地域振興の一方策「フィルムコミッション」を考える!

 4月9日から全国ロードショー中の映画「砕け散るところを見せてあげる」を本日、鑑賞してきました。この映画は、長野県諏訪地域が主なロケ地となっています。

ロケ地マップ

 映画『砕け散るところを見せてあげる』公式サイトによるとこの映画は、

 アニメ「とらドラ!」「ゴールデンタイム」の原作で知られる竹宮ゆゆこの小説「砕け散るところを見せてあげる」。錚々たる表現者が破格の絶賛コメントを寄せ、「小説の新たな可能性を示した傑作」と称えられる本作の映画化がついに実現した。

 主人公・濱田清澄には、『坂道のアポロン』『覚悟はいいかそこの女子。』で日本アカデミー賞新人賞に輝き、NHK朝の連続テレビ小説「なつぞら」で国民的人気を獲得した中川大志。ヒロイン・蔵本玻璃には、2020年に解散をしたE-girlsのパフォーマーであり、女優としても高い評価をされ『ガールズ・ステップ』『ソロモンの偽証』でブルーリボン新人賞を受賞した石井杏奈。また、北村匠海、井之脇海、清原果耶、松井愛莉など若者に絶大なる支持を得るキャストを、堤真一、原田知世、矢田亜希子、木野花ら豪華俳優陣が支える。
 そして、中川と石井の二人から挑戦的な演技を引き出したのは、『天の茶助』『うさぎドロップ』『jam』を手掛けたSABU監督。ベルリンやモスクワなど海外の映画祭で高く評価される才能で脚本も執筆し、進化と深化を証明した。多くの人が自分の境遇に苦しむ時代でも、愛は必ず絶望から救ってくれる。今を生きる私たちに希望を与える物語。

 ・・・となっています。 公式サイトは ⇒ https://kudakechiru.jp/

 本作はワルシャワ国際映画祭のコンペティション部門にも出品されており、その品質は折り紙付きとのことです。

 冒頭で述べましたが、この映画の主なロケ地は、長野県諏訪地域です。主人公の二人が通っている高校は、長野県諏訪清陵高校でロケが行われました。その他のシーンにも諏訪地域を中心とした長野県内でロケが行われました。

 長野県内の4つの上映映画館には、「長野県ロケ地マップ(諏訪エリアのロケ地を見せてあげるMAP)」が置かれています。(県内上映4館のうち2館は松本市内にあります。)

諏訪エリアのロケ地を見せてあげるMAP 地図部分(諏訪圏フィルムコミッション)

 地域振興策として、「フィルムコミッション」と呼ばれる活性化策があります。

 フィルムコミッションとは、映画やテレビドラマ、CMなどのロケーションを誘致し、撮影がスムーズに進行するようサポートする非営利団体のことで、多くは自治体が中心となって組織化しています。

 ロケーションされた映画やドラマを通じて、地域の知名度や地域愛着度を向上させ、観光客の増加に繋げようとするもので、直接的・間接的な経済効果が見込め、地域活性化策の一つとして注目されています。

諏訪エリアのロケ地を見せてあげるMAP ロケ地:長野県諏訪清陵高校(諏訪圏フィルムコミッション)

 今から20年ほど前になりますが、長野県庁商工部観光課で観光企画の仕事をしていた私は、当時な名称を聞きつつあった「フィルムコミッション」の担当もしておりました。しかし、県全体でのフィルムコミッションの業務は皆無に等しく、信州上田フィルムコミッションや諏訪圏フィルムコミッションなど、地元の市町村が中心となっていたフィルムコミッションが誘致活動や受入れ活動をしていました。

 当時、私が行ったフィルムコミッション関連の業務で記憶に残っているものとして、2002年の映画「およう」が長野県上田地方を中心にロケが行われ、映画主演したバレエダンサーの熊川哲也さんらが長野県知事に表敬訪問された際の調整等があります。

 実際のロケ受入れは、信州上田フィルムコミッションなどで行っておりましたので、当時は県単位ではあまり出番がなかったと記憶しています。ただ、市町村単位に設置されていたフィルムコミッションの県的団体の必要性は高まっており、私が人事異動後には県的組織が設立され、現在の長野県観光機構(信州フィルムコミッションネットワーク)に至っています。

 フィルムコミッションは、

①金銭の収受を伴うことなく無償で制作支援を行うこと、

②窓口を一本化して、ロケーション情報の提供や、公的施設などを利用する際の許認可調整を行うこと、

③作品内容を問わないこと

が大事な要件だと言われています。

 今では、観光振興やシティセールスの方策として、全国各地で積極的に誘致活動が行われています。

 たしかに映像作品に登場する、美しい風景や印象的な場面を訪れる「ロケ地巡り」は、ファンならずとも、その地域を訪問してみたいという欲求に駆り立てられます。

 自宅から歩いて5分くらいのところにイオンシネマ松本(8スクリーンを有したシネマコンプレックス)があり、イオン株主優待で1作品1,000円で鑑賞できることから、年間10本~15本くらいは映画を見ます。

 とくに邦画の場合は、私は最後に流れるエンドロールにしっかり注目します。映画ロケの撮影場所や協力団体・企業などが結構気になるのです。そして、その作品に登場した、自分が実際行ってみたいロケ地の場所を確認し、そのロケ地近くへ行った際には、ぜひ訪ねてみようを想うのです。

 今回は、地域の観光振興、シティセールスの一方策としてのフィルムコミッションについてブログ投稿しました。

 長野県がロケ地の映画上映はまだまだ続きますよ~。

ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~(2021映画「ヒノマルソウル」政策委員会)

 5月7日から公開される東宝配給の「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」は、1998長野冬季オリンピック スキージャンプ団体金メダルに隠された感動の実話です。主演は田中圭さん、土屋太鳳さん、主題歌はMISIA「想いはらはらと」で、舞台は当然、長野県の白馬村です。東京オリンピック開催までは、あと2か月余りでの上映となり、(コロナウイルスの感染状況にもよりますが)いやがおうにも盛り上がりそうです。公式サイトは ⇒ https://hinomaru-soul.jp/

 長野県松本市も、かなり以前から映画やテレビドラマにロケ地として取り上げられています。実際に、神奈川県庁から出向研修できていた職員さんに「白線流しロケ地ツアー」を個人的に行ったこともあります。(フジテレビ系「白線流し」ですので、かなり前のテレビドラマになります、主演:酒井美紀、長瀬智也)

 白線流しロケ地ガイド ⇒ http://loca.ash.jp/show/1996/d199601_hakusen.htm

 すいません!!地元がロケ地映画の話をすると、「神様のカルテ」や「岳」など思い入れがありすぎ、収拾がつきませんので、今回はこの辺でエンドロールにしたいと思います。

 アニメ映画「君の名は。」においても、諏訪湖や飛騨高山が聖地とされ、それを目的に訪問する人がいて、ある程度の経済効果を生み出しているというのは事実だと思います。地域振興、まちおこしにフィルムコミッションという視点も加えてみてはいかがでしょうか。

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