人もいるでしょう。
それぞれの人の価値観によって「正解」は変わってきますが、私の場合は「人生二毛作、別分野で独立」を正解にしようと決断した次第です。
私の場合は、現段階でもまだ「事業が軌道に乗る方程式」は見えず、苦戦が続く状況ですが、少なくとも人生の終盤では「後悔しない選択」をしたいと考えています。
その代表的な考え方が「健康寿命(※)のうちにやりたいことをやる、行きたいところに行く」というものです。自分の事業が軌道に乗ってから「やりたいことをやる、行きたいところに行く」のを実行するとしたら、もしかして「事業が軌道にならない場合」はいつまでたっても「やりたいことをやる、行きたいところに行く」ことが叶いません。
後期高齢者(75歳以上)になってから「事業が軌道に乗った場合」は、何らかの心身の不調が生じたり、トイレがガマンできなかったり、美味しいものをたくさん味わうことができなかったり、という支障をきたす懸念が大いにあります。
ですので、事業が軌道に乗っていなくても、60代前半からは機会を捉えて「やりたいことをやる、行きたいところに行く」ことを心がけています。
コロナ禍を経験した私たちには「旅行や外食に行きたくても行けなかった」という実体験がありますので、「やりたいことをやる、行きたいところに行く」ことはとても大事にしたいことのひとつです。
ましてや人生終盤の真っただ中にいる私ですので、この「やりたいことをやる、行きたいところに行く」ことは最優先にしていきたいところです。
※健康寿命:平均寿命から日常的・継続的な医療・介護に依存して生きる期間を除いた期間が健康寿命になります。平均寿命は寿命の長さを表していますが、健康寿命は日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間を表しています。健康寿命が高いほど、また、寿命に対する健康寿命の割合が高いほど、寿命の質が高いと評価され、結果として医療費や介護費の削減に結び付くとされています。
ちなみに、2019年における日本の健康寿命は、男性72.68歳、女性75.38歳となっています。また、平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳で、健康寿命とはそれぞれ約9年、約12年の差があります。
健康寿命までは、あと10年!
このブログを書いていて、改めて大きなことに気がつきました。
私は現在62歳、今年中に63歳を迎えます。そうすると日本の健康寿命の平均年齢まで余すところ約10年です。健康寿命には個人差がありますから何ともいえませんが、近い将来に私の健康寿命を過ぎるときが来そうです。
そう考えると、悠長にこうしてブログなど書いてはいられません(笑)
皆さんも自分の人生に後悔が残らないような選択をしてくださいね。私もこれから益々、「やりたいことをやる、行きたいところに行く」ことにします。(娘たちには迷惑がられるのでしょうねえ(笑))