ランキング「中古マンション選び プロはここに注目!」
こんにちは、ディアパートナー行政書士・FP事務所代表の瀧澤です。
コロナ禍の在宅勤務の普及で住まいを見直す人が増えています。都市部で人気が高まっているのが、中古マンションだそうですが、不動産のプロが中古マンション選びの注意点として挙げたもののランキングです。(出典:2021年5月15日付NIKKEIプラス1)
1位 修繕歴・積立金
入居後に払う管理費や修繕積立金がトップに挙げられました。これらの金額を確認しない人はまずいないと思いますが、見落としやすいものとして、「マンション管理組合の会計収支」を指摘しています。
黒字経営ならば問題はないが、運営状況が悪い場合もあるということで、入居後すぐに値上げということも考えられます。もっとも「値上げ自体はネガティブではなく、修繕計画からみて、必要な上昇ならば長い目で見て資産価値にはプラスに動く」という意見もありました。
積立金などは築年数や規模などがほぼ同じ条件の周辺マンションと比べてみることをすすめています。築20年以上なのに、毎月の積立金が安い場合は修繕のために一時金を徴収しないと今後、資金が不足する可能性があるというケースもあるようです。
マンション管理組合に必要な資料の提示を求めて、過去の修繕履歴や今後の計画をチェックする必要がありそうです。マンション購入は株式投資と似ていて、管理組合の収支や将来の資金計画を無視しては投資できないとしています。
2位 駅との距離
リモートワーク、在宅勤務の普及で駅から遠い住宅への関心も高まったとされていますが、長い目で見れば、「駅に近い立地が有利」とする専門家は多いようです。
「最寄り駅から徒歩10分、できれば5分以内が理想的」と目安の距離を提示するプロもいました。また、「直線的な距離ではなく、実際に移動する際の道のり=時間的距離が重要」と指摘したプロもいました。
中古マンションの場合、将来もし手放すときの売却評価額では築年数が古いことは不利に働くだけに、新築以上に利便性にはこだわるべきだという考えもあります。
3位 環境や雰囲気
マンション周辺の街の状況は大切な観点です。例えば、マンションから近隣の公園や病院、学校、お店へのアクセスの利便性は必ずチェックしたいものです。マンション全体でみて、どんな年代・家族構成の世帯が比較的多いのかを事前にチェックしておくのも一案だそうです。
また、中古マンションの場合、マンション内の雰囲気もできる限り確認したいものです。購入を考えている部屋の両隣だけでなく、上下階まで確認することをすすめています。可能な範囲で玄関やポストだけでも観察するようにしたいものです。
4位 資金計画
「人生最大の買い物」とされる住宅購入ですが、中古といえども、資金計画を立てずに家探しをするのは非現実的です。自己資金とローンのバランスなどを慎重に見極めたいものです。
とくにマンションの場合、ローンの返済額や固定資産税などに加えて、管理費や積立金が長く続くコストとしてかかります。途中で値上げされることも考えられます。物件選びに先立って、生涯のキャッシュフロー(現金収支)を専門家にしっかり試算してもらうべきだと専門家はアドバイスしています。
5位 建築時期
1981年6月に耐震基準が新しくなる前に建築確認を終えた物件は「旧耐震基準」とされ、その後に耐震補強などに取組んだマンションかどうかの確認が欠かせません。建築確認は工事前なので、建築年が1981年6月以降だから安心とは限りません。建築確認の日が不明な場合は、建築年が1983年4月以降ならば大丈夫な目安ということです。
旧耐震基準で今後、耐震補強を予定している場合は、その費用をどう工面する計画かも確認することをすすめています。
6位 地域の将来性 開発計画
周辺の雰囲気だけでなく、データで地域の現状や将来性を探ってみることも検討することをすすめています。環境、治安、学区などで物件を選ぶ人が多いため、こうした条件を丁寧に確認しておくことで、地域の未来像までをある程度、推計できる場合もあります。
周辺環境がひとたび変化してしまうと、自分の力で変えることが難しいことに加えて、生活していく上での影響は大きいと指摘する専門家もいました。慎重に分析に取組みたいものです。
7位 共有部分はきれいか?
自分たちが暮らす予定の専用部分ばかりを気にしていると盲点になりがちですが、エントランスやごみ捨て場などマンション共有部の掃除が行き届き、清潔に保たれているかが重要なポイントです。中古物件では、こうした点こそ管理状況が表面化されるため、マンションの資産価値にまで大きく影響することもあるようです。
管理人任せではなく、住民が主体的に清潔な状態の維持に関わっていることが理想的だと指摘しているプロもいました。
8位 間取りの使いやすさ
意外に誤算が多い項目が「間取り」だそうです。選び方を間違えるとストレスを感じながらの生活になりかねません。家族構成によって適した間取りは変化するので、将来のことも念頭に入れて検討することが重要です。
また、将来的に売却を考える際、幅広い層に受け入れられやすい間取りとなっているかは評価の高低を分けるポイントとなります。バルコニー側の間取りを広くとるワイドスパンだと間取りの変更の自由度も、日当たりや風通しもよくなります。
9位 災害リスク
相次ぐ地震や台風、集中豪雨など、禁煙、大規模災害が目立つ中、マンション選びの見逃せない要素として浮上しているのが災害リスクです。海や川などが近くにあるか、地盤がどうかなどについて、ハザードマップのチェックと、過去にどのような被災歴があったかの確認が必要不可欠です。
とくに建物で防ぐことができないような大きな災害リスクが想定される地域は避けるべきと指摘しています。
まとめ
プロが選んだ「中古マンション選びのポイント」ランキングでしたが、私見では、9位の「災害リスク」が今後まだまだ浮上するのではないでしょうか。異常気象が続く昨今、避難場所も含めての災害リスクは、もっと注目されてもいいような気がします。
次回は「新築マンション選び」ランキングをご紹介しますね。お楽しみに!