シニアこそ人生の思い出づくり、旅行に出かけよう!

みなさん、こんにちは!「家族信託」や「遺言書」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。

さて、今回は「日経ヴェリタス2023年4月30日号」に掲載されている「人生100年こわくない・定年楽園への道(大江英樹)」の「シニアこそ個人旅行に出かけるべし」をヒントに「人生の思い出づくり」について考えてみましょう。

個人旅行の海外旅行へ

今年4月の初めから10日間ほど大江さんは奥さんと海外旅行に出かけたそうです。大江さんは団体旅行が嫌いで、国内であれ海外であれ、自由気ままに行ける個人旅行しかしないことにしているのだそうです。

大江さんは、以前訪れたことのあるスペインのバスク地方にあるサンセバスチャンという街へ3年前に再び行く予定にしていたそうですが、当時はコロナ禍で緊急事態宣言が出たばかりだったため、旅行を断念したのだそうです。今回の海外旅行はそのリベンジともいうべきものだったようです。

旅行先のサンセバスチャンは世界一の美食の街と形容されるように、何より食べ物がおいしいのだそう。人口わずか18万人の街にミシュランの三つ星レストランが3つもあるということですが、大江さんは「三つ星レストランのような高級店よりも街中で気軽に食べられるバルの方が安くておいしいものがたくさんある。」といっています。

また、自分の胃袋と懐具合に合わせて好きなものを食べられるというのも個人旅行の良さだとおっしゃっておられます。

大江さんは、さらにその後フランスにも行ったそうです。フランスと言えば今はマクロン政権の年金制度改革でデモやストライキが続いていることが頻繁に報道されています。メディアでは群衆が暴れたり火をつけたりする映像を繰り返し報道していますが、それはあくまでもメディアにとって絵になりやすいからだけであって、街中が全部そんな状態になっているわけではなかったようです。

実際に大江さんがパリにいる間に、仏憲法院が年金制度改革に対する判断を示したことで、これに対する大きな反発があり、デモも起りました。

しかしながら市民の日常生活の様子はまったく平常通りで、デモの現場にさえ近付かなければ何も心配することはなかったそうです。それに外務省の「たびレジ」に登録しておくことで、パリでデモが行われる場合の時間と場所は事前に連絡が来るので安心できるようです。

ただし、海外の事情は日本国内とは異なり、スリ等の被害に遭わないよう気を付けなくてはならないですし、治安の悪い地域へ不用意に出向いたりすることは避けるといった最低限の注意は大事だとしています。

基本的な留意点はあるものの、シニアが個人旅行をすることによって得られる効用はつぎの2つの点で大きな効用があるということです。

自転車

圧倒的な開放感

1つは「圧倒的な開放感」です。よく日本人は同調圧力があると言われていますが、多かれ少なかれ人の目を気にするというのは一般的な日本人であれば誰もがそうでありましょう。大江さんはどちらかと言えばあまり人の目を気にしないし、人から「変わっている」と言われることにむしろうれしいと思う感情を持つあまのじゃくな部分があるそうですが、それでもやはり多少は人の目が気になるそうです(笑)。

最近ではマスクの着用が個人の判断に委ねられるようになりましたが、日本では見ているとまだ多くの人たちがマスクをしています。ところが欧州に行くと、ほとんど誰もマスクをしていないし、たまに見かける日本人旅行客もマスクはしていなかったそうです。帰りにパリの空港で待っている時もマスクをしている日本人は1人もいなかったそうですが、羽田に着いて降りる時にはほぼ全員がマスクをしていたそうです。事ほど左様に日本人は他人の目を気にしているのでしょう。

海外に行くとそんな”人の目”から開放されますし、その開放感が爽快です。もっとも開放感が行きすぎて「旅の恥はかき捨て」とばかりに不作法な行動に及ぶのはよろしくありませんが、少なくとも気持ちの上で開放感を得るのであれば、これは精神衛生上非常に好ましいことだと言って良いかもしれません。

新しいことへのチャレンジ

2つめの効用は新しいことにチャレンジできるということです。全てがお膳立てされている団体旅行であればいざ知らず、個人旅行の場合は何もかも自分で手配しなければなりません。それが面倒だから団体旅行しか行かないという人もいるのでしょうが、大江さんは逆にそういう諸々のことを自分でやるのが面白いと思っているので個人旅行しかやらないのだそうです。

ホテルや交通機関の予約は今ではほとんどネットでできるので、出発前に手配しておくことができるようですが、突発的なトラブルは必ずや起きます。ストで列車が動かなかったり、遅れた結果、次の乗り継ぎに間に合わなかったりすると、現地で切符の変更や取り直しをしないといけなくなります。

またレストランで注文するときも英語のメニューすらないお店の場合は、なかなか注文にも勇気がいります。しかし思いがけないおいしいものに出合うこともあるそうなのです。

このように新しいことにチャレンジできるというのは、シニアにとっては得難いチャンスなのだと大江さんは述べています。そもそも年を経るにしたがって、何か新しいことに取り組む機会は少なくなっていきます。自分の今までの経験や考えが、新しいチャレンジを妨げることもあるでしょうし、新しい分野の仕事に挑戦するということはなかなか勇気の要ることですし、億劫(おっくう)でもあります。

ところが旅行程度の軽い経験の中で新しいことにチャレンジするということは比較的気軽にできると大江さんは指摘しています。

旅行そのものがうまくいかなくてもたいして失望することはないですし、反対にうまくいった時の満足感は大きいものがあります。新しいことに挑戦する機会が減ってきたシニアにとって、旅行で何か新しいことをやってみるということは脳の活性化という点でも、非常にメリットが大きいものなのです。

ノーリスク・ノーリターン

確かに個人旅行で何もかも自分でやろうとするとちょっとしたトラブルに見舞われることはしょっちゅうあるそうです。

大江さんは、今回の海外旅行でも予約していたレンタカーが、「イースターマンデーで店を休むので自動的にキャンセルにする」というメールを直前に受け取ったそうです。慌てはしたそうですがなんとかタクシーを手配できたので移動には支障がなかったということです。数年前には旅行先でレンタカーがパンクしたこともあり、焦ったことを覚えているそうです。

それでも、こうしたちょっとしたトラブルは、後になってみると笑い話や懐かしい思い出となります。年をとるにしたがい、思い出を作ることの大切さを身にしみて感じるようになってきます。

しかし、そんな思い出を作るために海外旅行に行きたいと思ってもいずれ体力的にできなくなる可能性は大いにあります。だとすれば、心身が十分動かせる今のうちにできることをやっておくということは大切だと思います。

旅行は、投資と預金?

大江さんは、個人旅行というのは「投資」と似通ったところがあると述べています。それは「リスクを取らなければリターンは得られない」という点です。この場合のリスクは必ずしも「危険」という意味ではなく、不確実性、すなわち予定通りにはいかないことを指します。

すでに述べてきているとおり、個人旅行においてはしばしば想定外の小さなトラブルはつきものです。一方、リターンとは言うまでもなく旅で得られる楽しみのことでありましょう。

これに対して団体旅行はいわば預金に近いものだと大江さんは考えています。間違いなくリスクは小さいものの、得られるリターンの大きさもそれほどではないからだそうです。

また、これも投資と同じですが、リスク許容度は人によって異なるため、誰にとっても個人旅行の方が良いというつもりはありません。ただ、身の危険を感じるようなことをしなければ、ある程度想定外のことが起きるリスクを楽しむというのもまた旅の醍醐味の1つでしょう。シニアだからこそできる楽しみを、おおいに味わうべきではないだろうか、と大江さんは結んでいます。

まとめ

大江さん自身も70代であり、シニアの気持ちを十分わかり、シニアの生活を実践されています。人間だれでもそうですが、あとどれくらい生きられるのかはわかりませんが、不自由なく身体を動かせるのは期限がありそうです。実際、統計的にも「健康寿命」として厚生労働省が公表しているところです。

大江さんは人生の終盤が近づくにつれて、人生で最後に残る大切なものは何だろう、と考えるようになり、それは「思い出」ではないだろうか、という結論に達したそうです。

人生の充実度を高めるのは、その時々の体験であり、それにまつわる思い出ではないのか、と。だとすればもっと「思い出」を得るためにお金を使うべきなのではないだろうか。という考えに落ち着いたようです。

今回、大江さんは「海外への個人旅行」をテーマにしていましたが、「国内への個人旅行」であろうと、「団体旅行」であろうと同様の体験・経験ができるのではないかと思います。

国内にも今まで出会ったことのない体験やふれあいもあるでしょうし、最近の団体旅行は、全部が旅行会社のお仕着せでなく、自由な選択が可能な旅行も増えてきています。大切なことは、旅行という体験を通じて、人生終盤の思い出づくりができれば良いのではないかと思います。

そういった思い出を作るために旅行に行きたいと考えていても、いずれ体力的に旅行に行くことができなくなる時期が訪れます。それがいつなのかは誰にもわかりません。

ですので、心身が十分動かせる今のうちにやりたいことをできるだけやっておくこと、行きたいところへできるだけ行っておくことが一番大切なのではないでしょうか。

【呑み鉄】観光列車「雪月花」上越の岩の原ワインで!

私は今週、JR九州の観光列車乗車の「呑み鉄一人旅」をしてきます。夜行バスと早朝の新幹線を乗り継ぎ、博多駅からの出発ですので、こんなタイトなスケジュールは誰も付き合ってはくれません(笑)。この呑み鉄も、私の人生の良き思い出になると確信しています!

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