「おひとりさま」の資産運用についてどう考える?

みなさん、こんにちは!「家族信託」や「遺言書」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。

令和4年11月18日付日本経済新聞電子版「人生100年こわくない・資産活用で笑おう」に「おひとりさまの資産運用」についての記事が掲載されていました。「おひとりさまの幸せ感」と併せて考えてみましょう。

単身世帯は生活満足度が低い傾向!

単身世帯は有配偶者世帯に比べ、生活満足度が低い傾向がみられます。

「男性は、生活力がないだけに1人の老後は心配だ」といわれています。しかし、男性の生涯未婚率は20%を超えていて「そもそも準備して退職後の生活を迎えているはず」とも考えられます。

退職後に1人で暮らす人、なかでも男性は生活に満足できているのでしょうか。資産運用することはどんな影響があるのでしょうか。

そこで、令和4年2月に行った「60代6000人の声」アンケート調査の結果から、シニア単身世帯の生活満足度を分析しました。

60代で単身世帯は3割に

まずは単身世帯がどれくらいの割合を占めているのでしょうか。

2020年の国勢調査によればと、有配偶者世帯の構成比は、女性の場合、30代後半で7割に達し、その後60代までほぼその水準を維持していますが、60歳代を過ぎるとその後は急落しています。

女性の場合は、50代くらいから配偶者との離別、死別が急増し、単身世帯が70代で4割弱、80代で7割まで上昇することが背景にあるようです。

一方、男性の有配偶者世帯比率は40代になって6割を超え、70代の8割まで年齢が高くなるにつれて上昇し、75~79歳で80.3%のピークを迎えます。こうした男女のトレンドの違いは平均寿命の差や配偶者との年齢差などが反映されているようです。

そのなかで60代だけをみてみますと、男性も女性も配偶者のいる世帯の比率は7割でほぼ同じとなっていますが、単身世帯の内訳はかなり違いがみられます。

男性の単身世帯数は203万世帯だが、そのうち未婚単身世帯が120万世帯、離死別単身世帯は83万世帯と圧倒的に未婚単身世帯が多くなっています。

これに対して女性は、単身世帯数は男性より少し多いとはいえほぼ同じ218万世帯で、そのうち未婚単身世帯は59万世帯、離死別単身世帯は159万世帯と、圧倒的に離別や死別の世帯が多くなっています。

60代単身世帯の生活満足度は?

男女合わせると420万世帯にのぼる60代単身世帯の生活満足度はどうなっているのでしょうか。

「60代6000人の声」アンケート調査と照らしてみていきます。

アンケートの回答者6486人を配偶関係の他、それぞれに同居の子どもがいる、同居の親がいるといった家族構成も考慮して分類をし、それぞれのカテゴリーにおいて、生活全般の満足度を5段階で聞いた結果のうち、「どちらかといえば満足している」と「満足している」のどちらかを選んだ人の比率を「満足比率」としています。

なお、このアンケート調査の回答者の有配偶者世帯構成比は70.1%、単身世帯比率は24.0%で、国勢調査の60代の結果とほぼ同じになっています。

単身者は生活満足度が低い傾向

分析の結果、単身世帯の満足比率は34.6%と有配偶者世帯の50.0%を大きく下回っていました。

しかも子どもと同居していても、親と同居していても単身世帯の満足比率は低くなっていて、配偶者の存在が生活全般の満足度に大きく影響していることが第一の特徴となりました。

さらに、総じて男性の満足比率が女性に比べて低いことももう一つの特徴といえます。第一の特徴と合わせると、60代の単身の男性は満足比率が最も低いという傾向がうかがえます。(ちなみに、私も満足比率が最も低いカテゴリーに当てはまっています(笑))

ところで、男女比較で、1つのカテゴリーだけ男性の満足比率が女性を上回っているところがあります。

それは、夫婦世帯で親と同居している世帯の場合です。夫婦で親と同居する場合には、男性の満足比率が女性より高くなっていますが、これは男性の満足比率が高くなっているのではなく、女性の満足比率が大きく低下しているためです。

親の同居が女性に対して負担を重くし、それが女性の満足比率を下げているとみるのが妥当と考えられます。

それでは単身世帯で配偶者以外の同居者は満足度を上げるのでしょうか?

総じて単身のみの世帯と親や子どもが同居する世帯の満足比率はそれほど違いはみられません。

男性では子どもと同居する世帯、女性では親と同居する世帯の満足比率が、それぞれ単身のみの世帯より高くなっていますが、それほど大きな差ではなく、配偶者以外の同居者がいることは単身世帯の生活の満足度を引き上げるとはいえそうにありません。

満足度を引き上げる方策は?

「家族の同居関係(とくに配偶者)」以外に満足度を引き上げる方策はないのでしょうか?

「60代6000人の声」アンケートで聞いた他のいくつかの項目と生活全般の満足度の関係を分析しました。

具体的に分析対象にしたのが、

①健康水準の満足度

②人間関係の満足度

③仕事・やりがいの満足度

④資産水準の満足度

⑤住んでいる都市の規模

⑥年齢

⑦性別

⑧仕事をしているかどうか

⑨公的年金を受給しているかどうか

⑩子どもが同居しているかどうか

⑪親が同居しているかどうか

⑫世帯保有資産額

⑬資産運用をしているかどうか

⑭年間生活費の金額

⑮世帯年収

⑯資産は自分の寿命をカバーすると思うか

以上の16項目となります。

分析の結果、有配偶、単身のどちらの世帯でも大きく影響していたのは、「①健康水準の満足度」「②人間関係の満足度」「③仕事・やりがいの満足度」「④資産水準の満足度」「⑧仕事をしていないこと」「⑯資産は自分の寿命をカバーすると思っていること」の6つの項目でした。

最近よく話題になるウェルビーイングの考え方を参考にすると、健康水準、人間関係、仕事・やりがい、資産水準の満足度が生活全般の満足度に影響を与えているという結果と合致しているといえます。

なお、この4つのなかで「資産水準の満足度」の影響力が強くでていて、資産水準の満足度が高いほど生活全般の満足度を大きく高めることを示唆しています。

また60代の特徴ともいえるのでしょうが、「⑧仕事をしていないこと」が生活の満足度を高めることも分かりました。さらに「⑬保有する資産が自分の寿命をカバーする」という自己評価も生活の満足度につながっていることも分かりました。

資産運用で満足度が上昇

とくに注目したい点は、60代の単身世帯だけに強く表れた「⑬資産運用をしていること」が満足度を高めているという特徴です。

これは有配偶世帯には有意に表れなかったことから、単身世帯特有のものといってもいいかもしれません。

60代単身世帯にとって、資産運用をすることそのものが生活全般の満足度を高めていることは、総じて満足度が低下するシニア単身世帯にとって対策の重要な要素といえそうです。

もちろん現役時代に資産運用をしなかった人が、60代になってから資産運用を始めるのは簡単には勧められません。

しかし現役時代から少しずつ資産形成を行って、60代になってもそれを継続するような姿勢は単に生活費を確保するということだけでなく、生活の満足度を高める点でも大切になるのではないでしょうか。

まとめ

今回のテーマは、まさに私がバッチリ当てはまっているカテゴリーです。まず、「①60代男性」、「②配偶者と死別」、「③子供家族と同居」。娘家族と同居しているため、単身世帯ではありませんが、それ以外の条件も結構当てはまっています。

私って、結構、生活の満足度が低くなる条件なのですね(笑)でも、「資産運用をしていること」が生活の満足度を高めることにつながるのですね~。正直、驚きました。

そして、私自身も資産運用をしているのでチョッピリ、ほっとしました。

きっと、同じ60代であっても、きっと60代前半と60代後半では違いがみられるのでしょうね。(たとえば、「仕事をしていないこと」は、60代前半と後半では、その意識に違いがあると思います)

今週、60代でお亡くなりになった知人のお宅へお参りにいきました。その際、ご遺族(奥様)が、多少無理してでも(金銭面もそうですが、行動的にも無理して出かけたそうです。)、旅行やイベントなどに出掛けることができて良かったとしみじみと話されていました。

私の今後のテーマである「老後の幸せな生き方」は、下の「財産ゼロで死ぬ?老後の幸せな生き方とは?」をご覧ください。

60代からは、お金やモノよりも「人生の思い出づくり」が大切になるのを身をもって感じています。そして、今後も引き続き、「人生の思い出づくり」を優先して生活していきたいと思います。

そのためには心身の健康維持が大きなファクターになるので、この辺にも留意しながら暮らしていきます。しかしながら、アルコールを嗜むことが好きですので、それを我慢するのではなく、健康とアルコール、バランスを取りながら進んでいきたいと思います(笑)

アナタは「人生の思い出づくり」、楽しんでいますか?

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