一人暮らし高齢者の身元保証人、どのように対応する?

みなさん、こんにちは!「家族信託」や「遺言書」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。

一人暮らしの高齢者が、病院や施設に入院・入所する際に求められる身元保証人に関連する記事が令和4年10月20日付日本経済新聞電子版ライフプランに掲載されていましたので、それに関連して投稿します。

一人暮らしの高齢者の実態は?

2022年版高齢社会白書によると、ひとり暮らしの高齢者は2020年時点で約672万人と2000年の2倍を超え、2040年には900万人近くに増える見通しとなっています。

出典:日本経済新聞社

家族がいないと入院や入所の際に求められる身元保証人を頼むことができません、家族がいても、離れていたり関係が悪かったりして頼めない人もいます。

例えば、高齢の兄弟や配偶者は保証人にはなれませんし、おいやめいなど親戚も疎遠だとお願いしづらい部分もあります。

あとは親しい友人にお願いするとかということもあるでしょう。「これまで病院や施設が善意で保証人がいない人の対応をカバーしてきたが、人手も足りず今後は難しくなる」と身元保証問題に詳しい専門家は話しています。

入院や介護・福祉施設への入所の際は身元保証人が必要な場合が多い

実際、病院に入院するときには、身元保証人が必要な場合がほとんどです。子どもや孫など家族がいればいいけど、いない場合は第三者になってもらわないとならないという実態があります。身元保証人は、場合によっては身元引受人と呼ぶこともあります。

日本総合研究所スペシャリストの沢村香苗さんは「主に転居、入院、入所といったリロケーション時に身元保証人がいないことが、高齢者にとって壁になりやすい」と話しています。病院への入院以外にも特別養護老人ホームなど介護・福祉施設の入所、賃貸住宅の入居の際とかに求められて困る場合があるようです。

雇用契約などでは法律で規定されていますが、入院や入所についてはとくに定めた法律は存在しません。そこで、厚生労働省は2018年度に身元保証人がいないだけで入院を拒否することがないように都道府県に通知しました。

しかし、現状は未だ身元保証人を求める病院・施設は多いようです。費用が払えなかったり、死亡や判断能力が衰えたりするリスクに備えるためとみられています。

身元保証人がいないと入院できない?

それでは、身元保証人がいないと入院や入所ができないのでしょうか?

総務省関東管区行政評価局の「高齢者の身元保証に関する調査」(2022年)によりますと、病院や施設の9割以上が入院・入所の希望者に身元保証人を求めています。

調査結果では身元保証人がいない場合、「入院・入所をお断りする」が約15%、「必要な場面ごとに個別に対応する」が約60%、「入院・入所させる」は3.5%でした。

病院や施設によって対応はそれぞれ異なるようですが、身元保証人がいないと入院・入所が難しいケースもあることがわかります。

身元保証人の役割は?

そもそも身元保証人の役割とはどのようなものなのでしょうか?

身元保証人の役割は、主に支払いが滞ったときの連帯債務保証と身元の引き受け保証の2つといわれています。

身元の引き受け保障は、実際には入院・入所の際は緊急時の連絡先、治療や介護方針の確認や同意、必要な物品の準備や退院・退所の支援といったものになります。また、患者の死亡時には遺体・遺品の引き取りや葬儀の対応など多岐にわたります。

要は本来は家族がすること全部が身元引受人の役割ということになります。責任は重いですし、思った以上に大変ということもあるでしょう。身元保証人を第三者に頼む場合は深い信頼関係を築いておく必要があります。

親しい人がいなかったら、誰に頼んだらいい?

身元保証人を頼める家族や親しい人がいない場合はどうしたらよいのでしょうか?

厚生労働省は、相談先として地域包括支援センターや消費生活センターなど地域の窓口を挙げています。

また、司法書士や行政書士など士業の人と見守りなどの契約を交わすことで、適切な療養や介護を受けられるよう支援してもらえることもあります。

最近よく耳にするのは「身元保証等高齢者サポート事業者」と呼ぶ民間のサービスです。5年ぐらい前に100社以上あるとされ、その後も増加しているとみられています。「身元保証等高齢者サポート事業者」を施設や病院で紹介するケースもあるようです。

身元保証等高齢者サポート事業者の費用は?

弁護士法人が母体のシニア総合サポートセンター(東京・港)の「総合身元保証サポート」は預託金を含めて初期費用が約140万円となっています。契約後は病院や介護施設などの身元保証、葬儀や死後事務の手続きを代行するとしています。

OAGライフサポート(東京・千代田)の「フルパック」も約180万円で身元保証や死後事務などを提供します。

国民生活センターによるとこうした「身元保証等高齢者サポート事業」の平均費用は約147万円(19年)となっています。通常はこれに年会費が加わったり、支援を依頼するたびに料金が発生したりする場合もあります。

また、社会福祉協議会などでも支援するところがあるようです。東京都の足立区社会福祉協議会が実施する「高齢者あんしん生活支援事業」は預託金52万円と年会費2400円などを払って契約すれば、元気なときは定期的な見守り、入院・入所時には身元保証人をしてくれるということです。

日常生活の支援や遺言作成などは別料金になりますが、死亡時は預託金から火葬などの費用を払います。足立区在住のひとり暮らしの高齢者が対象で2005年の開始以来100人以上が契約したそうです。

出典:日本経済新聞

まとめ

「身元保証等高齢者サポート事業」を行う事業者には、株式会社のような会社組織やNPO法人など様々な形態があるようですし、全国各地に存在するようです。

私が暮らす長野県でも、NPO法人などが会員制でサービス提供しています。

ひとり暮らし高齢者のうち、認知症などで判断能力が失われた場合は、市区町村長が法定後見人の申立てを行うケースもあるようです。

また、今は判断能力がある高齢者であっても、将来、判断能力が失われた場合に備えて「任意後見契約」を結ぶ場合もあるそうです。

いずれにしても、早いうちから準備をすることが大切ですね。

私は行政書士として後見制度に関わる団体である「一般社団法人コスモス成年後見サポートセンター」長野県支部に所属しています。

何もしないことのリスク

今回は「一人暮らし高齢者の身元保証人」についての話題でしたが人生の終盤で迎える相続・終活の対策において、一番やってはいけないこととは何でしょうか?

それは「対策を何もしない」ということです。何も手を打っていない場合、残された家族や周りの関係者の負担は想像を絶するものがあります。

ディアパートナー行政書士事務所では、生前の相続対策全般のご相談を承っております。

自分の行く末の「何が問題か?」を特定できていない方もいらっしゃると思います。思い当たった時には、ディアパートナー行政書士事務所にお気軽にご相談ください。

ディアパートナー行政書士事務所 電話:0263-34-6163

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