業務特化への道!テーマの絞り込みは如何にあるべきか!!

 日本FP協会が発行する会報(FPジャーナル)4月号の「活かしてます!FP資格」というコーナーで、「業務特化という観点」で私が関心を持っていたFPさんが登場されています。

日本FP協会が発行する会報「FPジャーナル」4月号表紙

 自らのキャリアを積みつつ、「農業専門FP」としての飛躍を期す 西田凌さんです。西田さんは現在、金融機関勤務/西田FP事務所という肩書でです。(2014年 AFP認定)

 この農業専用FP」という業務特化に大変興味を持っておりました。

 FPジャーナルの記事によると、現在は金融機関に勤務しつつ、平日の就業後や休日を利用して、ブログでの情報発信のほか、全国の農家からのお金の悩みにオンラインやメールで相談にあたっています。(「いずれ会社が副業を認めれば・・・」という文脈からは、無料での対応だと推察できます)

 昨年半ばまでは専業で農業専門のFPとして活動していたが、金融機関への就職を機に現在のスタイルに変えたそうです。

 コロナ禍の影響もあり、講師業ができなくなったことや法人対象のコンサルティングもやりたいと考えて、現在の金融機関に入社したそうです。

 現在は本業に影響しないよう相談数を絞り、ボランティアで相談に乗っています。相談者は30代から40代が中心で、農業を専業に行っているが将来が不安な人、これから農業で起業したい人などですが、寄せられる相談は老後資金についてが最も多いそうです。

 専業農家は主に個人事業者で、農業者年金や小規模事業共済、iDeCoといろいろな選択肢があり、どう選んだらいいかわからない人が多いのですが、個別に事情は異なるので、ライフプランを立ててキャシュフロー表を作り、一緒に見ながらコンサルティングしていきます。

FPジャーナル4月号「活かしています!FP資格」

 西田さんは大学卒業後、地元佐賀県特産のアスパラガスでの農業経営と「農業専門のFP」の二足のわらじで事業をしようと決意し、2018年に独立起業しました。

 結局、農業は利益率と投資額のバランスが取れない点などから断念しましたが、とことん農業について調べたことで農業に関する様々な知識やノウハウを得ることができ、FP業務にはプラスになったそうです。

 このニッチ分野である「農業専門FP」への反響は大きく、「どこに相談していいかわからなかった」という農家からの相談が全国から寄せられました。相談後、農業で起業した人から「お金の道筋を立ててもらえたので、その心配をせずに農業に専念出来ています」といった報告など、相談者からの感謝の言葉が励みにもなったといいます。

 いずれ現在勤務する会社が副業を認めれば、再びFPを副業として活動したいと話しています。

 ここまでがFPジャーナルの記事です。

 西田FP事務所に関心を持っていたのは、

① 「農業専門」という極めて狭い、ニッチなFP分野に特化して起業したこと

② 「どこに相談していいかわからなかった」という農家からの相談が全国から寄せられたこと  の2点からです。

 「FP業」という極めて広範な業務について、如何に「業務特化するか」、そしてそれを如何に「分かりやすくアピールするか」が非常に大切なポイントではないかと考えています。

 「業務テーマ」は絞り込めば絞り込むほど、競業する事業者と差別化できますし、クライアント候補の消費者に対しても分かりやすくなると思うのです。

 西田さんは「農業専門FP」というニッチで他に誰もやっていない絞り込みを行うことで、全国の農家からの関心を集めたことになります。

 協業する行政書士の先生からも、「何の業務でもできますという行政書士」は「何にもできない行政書士」とよく言われています。行政書士も極めて広範な分野の業務がありますが、業務テーマの絞り込みができていて、それが専化であればあるほど、依頼する消費者側も迷うことなく問い合わせができるのではないでしょうか。

 西田FP事務所の専用Web「農家の家計簿」⇒ https://noukafp.net/

 私も起業するにあたっては、西田さんの専用Webや、協業する行政書士先生の助言から、

① 42年間の公務員経験を生かす

② 公務員の兼業許可を得て、事業展開した2年間の経験を生かす

② 日経ソーシャルビジネスコンテストのファイナリスト選出の経験を生かす

③ オンライン対応が適している業務を取り入れ、全国展開にもチャレンジする

ことを十分考慮しながら、今後も取り組んでいきたいと思います。

 西田さんの業務特化の手法が非常に分かりやすく、また「農家専用FP」という、たった6文字で何をやる人か理解できるキャッチーなネーミング、非常に参考になりました。

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