地方銀行の生き残り策は?(ながぎん地域応援隊)

 ディアパートナー行政書士/FP事務所 代表の瀧澤です。

 先日、全国地方銀行協会と第二地方銀行協会に加盟する99行のうち、約半数に当たる49行が振込手数料を引き下げる方向であることについて投稿したところです。

 政府の振込手数料引き下げ要請を踏まえ、40年以上変わらなかった銀行間の送金料が見直される10月を念頭に実施するということです。この地方銀行の「振込手数料引下げ」の動きは、地方銀行の生き残りをかけた経営戦略でもあり、下げ幅を100円超としたり、コストのかかる銀行窓口での利用を減らすためインターネット取引をより優遇したりする銀行があるなど、「振込手数料見直し」を経営戦略に活用する動きが鮮明になってきています。

長野銀行本店(長野県松本市)

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 長野県内に本店を構える地方銀行の長野銀行(松本市)でも、地方銀行の生き残りをかけた新しい動きです。

ながぎん地域応援隊の配置について

 株式会社長野銀行(長野県松本市、頭取 西澤仁志)は、長野県松本市安曇地区を主体地域として、「ながぎん地域応援隊」を配置し、同地区の地域活性化に向けて活動することを、このほど発表しました。

 今般の「ながぎん地域応援隊」は、「松本市」、「環境省中部山岳国立公園管理事務所」および同地区DMO「一般社団法人松本市アルプス山岳郷」等と連携を強化し、同地区の地元事業者、地元住民さまとともに地域活性化を目的として活動していきます。

 具体的には、温泉エリアの誘客策検討などに取り組んでいくということで、人員は地方創生を所管するソリューション営業部の部員 1 名が、週 1 日を目安とし、地域の方と一緒になって考え、働くことで、地道に地域を応援する活動を行っていきます。

 今後は、今回の「ながぎん地域応援隊」の活動をモデルケースとして、長野県内にも広めていきたいとしています。

 プレスリリース資料の最後には、

 『長野銀行は、今後も、「地域とともに歩む銀行~地域貢献度No.1~」を目指し、地域経済活性化に貢献してまいります。』と記されています。

地方銀行の生き残りのキーワードは「地域貢献」

 今回の「ながぎん地域応援隊」に限らず、長野銀行では、以下のような地域貢献的な事業を行っていました。(「長野銀行の活動」から)

1)「ながぎん地域応援キャンペーン」

 信州の優れた観光資源を将来にわたって保護し、観光の発展を支援するため、平成23年度より「ながぎん地域応援定期預金」を発売し、定期預金の残高に応じた金額を「県内観光を支える自然や文化財等の維持管理に充てる費用」として各施設へ寄付しています。
〇「ながぎん地域応援キャンペーン」第6弾実施平成28年度の寄付先(市町村)
 ・戸隠高原(長野市)/ ・ あんずの里保全事業(千曲市)/ ・長野県動物愛護センター「ハローアニマル」(小諸市)

 ・ 真田氏歴史館(上田市)/ ・上高地(松本市)/ ・ 長光寺薬師堂および宮殿(安曇野市)/ 

 ・市立大町山岳博物館(大町市)/ ・ 諏訪市博物館(諏訪市)/ ・中越遺跡史跡公園(宮田村)/

 ・ 伊那谷民俗芸能団体連絡協議会(飯田・下伊那地域)

※元長野県庁職員だった私から見ても、地域バランスに優れた素晴らしい配分先です!

2)スポーツ振興を通じた地域貢献

① Jリーグ松本山雅F.C.のサポート

 平成22年2月から長野銀行と同じく長野県松本市を本拠地とするJリーグ加盟クラブ「松本山雅F.C.」をユニフォームスポンサーとして支援しています。

② 県内出身アスリートへの応援

・大相撲一月、七月場所・御嶽海関(木曽郡上松町出身)の取組への懸賞旗掲出

・リオデジャネイロオリンピック バドミントン女子シングルス日本代表/奥原希望選手(大町市出身)への激励金・応援用スティックバルーン贈呈

3)「夏休み!ながぎんキッズバンクスクール」開催

 小学生の児童が銀行業務の疑似体験を通じて、銀行の役割やお金の流れ等を学ぶことにより、豊かな感性を育むとともに、お金の大切さや正しい使い方を知る機会を提供しています。

地方銀行の生き残り策の一つの柱「地域貢献」 

 長野銀行のまとめた取り組み状況によれば、長野銀行の目指す銀行像の4つの柱のうちの一つが

 地域とともに歩む銀行

 ~地域貢献度No.1~ 

 地域との絆を大切にし、地域貢献度No.1となるため、地域とともに歩む銀行をめざします。

と位置付けられています。

 ほかの3つの柱は、「お客さま満足度No.1」、「株主魅力度No.1」、「従業員幸福度No.1」です。

 長野県に本店のある地方銀行「八十二銀行」でも、かなりの「地域貢献」に取組んでいます。第二地方銀行協会に加盟する「長野銀行」は大きく水をあけられていますが、この「地域貢献」で活路を見出さざるを得ない状況かもしれません。

 地域バランス的には、八十二銀行(本店:長野市)=東北信、長野銀行(本店:松本市)=中南信という感じになってはいますが、大きく水をあけられています。(長野銀行口座は私も未開設です)

長野銀行HPから

 全国のどの地方銀行も、いろいろな生き残り策を模索していると思いますが、「地域貢献」というのも大きなキーワードになりそうですね!

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