続「新NISAとiDeCoの使い分け」年齢・目的・収入別で

みなさん、こんにちは!「家族信託」や「遺言書」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。

「新NISAとiDeCoの使い分け」に関連するブログを今月初めに投稿しましたが、その続報的な記事が日本経済新聞電子版(2023年10月20日付)に掲載されていましたので、それについてご紹介していきます。

10月6日当職ブログ

限られた投資資金で新NISAとiDeCo、どちらを優先するか?

住宅購入や子育て、老後資金などに備えて長期で資産運用をする人は多いと思います。

そうした際にぜひ活用していただきたいのが、税制優遇を受けられる少額投資非課税制度(NISA)と個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)の2つの制度です。

NISAは2024年1月からの抜本改革が迫っており、またイデコはすでに2022年から制度改正が進んでいます。

NISA、イデコは非課税の恩恵が大きく、制度をうまく使いこなせるか否かで将来の資産に大きな差がつくことが考えられます。それでは、限られた自己資金の中でこの2つの制度をどう使い分けるといいのでしょうか。

新NISA、投資枠が大幅拡大

まずはこの2つの制度を簡単に説明します。

NISA(少額投資非課税制度)制度は?

NISAは専用口座で買い付けた投資信託や株式の売却益・配当などが非課税となる制度です。

通常、投資信託や上場株式の運用益には2割強の税金がかかりますが、NISAには一切かかりません。2024年1月に始まる新NISAでは従前に比べて年間投資枠が大幅に拡大します。

現在の「つみたてNISA」を引き継ぐ「つみたて投資枠」は3倍の年120万円に、「一般NISA」の概念を引き継ぐ「成長投資枠」は2倍の年240万円になります。生涯で使える投資枠は1800万円。「つみたて投資枠」、「成長投資枠」の2つの枠が併用可能になり、非課税期間も無期限となります。

イデコ(個人型確定拠出年金(iDeCo))制度は?

一方、イデコは公的年金に上乗せする確定拠出年金(DC)の一つで、加入者が自分で掛け金を出して運用する制度です。掛け金の上限額は働き方や勤務先の企業年金制度などで変わり、年14万4000〜81万6000円となっています。

イデコも運用期間中の運用益は非課税となります。受給する時は課税対象となりますが、一時金でもらう場合は退職所得控除、年金方式で受け取る場合には公的年金等控除を使って税負担を軽減できます。

そして、NISAとの大きな違いが、掛け金を所得控除できる点です。掛金全額が所得税・住民税の計算対象から外れ、本人の税率に応じて税金を減らせる仕組みになっています。

新NISAとiDeCo、どちらを活用?

毎月の収入とこれまでの貯蓄が多い場合など投資に充てる資金に余裕があれば、新NISAとiDeCo、2つの制度を併用し、税優遇を最大限生かすのが有利だといわれています。しかし家計をやりくりするなかで「運用に回せる資金が限られる人は多い」ことから、こうした場合、どちらの制度から活用すればいいのでしょうか。

若年層・共働き、iDeCo優先も

一つの有力な案として、自分のライフステージや投資目的に応じて使い分けることが挙げられます。

例えば結婚や子育て、住宅購入を控える20〜30代の場合を考えてみましょう。

NISAは換金制限がなく、まとまった資金が必要になる場面で運用資金を取り崩すことができます。

さらに2024年からはじまる新制度では途中で資産を売却しても買い付け時の金額分、翌年に生涯投資枠が復活します。

こうした特徴をいかして、資金に余裕ができたところで新規投資を再開することもできます。専門家は「新NISAはライフイベントに合わせ柔軟に使えるため、資金が限られる若年層にとって自由度が高い」としています。

若年層であっても、共働きなど毎月の収入が多い場合はイデコから始めるのも選択肢になるようです。掛け金の所得控除のメリットを考慮すると、「所得が高い人ほどイデコの節税効果が大きくなる」と別の専門家は指摘しています。

新NISAとiDeCoのどちらの制度でも、運用期間をより長期で確保できる若年層は、世界株や米国株指数などに連動するインデックス型投信を積み立てるのが基本戦略となります。その理由は、運用コストが低く、長期でみれば一定のリターンが見込めるからだといいます。

中高年、まず老後資金に備え

それでは、老後が視野に入る40〜50代はどういった考え方で活用しましょうか?

現在の収入が少なく、貯蓄も教育費などで取り崩して老後資金に不安がある人は、イデコでインデックス型投信を積み立てることが有効のようです。

NISAと異なり、イデコは原則60歳以降でないと引き出せないことから、「老後資金を確実に準備するうえで、60歳まで引き出せないのはむしろメリットになる」と専門家は話しています。こうした理由から、イデコは貯蓄が苦手な人にも向いた手法であるということができます。

ただし注意点がひとつ。イデコの受給開始時期に要注意です!

60歳から受給できるのは、イデコの加入期間が10年以上の場合に限られます。60歳時点の加入期間が10年未満なら、その期間に応じて受給開始可能年齢は後ろにずれることになります。こうした理由からイデコは早めに着手するのが正解のようです。

一方、収入が多く老後資金にもメドがついている中高年は、新NISAから活用するのが有効のようです。

つみたて投資枠でのインデックス型投信への投資に上乗せして、成長投資枠で高配当株や分配金のある上場投資信託(ETF)を買うという考え方もあります。

専門家は「運用期間が限られる中高年にとって、非課税期間が恒久化される新NISAでは配当などを継続的に期待できる資産の妙味が増す」と指摘しています。

いわゆるシニア層、60代以上の場合は新NISAの活用が有効のようです。退職金などまとまった現金を保有していても、再雇用で現役時より収入が減るケースは多いでしょうから、収入源が限られるシニア層にとって投資は資産を長持ちさせるツールになりえます。よりゆとりのあるシニアライフを目指すのであれば、一定程度の資金を運用に回すというのも選択肢の一つになります。

2022年5月にイデコの加入可能期間は「65歳未満」に5年延びました。60歳以降にイデコに新規で入る場合、加入から5年経過しないと受給することができません。

シニア層は若年層より運用期間が短くなることを考えると、新NISAはイデコに比べて投資枠が大きく、現預金で持ち続けるよりリスク資産で運用したい人にとっては非課税の利点を生かしやすいとされています。

まとめ

2024年1月からのスタートが迫った「新NISA制度」、そして「イデコ」の使い分けについて考えてきました。

基本的な考え方は、今月初めに投稿したブログの内容と大差ないようです。

私はシニア層、一人合同会社の代表社員ですので、イデコに再加入して、65歳未満までの間は掛金を払う予定です。社会情勢や政府の方針などを鑑みますと、イデコの加入金が「65歳未満」から「70歳未満」に延長されるのは自然の流れでしょう。

令和3年4月の「高年齢者雇用安定法改正」では、事業主に対して、70歳までの就業機会の確保についての努力義務が設けられました。こうした状況を考えると、比較的早い段階で、イデコの加入可能期間も「70歳未満」まで延長されることが予想されます。

前回ブログと同様に私が考えるには、若い世代では、メリットの多い非課税制度「個人型確定拠出年金(iDeCo)」をまず活用して老後資金を準備しつつ、資産形成として少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」=新NISA制度を利用するのが良いのではないかと考えています。

何もしないのはもったいない!

いずれにしても、何もせずに時間が過ぎるのはとてももったいない気がします。とくに若い世代においては、シニア層にはない「長い運用期間(時間)」を享受することができます。

せっかく国が準備してくれた税制優遇を受けられる2つの制度、少額投資非課税制度(NISA)と個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)をうまく活用していきたいものです。

新NISA、どうする?

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