10月から全員iDeCo時代 それまでの準備は?

みなさん、こんにちは!「家族信託」や「遺言書」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。

2022年8月9日付け日本経済新聞電子版「お金のトリセツ」に「全員iDeCo時代」の記事が掲載されていましたので、それに関して投稿していきます。

今年10月に訪れるという「全員iDeCo時代」、いったいどういった意味なのでしょうか?

今年の夏休みの宿題?

節税の王様と呼ばれる個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)ですが、加入要件の関係で、これまでは入りたくても入れなかった、750万人ともいわれる会社員が待ちに待った瞬間が今年10月のタイミングになります。

しかし、お得な制度は突然訪れるわけではありません。実は今年の夏休みの宿題として今から準備を始めないと、10月になってから「え? iDeCoすぐに入れないの?」ということになりかねないので注意が必要です。

10月の法改正で会社員に広がるiDeCo門戸

個人型確定拠出年金であるiDeCoは、原則20歳以上65歳未満の国民年金加入者が公的年金の土台の上に「自分年金」の貯金箱を築くイメージになります。

それぞれの年金のタイプごとに拠出の上限額が決まり、その中で自分でいくら出すかを決め(最低月5000円~)、選んだ金融商品で長年運用していきます。

もともとの制度は、セーフティーネットが手薄な自営業者や企業年金のない会社員向けの制度でしたが、近年、公務員や専業主婦(夫)などに対象が広がり、2022年6月時点では251万人超が加入する人気の制度となっています。

唯一、門戸が閉じられた形となっていたのが、企業型確定拠出年金(DC)を導入する企業の会社員でした。そのままiDeCoの非課税枠もプラスオンするとあまりに手厚すぎるということから、今年9月まではわざわざ会社掛け金の上限額を引き下げる措置が必要となっていました。

しかし、法改正を受けて今年10月以降は必要なくなり、日本の会社員のほぼ5人に1人に相当する一大勢力のiDeCoデビューできる舞台が整いました。(当然、任意の選択ですので、やらないという選択肢もあります) 

国民年金基金連合会は10月20日締め

企業型確定拠出年金(DC)を導入する企業の会社員の方がiDeCoを始める手続きは、自分で行うことになります。そしてこれは結構、面倒で時間のかかるプロセスでもあります。

既に加入している企業型確定拠出年金(DC)は、会社が掛け金を出してくれるばかりでなく、商品ラインアップや手続き面でのインフラもパッケージで提供してくれており、そこはiDeCoと大きく異なります。

iDeCo暦(スケジュール)は?

まずは、「iDeCo暦(ごよみ)」を押さえておく必要があります。基本的には毎月「20日締め」の「翌月26日引き落とし」となります。

iDeCoの実施機関である国民年金基金連合会(国基連)に10月20日までに遺漏のない書類を届けられれば、10月加入の資格を得て、翌11月28日(26日が土曜日のため変則的)から掛け金の引き落としが始まることになります。

iDeCoをは始めようとする人が、書類を届けるのは運営管理機関である証券会社や銀行などになります。ではその前段階で自分が選んだ運営管理機関に対して、会社員本人がいつまでに書類を届ければいいかというとこれはその運営管理機関により様々なようです。

同月の「1日」や「5日」などの例が多いようですが、いずれにしても10月20日から逆算すると9月下旬には発送した方がよなそうです。・・・とすると、残された時間は長くはありません、なぜなら……。

まずは金融機関への資料請求から

私は今年61歳、iDeCoは60歳を迎えた時点で積立は終了し、運用のみが行われていました。

法改正により、今年5月から65歳までiDeCo加入が可能になったため、再加入の手続きを行いましたが、この手続き、以外にも時間がかかるのです。

私が選んだ運営管理機関は某大手ネット証券。資料請求にも時間がかかります。

大手ネット証券Webには、「ゴールデンウイーク期間などは資料請求からお届けまで2週間かかる場合もございますのでご了承下さい」と表示されています。

万事ネット化が進んだ大手ネット証券会社をもってしても、ことiDeCoの手続き関連では未だ郵便が主役となっています。そして郵便といえば、今年に入ってから、土曜の普通郵便の配達がなくなり、配達期間も1日前後伸びるなど、サービス後退が著くなっています。

証券会社は速達で送ってくるわけではなく、普通郵便で送ってきますから、以前の感覚よりも「郵便による書類のやりとり」には時間がかかるようになりました。それこそ、タイミングが悪ければ、相手に到達するのは翌週などということも大いにあります。

さて、仮に今日、資料請求をして2週間後に資料が届くと、次に待つのが勤め先に書類を持って行って、必要事項を記入してもらい、ハンコを押してもらうミッションになります。

iDeCo加入のためには必要書類として、会社に「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」を書いてもらう必要があります。

「イデハラ」はないにしても……

この「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」取得というプロセスで、会社が「面倒くさがる」、「なかなか書類を返してくれない」というのがSNS(交流サイト)上などで発生が報告されている「イデコハラスメント(イデハラ)」です。

仕事と直接関係のない面倒な手続きと思われるからか、担当者人数の少ない中小企業などでは起きがちといわれています。10月解禁の場合、もともと企業型DCのある大きめの会社が対象なので、まさかイデハラはないだろうが、新型コロナウイルス禍の夏休み期間ということもあり、1~2週間はかかると予定した方がいいということです。

もともと企業型DC制度をもった会社ですので、大きい規模の会社でしょうが、そこは、今までなかった業務が生じるわけですし、担当者の性格などにも影響されるのかもしれませんね。

8月末の「事前受付」も

中には「締め切りは8月末」と言われている人もいるかもしれません。これは会社の手続き上、事務作業が集中するのを避ける目的で国民年金基金連合会(国基連)が設けている「事前受付」の締め切り日になります。これは、7~8月中に早めに書類を提出しても法施行後の「10月加入扱い」にしてくれる措置だといいます。

「いつまでに、何を」の締め切りが見えにくく混乱しますが、最終的には10月20日の締め切りに間に合えば、晴れてイデコデビューが可能になります。

まずは早めに運営管理機関(証券会社や金融機関)選びという山を越えましょう。

まとめ

私も今年5月にiDeCoの加入手続きを行いましたが、その時はまだ色々な情報が出ておらず、私のiDeCoの運営管理機関でも「手続き情報」がなかなか出なかったように記憶しています。

今回は既に情報もしっかりと出されていますので、早めに手続きを行うことをお勧めします。

なお、肝心なのは「運営管理機関(証券会社や金融機関)選び」です。老後資金の形成という長い間運用するiDeCoですので、なるべく経費が掛からないところをチョイスすることが肝要です。(ちなみに私は、某大手ネット証券です!)

書類請求から始まりますので、意外と時間がかかります。早めに準備しましょう!

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