東京オリンピック観客向けガイドラインって?
ディアパートナー行政書士・FP事務所 代表 瀧澤です。
東京オリンピック・パラリンピックの観客数上限が、「競技会場定員の50%以内で最大1万人」に決まったことを受けて、6月23日に観戦チケットの再抽選の概要を発表するとともに、観客向けガイドラインを発表しました。以下は大会組織委員会からチケットホルダーに送信されたメール内容です。
ガイドラインの7つのポイント
まずは、観客向けガイドラインから。観客向け新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインのポイント7つは次のとおりです。
1)自宅・宿泊先と競技会場の直行直帰
2)入場時、2度の検温で37.5度以上なら入場不可
3)周囲の観客と肩を組む応援やハイタッチはNG
4)会場内で飲酒禁止、販売もしない
5)売店などの行列の間隔は最低1メートル以上を確保
6)感染後14日間はチケット半券を保管
7)ガイドライン違反は入場拒否や退場もある
ガイドラインには、観戦中のマスク着用を義務化し、大声を出したりタオルを振り回したりする応援は行わないように明記されました。周囲の観客とのハイタッチや肩を組んでの応援も禁止され、好プレーには声援ではなく拍手を促すということです。
競技が終われば密を回避するために分散退場し、どこにも立ち寄らず自宅や宿泊先に直帰するよう求めています。座席番号が分かるようにチケットの半券やデータは最低14日間保管することも要請するそうです。観戦後に陽性が確認されれば保健所に観戦日時や座席位置を申告できるようにするためのようです。
ガイドラインを遵守しない観客は、入場拒否や退場措置をとることもあるのだそうです。(この場合はチケット払い戻しには応じない。)
噂にのぼったPCR検査陰性証明書は?
「オリンピックの観客あり」が決定された時に噂になっていた、入場の際の「PCR検査陰性証明書」や「ワクチン接種証明書」の提示は必要なさそうです。もともと専門家からも「全く意味がない」という指摘もなされていましたが、ガイドラインには「証明書提示」は載っていないようです。
オリンピック開催までにワクチン接種は完了しそうもありませんし、「PCR検査を実施して証明書を発行してもらう」には、約3万円くらい費用がかかります。私が保有している観戦チケットは、飛び飛びの日程のため、「証明書提示」が入場の条件になると、「複数回のPCR検査が必要になるな~」と思っていましたので、まずは一安心です。だいたい、PCR検査機関に多くの観戦希望者が押し寄せれば、大きな混乱になりますし、現実的ではなかったと思います。
「直行直帰の推奨」で宿泊予約は?
自宅・宿泊先と競技会場の直行直帰が推奨されています。オリンピック期間中の「街の賑わい・熱気」を感じるため、観戦予定日前後の東京都内ホテルを予約していますが、今の状況が続けば、街に出てみることすらできないような感じですので、自宅(長野県松本市)から日帰り観戦も大きな選択肢になりそうです。
もともと、当初のチケット申し込みの時点では、都内の宿泊施設は予約できないだろうと考えて、松本からでも日帰り観戦できる日程の競技にしか申し込みをしていなかったので、時間的には日帰りは可能です。
開催が1年延期になった昨年のホテル予約(この時は予約時点でキャンセル不可という大変ホテル側に有利な条件でしか予約するホテルが見つかりませんでしたが・・・、しかも宿泊料金が結構な金額。)は、オリンピック延期という前代未聞の事象だったため、全額返金となりました。
今年はというと、都内の宿泊事業者はだいぶ弱気です。料金は通常と同じ価格設定、そして、空き部屋も多くあります。キャンセルポリシーも通常と同じに設定されていますので、宿泊日3日前にキャンセルしてもキャンセル料は生じません。
前代未聞のチケットの再抽選は?
東京五輪・パラリンピック組織委員会は23日、「収容人員の50%で最大1万人」の観客上限決定に伴う五輪の販売済み一般チケットの再抽選の概要を公表しました。
再抽選の対象となるのは、開閉会式と陸上、野球、サッカー、ゴルフ、近代五種、ラグビー、ソフトボール、サーフィンの8競技で、合計97セッションです。(陸上16セッション、野球16セッション、サッカー30セッション、ゴルフ8セッション、近代五種2セッション、ラグビー8セッション、ソフトボール7セッション、サーフィン8セッション)
「収容人員の50%で最大1万人」という条件をクリアするために、再抽選のセッションは大規模会場が多く、無効になるチケット数が最も多いのは、8月7日に日産スタジアムで実施されるサッカー男子決勝ということです。既に4万枚以上が販売されているため、3万枚以上が払い戻されることになります。(サッカー男子決勝は3/4の方のチケットは無効となる計算ですね~。再抽選での当選者は1/4の確率ですか、狭き門ですね~)
陸上は注目の男子100メートル決勝(8月1日)や、日本の金メダルの期待が懸かる男子400メートルリレー決勝(8月6日)を含め、国立競技場で行われる全セッションが対象となります。
野球も福島あづま球場での開幕戦(7月28日)から横浜スタジアムでの決勝(8月7日)まで、松山英樹の出場が見込まれる男子ゴルフ(7月29日~8月1日)や女子ゴルフ(8月4日~7日)も全セッションが対象となりました。
再抽選の対象外となるのは、IOCやスポンサーなど関係者向けの五輪チケットです。当初の170万枚から削減されたが、現時点で五十数万枚があるようです。また児童や生徒に現地観戦の機会を設ける「学校連携観戦プログラム」での観戦も「別枠」として設定されています。
チケットが不要になった人が定価で転売できる仕組みとして導入する予定だった公式再販売(転売)は行わず、代わりに払い戻しで対応するという方針です。チケットホルダーの方で、都合で観戦できなくなった人や、再抽選で当選した人も払い戻すことができます。払い戻しは7月6日未明~15日午前11時59分に申請を受け付け、大会終了後に返金されるそうです。
チケット申し込みは、2019年5月だったわけで、それから1回の払い戻しがあったとはいえ、置かれた状況や環境が大きく変化した人も多くいると思いますので、この「オリンピック直前での払い戻し機会」というのは大変有難く貴重なものです。
観戦に行こうか、それともテレビ観戦?
現在の新型コロナウイルス感染状況をみますと、ワクチン接種が進んでいるとはいえ、安心できない状況にあります。
現在保有している観戦チケットは、「競泳(1セッション)」、「新体操団体決勝」、「女子バスケットボール決勝」の3種。いずれも表彰式が組み込まれていますのでメダル授与まで観戦できます。
全て日帰りができる開催日程ではありますが、往路がタイトなのは「競泳」。競技開始が10時30分ですので、朝一番の「特急あずさ」を利用してもギリギリ間に合う感じです。
逆に復路がタイトなのが「新体操団体」です。新宿発最終の「特急あずさ」には多分間に合うのでしょうが、帰りが0時近くになります。
往路復路とも安泰なのは、オリンピック最終日の「女子バスケ」です。なおかつ、会場が埼玉県ですので、北陸新幹線を利用して長野駅から大宮駅に向かえば、東京を経由しなくても会場入りが可能です。帰りも多くの人とは逆方向の北陸新幹線で帰りますので、密予防としてはかなり有効に思われます。
「競泳」、「新体操団体」、「女子バスケットボール」ともに、再抽選の対象にはなっていないので、どの競技も観戦に行くことは可能ですが、払い戻しの申し込み期限までの感染状況も見極めながら、また、オリンピック代表選出などの機運の盛り上がりも考えながら、どう対応するか考えたいと思います。
それにしても、「オリンピック開催1週間前まで払い戻しに応じる」などというのは前代未聞ですね。通常であれば、今頃はチケットホルダーは、ワクワクしながら観戦日を楽しみにし、テレビや新聞も「オリンピック開催まであと〇〇日」などと特集しているはずなのですが。各競技の日本のメダル獲得期待度も徐々に分かってきますので、チケットホルダーとしては有利な状況にはあります。
まさに前代未聞の東京オリンピック・パラリンピック開催が刻一刻と近づいています。
パラリンピックはどうする?
パラリンピックの払い戻しなどについては、後日発表になるのでしょうが、オリンピックの開催状況を見極めながら判断していきたいと思います。(ちなみにパラリンピックは、最終日に行われる閉会式のチケットを保有しています。)
2020東京オリンピック・パラリンピックの最終日に行われる、国立競技場でのセレモニー。できれば生で見てみたいとも思いますが・・・
閉会式は日程の関係で、宿泊しないと観戦できませんのでその辺がネックですし、おそらく再抽選になるものと考えられます。
長野オリンピックも長野パラリンピックも、閉会式は生で見ることができて、特にパラリンピック閉会式はとても感動しましたので、見てみたいなー!(チケット料金が高額なため、払い戻し金額もかなり魅力的ですが(笑))