「資産がないから家族信託しない」いう考えは危険!家族信託の必要性とは?
みなさん、こんにちは。認知症対策の強い味方となる”家族信託”を活用した相続対策を専門にしているディアパートナー行政書士事務所 代表の瀧澤です。
ディアパートナー行政書士事務所では「家族信託」や「遺言書」、「任意後見」など生前の相続対策に特化した取組を行っています。
今回は、「うちには財産がないので家族信託は必要ない!」とお考えの方に、家族信託の必要性について解説していきます。(当事務所と業務提携しているトリニティグループのコラムを参考)
トリニティ・テクノロジー株式会社が運営する「スマート家族信託」⇒ https://sma-shin.com/
「家族信託は財産管理の新しい方法です!」よく聞く家族信託のキーフレーズです。もちろんこれは正しいのですが、「財産管理?うちには資産があるわけでもないから関係ないかな」と思っていませんか??
「家族信託は認知症対策として有効です!」これも家族信託の重要なキーフレーズです。
前者と比べてどうでしょうか?「財産管理」より「認知症対策」の方が、より身近に感じませんか? 誰にでも認知症になる可能性はあります。
家族信託は資産がある人が財産管理の為にするものだけではなく、「認知症対策として有効です」ということも認識して頂きたいと思います。
認知症対策としての家族信託とは?
認知症になってしまった場合に困るのが、「銀行の預金口座が凍結されてお金を引き出せなくなる」「不動産を売却することができなくなる」ということでしょう。現在の法制度では、認知症になってしまった場合には、もはや成年後見制度を利用するしかありません。そして、以後は成年後見人に財産を管理してもらうことになります。
成年後見制度は、このブログでも前に解説していますが、裁判所が選任する第三者(親族の場合も少ないですがありえます)が、裁判所の監督の下で本人の為に財産を維持管理する制度です。
こう聞くと聞こえは良いですが、実際はとても使いづらい制度になっています。
その原因の一つが、財産の処分方法が限定されてしまう点です。
例えば、自宅を売却したり、何か物を買ったりすることが、著しく制限されてしまうのです。後見人は、本人の財産を守るために、本人の生活の維持に必要な部分にしか支出をしないようするためです。
そこで昨今、成年後見制度に比べると格段に財産処分の制限が少なく、家族の実情に沿ったオーダーメイドな設計が可能な家族信託が注目されています。ただし、家族信託は認知症になってしまった後(より具体的には意思能力がなくなってしまった後)には利用することができません。
そのため、まだ「認知症になる前」に「万が一の場合に備えて」、家族信託を利用してリスクヘッジをしておいた方が良いのです。
下記に認知症対策として最も身近な事例をご紹介します。
認知症対策として家族信託をした方がよい典型事例
母(80)、子(55)の2人家族で、母は父から相続した自宅のマンションに住んでいます。最近、母の判断能力が衰えてきているため、近い将来、施設に入居することを検討しています。
しかしながら、施設の入居費用は思っていたよりも高額で、年金と少しの預金しかない母には、自宅を売却しない限り施設への入居は難しいことがわかりました。しかし、もし認知症になってしまったら自宅の売却ができません。
認知症になってしまい意思能力・判断能力がないと判断されたら、そもそも売買契約を締結することができませんし、司法書士が登記手続きをすることができないからです。
それでも自宅を売却したい場合は、成年後見制度を利用するしかありません。
そして選任された成年後見人が母に代わって売却の手続きを進めることになりますが、成年後見人は、ほとんどの場合、親族以外の第三者(主に弁護士、司法書士等)が裁判所から選任され、月2~5万円程の報酬を支払わなくてはなりません。
また、売却の前提として、裁判所の許可を得る必要があります。
すなわち、認知症になってしまったら(判断能力がなくなってしまったら)、
〇母が自宅を売却することができず、その場合は成年後見を申立てるしか方法がないこと。
〇成年後見人を選任してもらっても、売却の手続きの前提として裁判所の許可が必要になる為、手続きに時間がかかってしまうこと。
〇成年後見人に対する報酬が発生してしまうこと。
これらのデメリットが発生してしまいます。しかしながら、私共が注力している「家族信託」を利用すると全て解決できるのです。
まず委託者(兼受益者)として母、受託者を子として、自宅を信託財産とする信託契約を結びます。
自宅の名義は受託者である子に変わり、以後は子の判断で不動産を管理処分(リフォーム・売却等)することができます。
もちろん、成年後見の申立てや売却の際の裁判所の許可は必要ありません。
そして売却で得た金銭は受益者である母のものになりますので、この売却代金を施設への入居費用とすることができるのです。
まとめ
以上のとおり、家族信託は資産家の財産管理として有効な手段であると同時に、認知症対策としても非常に有効な手段となるのです。ただし、認知症対策としての家族信託は、認知症になってしまった後ではできない、という点に要注意です。
厚生労働省が発表した資料では、「2025年には高齢者の5人に1人が認知症」という恐ろしい数値が示されています。将来の万が一に備えて、はやめに家族信託の利用も検討してみるとよいでしょう。
認知症対策を検討するなら、一度専門家の無料相談などを活用してみることもおすすめです。
ディアパートナー行政書士事務所では、知識・実績とも豊富な、国内有数の家族信託実績を有する企業(トリニティグループ/トリニティ・テクノロジー株式会社)と業務提携しながら作業を進めますので、安全安心な全国トップ水準のサービスをご提供することが可能です。また、アフターサポートも業務提携と連携し、スマートフォンに連動した「スマート家族信託」を本格稼働させるなど、万全な体制で対応することが可能です。
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