60歳から74歳の「黄金の15年」も、一律ではない高齢期。
みなさん、こんにちは!「家族信託」や「遺言書」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。
当職ブログ「財産ゼロで死ぬ?老後の幸せな生き方とは?」と関連しそうな記事が令和4年10月6日付夕刊フジに掲載されていましたので、それに関連して投稿します。
【加齢に応じて生活の充実考えるべき 一律ではない高齢期 60歳から74歳の「黄金の15年」も…後半の75歳以降に課題】から
以下は、25万部を超えるベストセラーになった『定年後』(中公新書)などの著者 楠木新(くすのきあらた)さんのコラムです。
楠木さんは今年9月、昨年に続いて高齢者大学で話す機会があったそうです。この講演には200人以上の参加者があったそうです。
黄金の15年とは?
昨年は、主催者の要望に応じて、定年前の準備や、60歳から74歳までの「黄金の15年」をイキイキ過ごすことを中心に話したとのことです。この「黄金の15年」とは、『定年後』(中公新書)において主張した楠木さんの造語です。
定年の60歳から74歳くらいまでは、自立して活動することができて、かつ会社員当時の口うるさい上司もいなくなり、仕事も楽になって、家族の扶養義務も今までよりも軽くなります。親などの介護を抱えている人も多いのですが、自分のために多くの時間を費やせる人生のラストチャンスとなります。
持てる能力を最大限に発揮して生きることもできれば、ゆったりと何もしないで無所属の時間を味わうこともできるのです。寿命が延びたことにより、日本の歴史上初めて私たちが手にした貴重な機会なのだと楠木さんは述べています。このチャンスを大切にしようというのが、「黄金の15年」の楠木さんの見解です。
75歳以降をどう生きるか?
楠木さんが行った昨年の講演では、一応の手応えもあって主催者から今年も依頼されたようですが、昨年は壇上から見ていると、70歳を超えたと思われる人が多いことが気になっていたようです。
そのため、今年の講演の前に参加者の年齢別の男女比を主催者から教えてもらったということです。女性がやや多く、年齢構成は、60代が35%、70代前半が35%、70代後半は27%という構成比でした。これでは「黄金の15年」の話だけでは、訪れた人々の関心に応えられないと楠木さんは考えたようです。
楠木さんは今年68歳になって、「黄金の15年」の後半に入っており、70代半ば以降に興味が移りつつあるということです。講演時間が90分あったので、前半は「黄金の15年」のこと、後半は75歳以降にどのように生きるかという点について話をしたようです。
安楽死を取り扱った映画『PLAN75』や、私が終活フェアで講演したときの会場の様子、70代半ばの人を取材したときの発言などを紹介しました。会場の興味は後半の話にあるように楠木さんは感じたようです。
70代後半になると新しい趣味などに取り組むのは容易ではありませんし、旅行やおいしいものを食べ歩くことも徐々に日常的な行為ではなくなってきます。
68歳の楠木さんと91歳の義母は、同じ高齢者といっても、活動できる範囲や周りからの援助の有無、求めているものもまったく異なっているそうです。高齢期を一律にとらえると、できるだけ長く生きることが目標になりがちです。
それも大切ではありますが、むしろ延ばしてきた寿命をどのように充実して過ごすかがポイントになると楠木さんは強調しています。「高齢期にも加齢に応じた過ごし方の変化があることを前提に生活の充実を考えるべきだ」とも指摘しています。
まとめ
当職ブログ「定年退職起業と健康寿命をTULIPラストツアーから考える」の中でも述べていますが、健康寿命を考えながら高齢期を過ごしていきたいものです。
健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことをいいますので、心身に関して何も支障なく暮らせる平均的な年齢になります。日本人男性の健康寿命(2019年)は、72.68歳です。
健康寿命を超えるような年齢になれば、旅行やおいしいものを食べ歩くということも徐々に日常的な行為ではなくなってきますので、それまでにお金を使って楽しむことができれば、充実した人生だったと感じることができるかもしれません。
先日、高校の同級生5人で飲食しましたが、確かに以前に比べて食事の量が食べられなくなってきましたし、お酒も弱くなったというのは参加者全員の感想でした(笑)。
私は、健康寿命を考慮しながら、後悔しない残りの人生を過ごしたいと痛感したところです。