個人に送金、スマホで安く 「ことら」10万円まで無料
みなさん、こんにちは!「家族信託」や「遺言書」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。
先月、個人間の少額送金サービス「ことら」のサービス開始を当ブログでお伝えしましたが、その続報です。
令和4年11月5日付日本経済新聞電子版「個人に送金、スマホで安く「ことら」10万円まで無料」を参考に投稿します。
「ことら」の特徴
先月スタートした、新たな個人間の送金サービス「ことら」ですがが、これは大手銀行が主導するスマートフォンを通じた個人間の少額送金サービスです。新たな無料送金サービスの登場となったわけですが・・・
スマートフォンアプリを使って少額のお金を送れる個人間送金サービスが広がり始めています。一定額までなら手数料無料で預金口座間で送金できるサービスが始まり、口座振込よりもお得に利用しやすくなってきています。それに加えて、名義の異なる預金口座とコード決済などの間でも送金できる仕組みも整い始めていて、今後さらに利用が広がる可能性があります。
個人間送金サービスの特徴や利用上の注意点などをまとめてみました。
2022年10月、三菱UFJ銀行や三井住友銀行など銀行5行が出資することら(東京・中央)はスマホを使った個人間送金サービスの「ことら送金」の提供を始めました。
この「ことら送金」を利用できる金融機関の口座同士ならば、スマホアプリを操作して手軽に送金できるのが特徴となっています。今年10月の開始時点では20の銀行で利用できるようなシステムです。11月中にはさらに11行、2023年4月以降はさらに26行で新たに利用できる予定となっています。
ことらには専用アプリがありません。利用するには各銀行が指定する、ことら送金の機能が使える決済アプリや預金管理アプリなどを使うことになっています。
各アプリで預金口座番号と携帯電話番号や電子メールアドレスなどを登録してひも付けを行います。送金時に相手の口座番号を知らなくても電話番号などで検索して指定することができます。
口座番号で送金する場合、受け取る側はアプリが不要です。送金の限度額は1件あたり最大10万円までとなっています。手数料は各銀行が決めるが、現時点では全てが無料となっています。
銀行の口座振込の場合、基本的には数百円程度の手数料がかかります。例えば大手3行から他行宛てに3万円以上振り込む場合、最も安いインターネットバンキングでも基本的に220~330円、窓口だと770~880円が手数料としてかかります。
ネットバンキングでの振り込みを一定回数無料にする銀行もあるが、給与や年金を受け取るといった取引条件を満たす必要があります。
コード決済サービスの特徴
ことらと同様にスマホアプリで送金できるのがコード決済サービスの個人間送金です。買い物の支払いなどに備えて事前に入金(チャージ)済みの残高などを送金するのが一般的です。無料で送金できるが送り先は同じサービスの利用者のみで、本人確認の手続きが済んでいれば、1回または1日に10万円までなど各サービスが設定する限度額の範囲内で送金することができます。
スマホに電話番号を登録した連絡先から送金先を選択したり、QRコードを発行して相手に読み取ってもらったりするなどの方法で送金することができます。また、メルペイのように受け取り手続きをする専用画面のURLをショートメッセージサービス(SMS)で送付するタイプもあります。
送金された残高はそのままコード決済の支払いに利用することができます。ただし、現金で出金するには手数料がかかるタイプが多くなっています。コード決済の多くはアプリに登録した預金口座などへ出金することができ、1回あたり100~220円程度の手数料がかかります。LINEペイやd払いはセブン銀行のATMで手続きしても出金することができますが手数料は220円かかります。auペイの場合、出金額が2万円以上だと原則、手数料はその1%(税別)かかります。
みずほ銀行が提供し150以上の金融機関から選んで口座とひも付けられるJコインペイのように、出金時の手数料を常に無料とするものもあります。PayPay(ペイペイ)はPayPay銀行の預金口座への出金時は常に、楽天ペイは楽天銀行の口座に1万円以上出金すると手数料が無料になります。
コード決済の個人間送金でコストを負担したくない場合はこうした金融機関と組み合わせて利用するのが得策といえます。
個人間送金の選び方は?
個人間送金はどのように選んだらよいのでしょうか。
ファイナンシャルプランナーの頼藤太希氏は「友人との旅行費用の精算や家族間の仕送りなど、まとまった金額を送金する場合はことらが便利」と助言しています。
コード決済の個人間送金は無料で出金する条件が限られているため、残高が高額になると、コード決済の使えない店での支払いには充てられず不便が生じるということです。頼藤氏は「飲食代の割り勘など比較的少額のやりとりなら日常の買い物に利用できるコード決済が便利」と指摘しています。
まとめ
今後は異なるアプリ間の送金がもっと広がる可能性があります。ことらには金融機関だけでなく、コード決済を手がける資金移動業者も接続することができます。
銀行間の送金システムで口座振込などに使われる「全国銀行データ通信システム」(全銀システム)が2022年10月に資金移動業者も参加できるようにしており、将来は預金口座とコード決済の間で個人間送金が手軽にできるようになるかもしれません。
個人間の少額送金サービス「ことら」や「PayPay(ペイペイ)」などの資金移動業者、暗号資産(仮想通貨)など、無料で個人間を送金できるサービスが次々と誕生しています。また、前述のとおり事業者間の連携も広がりつつあります。
そして今後も新たな無料送金サービスが生まれる可能性も高いと思われます。しかしながら時間の経過とともに、これらサービスの一定の淘汰が進んでいくことでしょう。
私たちも常に新しい情報を把握しながら、より有利なサービスを選んでいくことが大切になります。