ヘルメット着用努力義務、自転車事故に賠償責任保険は欠かせず。「特約」で対応も!

自転車

みなさん、こんにちは!「家族信託」や「遺言書」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。

いよいよ新年度に入りましたね。4月1日から全ての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されました。

令和5年3月31日付日本経済新聞電子版に「自転車事故に対応する賠償責任保険」についての記事が掲載されていました。今回は、自転車利用者のための保険について考えてみましょう。

ヘルメットをかぶっていますか?

4月1日から全ての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されました。交通事故による被害を軽減するため、子どもにヘルメットを着用させることはもちろん、大人もヘルメットの着用に努めるよう関係機関が盛んに広報周知しています。

新年度が始まり、就職や進学、転居などをきっかけとして新たに自転車に乗り始める人も多くなることでしょう。そのときに注意しておきたいのが事故への備えです。

自転車に乗っていて、自分自身がケガをする可能性はもちろんのこと、第三者にケガをさせて賠償義務を負う可能性もあります。新年度のこの機会に、家族も含め、損害保険など自転車事故に備える手段を確認しましょう。

自転車運転のリスク

自転車の運転におけるリスクは大きく2つ存在します。

一つは自転車に乗る人自身が負傷するリスクです。このリスクについては一般的な医療保険や傷害保険、自転車搭乗中のケガを補償する自動車保険の特約などに加入していれば対応できることが多いようです。

もう一つのリスクは自転車運転中に第三者にケガを負わせることです。

自転車保険に注目が集まったきっかけとして2008年に兵庫県で起きた事故がありました。この事故は、当時小学生だった男児が自転車を運転中に歩行者の女性と衝突して、女性は意識不明となりました。神戸地裁は男児の母親が監督責任を怠ったとして約9500万円の損害賠償を命じた判決が下されました。

自転車保険の加入実態は?

こういったリスクを鑑みて自転車事故に備える保険への加入を義務付ける自治体が増えています。2015年に兵庫県が義務化条例を制定した後、都道府県単位では2023年3月末時点で30都府県が保険加入を義務付けています。2023年4月1日には広島県で新たに義務化され、9道県では努力義務とされています。また、市町村単位で加入義務や努力義務を設けている場合もあります。

各自治体の条例に罰則は設けられていませんが、もしもの場合への備えとして保険での対応が欠かせません。しかしながら、自転車保険に加入している人の割合は2023年1月時点で約6割にとどまる(au損害保険による調査)ということです。

自転車保険はどんなしくみ?

自転車保険は基本的に個人賠償責任補償と、傷害保険がセットになっています。傷害保険は補償対象者(自転車運転者)がケガで入院したり亡くなったりした場合に保険金が出ます。

多くの商品で、保険料が異なる複数のプランが用意されています。保険金額や補償範囲などに応じて保険料が変わってきます。

PayPayほけんの「あんしん自転車」では補償対象が1人の場合は月額140円から加入できます。

個人賠償責任補償の金額は多くの場合1億円以上で、無制限のものもあります。また、タイヤのパンクやチェーンが外れて走行不能になった場合にその場から自転車を運んでくれるロードサービスが付帯している商品も提供されています。

個人賠償責任特約とは?

自転車保険に新たに加入しなくても、第三者にケガをさせた場合の補償が用意されている場合もあります。

火災保険や自動車保険に加入しているときは「個人賠償責任特約」が付いていることがあります。この特約では被保険者が誤って他人にケガをさせてしまったり、他人のものを壊してしまったりして損害賠償責任を負った場合に補償を受けることができます。自転車で他人にケガをさせた場合も基本的に補償対象になります。

個人賠償責任特約の補償対象は被保険者だけでなく同居する家族全員になる場合が多いようです。私の加入している特約も同居家族はOKです。その上、別居していても、生計が同じで未婚の子ども(たとえば学生など)なら基本的に補償対象となります。

また、クレジットカードに個人賠償責任保険が付帯していることもあります。補償対象はカードごとに異なるので、自分のカードに付帯しているのか、補償対象はどうなっているのか、などを確認しておきたいところです。

個人賠償責任保険はあくまで第三者に与えた損害を補償するものになりますので、被保険者が負傷したり被保険者の物が壊れたりした場合は補償されないことには注意が必要です。

自分のケガも補償対象に含めたい場合や、車を持っていなかったり、賃貸住宅に住んでいて(家財だけが保険対象など)火災保険の補償範囲が決まっていたりする人は自転車保険に入ることが選択肢となります。

自転車保険や個人賠償責任保険には、事故の加害者になったとき被害者側との示談交渉を保険会社が代行するサービスもあります。損害保険ジャパンは「一方的に追突されるなどの被害者となった場合は示談交渉を保険会社が代行できないが、弁護士費用を補償する特約を付ける方法もある」と説明しています。

電動キックボードの保険は?

これから特に注意が必要と思われるのは、今年7月から一定の条件の下で公道走行に免許が不要となる電動キックボードに対してです。

現在の電動キックボードは法律上、原付きバイクと同じ扱いで、7月以降に免許不要で乗れるものも「特定小型原付き」になり、自転車保険や個人賠償責任保険の補償対象になりません。

シェアリングサービスを利用する場合は事故時の保険が用意されていますが、自分で所有する場合は対応する保険や、自動車保険のファミリーバイク特約などに加入しておく必要があります。

まとめ

万がいちの時に頼りになる損害保険。リスクが実際発生する可能性はけっして高くはありませんが、いざ発生すると高額な補償を求められる場合もあります。

私の場合は、自動車保険に個人賠償責任特約を付加しています。未就学児の孫も同居していますので、「商業施設などで商品を壊した場合」や「自転車に乗って駐車車両を傷つけた場合」などにも対応できそうです。

こうした損害保険は、発生する可能性が低いため保険料も高くはありませんが、いざという時のためにぜひ加入をお勧めします。

火災保険や自動車保険に加入しているときは「個人賠償責任特約」が付いているかどうか確認し、加入していない場合は「自転車保険」に入りましょう。

新年度が始まった今だからこそ「ヘルメット着用を意識する」とともに、「自転車にまつわる保険」についても見直しをしてみましょう!

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