突然訪れる親の介護、どのように対応?

みなさん、こんにちは!「家族信託」や「遺言書」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。

令和4年12月11日付日本経済新聞電子版に「親の介護」についての記事が掲載されていましたので、今回は「突然訪れる親の介護」について投稿します。

高齢者は倒れて入院、そのまま要介護になるケースも

「親の介護に直面し、何から手を着けたらいいか分からない人は多い」と、老親の介護に詳しいNPO法人パオッコの太田差恵子理事長は話しています。

子ら家族が特に戸惑うのが、元気だった親がある日突然倒れて介護が必要になるケースです。準備や知識が不十分なまま介護が始まり、子の負担が重くなりやすいといいいます。

今回は、親が入院し、公的介護保険を利用するまでの大まかな手順や費用について考察してみましょう。

入院費、月10万~15万円程度が目安

介護が必要になった65歳以上の人の原因をみると、男性で最も多いのが「脳卒中」となっています(厚生労働省調査)。これに心筋梗塞などの「心臓病」や「骨折・転倒」という突然発生する可能性のある原因を合計すると約37%を占めています。女性でも合計は約31%になり、男女とも「認知症」を上回っています。

このことから、親の介護が急に必要になる可能性は多くの人にありそうです。

それでは親が倒れたら、子は主に何をして、費用はどれくらいかかるのでしょうか。脳卒中の例で考えてみましょう。

倒れたらまず親は緊急の病気に対応する「急性期病院」に運ばれるのが一般的です。子は医師から病状を聞き、親がひとり暮らしなら入院の手続きをします。保証人の署名や入院保証金を求められる場合もあります。入院保証金は5万~10万円が多いようです(退院時に精算)。現金払いのみの病院もあり、子が立て替えることも必要な場合もあります。

脳卒中の入院は2週間から1カ月程度が多いようです。ただ「早々に親の転院先を決める必要があり、病院の医療ソーシャルワーカーらに相談して選ぶ」と介護に詳しいファイナンシャルプランナー(FP)の水島幸代氏は話しています。親の状態にもよるが「回復期リハビリテーション病院」に移るのが一般的とされます。

急性期病院の入院費は脳卒中の場合、脳血管が詰まる脳梗塞で約170万円、脳血管が破れる脳出血で約230万円(2021年度全日本病院協会調査、急性期グループ)が平均となっています。70歳以上の一般所得者(年収156万~約370万円)なら公的医療保険の高額療養費制度で1カ月の医療費の上限が5万7600円に抑えられます。そのほかに食費やおむつ代、家族の交通費などが加わっても通常なら月10万~15万円程度で収まりそうです。

親の入院や介護費は親のお金で賄うのが基本です。親のキャッシュカードの暗証番号が分からなければ、入院中に本人に尋ねておくことや、保険証が見当たらなければ在りかを聞き、民間の医療保険加入の有無も確認したいものです。

自宅介護か施設入居かを検討

転院した回復期リハビリ病院で親は集中的な機能回復訓練を受けることになります。入院日数は傷病などで決まっており、脳卒中は150日(重症の場合は180日)以内となっています。

回復が早ければ退院も早くなえいます。子はここでも早めに次の行き先を考え始めた方がよいようです。自宅に戻って介護を受けるか、老人ホームなどの施設に入るか、どちらかの選択肢が考えられます。

専門家に相談したいと思えば、相談病院の医療ソーシャルワーカーや、親の居住地の地域包括支援センターに相談する方法もあります。地域包括支援センターでは地域の高齢者施設の状況や選択肢、公的介護保険の申請、生活するうえでの心配ごとなどを聞くことができます。施設への入居を考えるのであれば、この期間に見学しておくのもよいかもしれません。

「介護保険の申請は入院中に行うのがよい」と専門家は助言しています。その理由は、退院後、速やかに介護サービスを利用できることができるからです。

申請の時期は医師らと相談して決めることになりますが、退院の1カ月ほど前が多いといいます。親本人や子ができなければ地域包括支援センターが代行してくれます。申請すると必要な介護の度合いを調べる認定調査があり、入院中なら調査員が病院に来て行います。退院後より要介護度が高く出る傾向があるとされていて、そうなれば1カ月に利用できる介護サービスの上限額が上がることになります。

回復期リハビリ病院の入院費も急性期病院とほぼ一緒です。退院の前に自宅か施設か行き先を決めなければなりませんので、親の状況や希望だけでなく、家族の事情なども考慮して検討することになります。

自宅に戻るなら、手すりを付けたり段差をなくしたりする工事が必要になる場合も多いでしょう。生命保険文化センターの調査によると、自宅改修などの一時費用は平均74万円となっています。介護保険では20万円を上限に改修費用が支給されます(自己負担1割なら18万円)。

一方、施設の選択肢としては、特別養護老人ホーム(特養)や有料老人ホームなどがあります。満員だったり高額だったりして、望み通りにいかないことも多いようです。もし、施設が決めきれなければ介護老人保健施設(老健)をいったん挟むといった方法もあります。この老健の入居期間は原則3カ月となっていますので、この間に施設を決めることになります。

まとめ

今回は、親が入院し、公的介護保険を利用するまでの大まかな手順や費用について考察してみました。元気だった親が突然入院し、退院後の行き先までを、限られた時間のなかで決めていかなければならないのですから、子にすれば戸惑うことも多いと思います。

もうじき年末年始です。帰省した際などに、保険証の在りかや、民間の医療保険加入の有無などを訪ねておくといった工夫も必要かもしれません。退院後の在り方について、親の希望を聞いておくといったことも大切かもしれませんね。

いかがでしたでしょうか。ディアパートナー行政書士事務所では、生前の相続対策や老後に向けた資産形成のご相談にも応じています。ぜひ一度、総合的な相談を受けてみてはいかがでしょうか。

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