シニアの3つの収入で安心な老後を過ごす!
こんにちは、ディアパートナー行政書士・FP事務所代表の瀧澤です。
シニアの3つの収入
自身の人生の終わりは誰にもわかりませんが、人生の最期まで、今まで築き上げてきた資産をいかに長持ちさせるか。少子高齢化の進展で公的年金の額が長期的には縮小していく状況ですが、逆に平均余命の年々延伸しています。
築き上げた資産を長持ちさせる方法について考察します。
シニアの収入は、年金収入、勤労収入に加えて、もうひとつの柱があります。それは、それまでに築いてきた金融資産や退職金などから得られる運用益です。
勤労収入は、健康なうちはできるだけ長く働くことで増やすことができます。また、年金については、受給開始時期を繰り下げることによって受給額をふやすことができます。
もちろん、運用益については、せっかく苦労して築き上げてきた金融資産を無理に運用する必要はありません。ただ、よりゆとりある老後生活を送るためには、無理のない範囲で資産を運用することも選択肢になります。
私の退職金はどうしたか?
私は、今春、還暦を迎えて定年退職しました。42年間勤務していましたので、規定通りの退職一時金も支給されました。4月に支給された退職金は、退職者専用の比較的高金利の定期預金(3ヶ月間のみ)に入れてあったので、先週満期を迎えて解約となり、普通預金に振り込まれました。
市内に店舗がある金融機関のうち、定期預金で利率の高い金融機関の定期預金に預金しました。日本で唯一の「ペイオフ事例」である「日本振興銀行の破綻」を経験している私としましては、金融機関が破綻しても政府に保証していただける「1,000万円以内」で預金しました。
ひとつの店舗で勧められた預金方法が、「預金額1/2つづを2口の定期預金にする。」というものです。今はきまった使途はありませんが、将来、現金が必要になった際に、預金額の1/2以内で足りる楽であれば、1口分の定期預金を解約する。そうすれば1口分は定期預金の金利が継続しています。
「2口に分けても利息は変わりませんので・・・」と銀行員から言われ、確かにそのとおりだな~と思い、2口の定期預金にしました。
とりあえず退職金は、定期預金に入れて、じっくり運用方法を考える感じになります。以前に投稿しましたが、退職にあたり、医療保険を大幅に見直し(ほとんどが解約ですが(笑))しましたので、医療費用の費用をイオン銀行の普通預金(私の場合は利率0.1%)に預金しています。0.1%(税引き前)って、普通預金にしたら破格の高利率ですよね~。
退職前から、少額の積立投信を始めるなど、イオン銀行普通預金の利率のステージが上がるように準備していましたので、現在は普通預金利率0.1%になっています。⇒これは最高ステージに達しています。
しかも、最高ステージになっていると、「他行への振込手数料が5回まで無料」となっていますのでとても重宝しています。
1つめの柱「元気なうちは働き続ける」
退職当初から「やりたいこと」があり、その目標に進んでいる方は別として、その他の方は元気なうちは働くことで勤労収入を得ることができます。そうすれば、今まで蓄えてきた金融資産や退職金の目減りを防ぐことができます。公的年金収入だけではとても生活費をまかなうことはできませんので、金融資産などから取り崩していくというのが一般的です。ここで、できるだけ長く勤労収入を得ることで取り崩し額が少なくなります。
2つめの柱「年金受給の繰下げ」
公的年金は原則65歳から受給開始ですが、開始時期を1か月繰り下げるごとに0.7%増えます。70歳までの5年間を繰り下げたとすると42%の増加になりますし、2022年4月以降は75歳まで繰り下げると、ナント、84%増えます。
3つめの柱は「金融資産の運用」
資産運用の考え方ですが、原資となる「運用資金」は以下のような考え方に基づきます。
「退職金や貯蓄などリタイア時の金融資産」から、「生活費の補填、医療費、自宅リフォーム、趣味など数年以内に支出先が決まっている資金」を差し引いたものが、「運用資金」となります。
無理のない範囲で資産を運用するは、今後の平均余命の延伸を考えると、大きな選択肢になりそうです。
三本柱の組み合わせで老後資金の寿命を延ばす
「年金収入」、「勤労収入」、「資産の運用益」の3つの選択肢を組み合わせることで、老後資産の寿命は大きく変わります。文章で説明するのは難しいので、3つの柱を組み合わせた場合の資産寿命をグラフ化しています。(2021年5月27日付日本経済新聞)
上のグラフでは、勤労、年金繰下げ、資産運用の3本柱をうまく組み合わせれば、年金受給開始後は資産があまり減らず、月27万5千円の生活費で過ごしたとしても100歳時点で約1800万円の資産が残ります。80歳前半で資産が子決するケースと比べると、100歳時点で数千万の差になります。
このように3つの選択肢をうまく組み合わせていくことで、資産枯渇の年齢を大きく先に延ばすことができます。長生きリスクに備えるのは、3つの選択肢の組み合わせ方が重要になってきますね。
退職金の使途は計画的に
厚生労働所の調査によると、大卒で勤続20年以上の定年退職者の退職金額は、2017年に平均1788万円だったそうです。まとまったお金が入ったことで、つい大きな買い物をしてしまったり、慌てて金融商品につぎ込んで失敗したりしないよう、まずは資金計画をしっかりと立てることが大切です。
数年内に支出先が決まっている自宅の改修費や、旅行など趣味のお金、医療費などへの備え、さらに当面の生活費は差し引き、銀行預金などリスクがなく流動性の高い保管場所で管理しておくことが重要になります。
超低金利下の退職世代の運用例
とはいえ、資産運用もという方のために、「超低金利下の退職世代の運用例」が日本経済新聞の「マネーのまなび」に掲載されていましたので、紹介しますね。(R3.4.24付日本経済新聞)
運用資産の50%を「全世界株式に投資するインデックス型(指数連動型)投信」に、40%を「現金(預金)」に、残りの10%を「為替ヘッジ付きの金価格連動投信」で持つのが最もシンプルな方法と紹介されています。この場合の運用資産全体の期待リターンは年3%程度を見込んでいます。
なお、高齢者に一定のニーズ(毎月配当)がある毎月分配型の投信は、「計画的な資金の取り崩しに不向き」とのことで、分配金の引き下げなどで計画通りの収入を得られない可能性があるということです。