長野県自治体で初めての制度導入「松本市パートナーシップ宣誓制度」

 長野県松本市は、4月1日から、県内自治体で最初となる「パートナーシップ宣誓制度」を導入、性的少数者(LGBTQ)らのカップルを結婚に相当する関係として公認し、婚姻に準ずる待遇を一部認めます。

 宣誓したカップルには、従来、親族間に限られた「市営住宅の入居」や「市立病院での手術の同意、みとり」などが認められるようになります。今後はこうしたサービス提供を民間企業へも呼びかけるとのことです。

 「自治体にパートナーシップ制度を求める会」の調査では、LGBTなど性的少数者のカップルを自治体が認める「パートナーシップ制度」の導入自治体が、4月1日現在で100自治体になったそうです。

 これは、日本の総人口の3分の1以上をカバーしており、性的少数者の権利保護や支援の動きがさらに広がっています。

 日本のパートナーシップ制度は、2015年に東京都渋谷区、世田谷区で開始。2019年には22自治体、2020年は38自治体が導入し、今年はすでに31自治体が始めるなど、この数年で急速に拡大しています。

 大阪府など3府県、16の政令市も導入している。渋谷区と認定NPO法人「虹色ダイバーシティ」の調査では、昨年末時点で延べ1516組にパートナーシップ宣誓証明書などが交付されたとのことです。

 導入自治体の多くは、同性パートナーシップのみとしており、事実婚などの異性間を公認するのは、横浜市や横須賀市、鎌倉市など一部の自治体に過ぎません。これは、LGBTQ(性的マイノリティ)の方への配慮と、性の多様性への住民の理解を求めながら、多様性と活力に満ちた地域の実現を目指す自治体側の政策によるものです。

全国のパートナーシップ制度の導入状況(「自治体にパートナーシップ制度を求める会」提供)

 同性婚の法的取扱いが争われた訴訟の判決で、札幌地裁は3月17日、同性婚を認めていない民法などの規定が法の下の平等を定めた憲法に違反する、と初めて判断しました。

 同性カップルに婚姻の法的保護が与えられていない現状を「差別に当たる」と明示しており、婚姻のあり方を巡る議論に影響を与えそうです。

 また、同日の3月17日、最高裁第2小法廷では、女性同士のカップルが一方の不貞行為で関係が破綻した場合、事実婚の夫婦のように慰謝料を元パートナーに請求できるという判断をしました。同性カップルの関係は結婚に準じた関係で法的保護の対象になるとしたものです。4人の裁判官全員一致の結論だそうです。

 同性間でも事実婚状態が成立し得るとした判断を最高裁も是認した形です。今後の法的判断にも大きな影響を与えそうです。

 長野県内においても、駒ケ根市は「パートナーシップ制度」を2022年度から導入するようです。長野県内では、松本市が今年4月から「パートナーシップ宣誓制度」を導入していて、これに次ぐ動きです。

 こういった、いわゆる「準婚」、法律婚以外のパートナーシップにおいては、”配偶者相続権がない”、”税金控除上の扶養家族と認められない”、”手術や入院の同意書サインができない”、”終末医療でのみとりができない”などのデメリットが生じています。

 なお、内縁は、年金や健康保険などの社会保険や公的扶助に関しては、内縁の配偶者についても法律上の配偶者と同様に取り扱われています。

 「準婚の定義」は、一般的には”内縁”を指す場合が多いのですが、当ブログでは、事実婚や内縁、同性パートナーシップ、入籍しない通い婚など、法律婚以外のパートナーシップ関係と定義して、多様な人々が共に生きながら、誰もが生き生きと生きることできる社会の実現を目指すための投稿をしていきます。ご期待ください!!

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