【実践記】FP協会支部の研修会に参加してみた!
ディアパートナー行政書士・FP事務所 代表の瀧澤です。
先般、特定非営利活動法人(NPO法人)日本FP協会長野支部が主催する継続教育研修会に参加するため、長野県佐久市の佐久平交流センターへ出かけました。
研修会は2部構成で、14時~18時10分まで、4時間みっちりありましたが、興味深く充実した内容だったため、まだ時間が短い感覚になりました。講師は、株式会社優益FPオフィス CFP認定者の佐藤益弘先生です。
松本市から佐久市までは、高速道路を利用しなくてもそれほど時間が変わらない上、今春、有料トンネルが無料化されたことでリーズナブルに利用することができます。
車にナビもついていないし、道に不案内なので、少し早めに出発したところ、目的地まで一発でたどり着いたため、かなり早めの到着となりました。「さ~てゆっくりと昼食でも」と駐車しようとしましたが駐車場がない~!
隣の園地でこのような大規模なイベントが行われていました。天気も良いですし、駐車場ないわけだわ。
道向かいににある佐久平イオンモールの駐車場に駐車させていただきました。ここは駐車券などはありませんでした。新幹線佐久平駅から徒歩数分という立地ながら太っ腹です。
話がだいぶ逸れてしましましたが、14時からFP研修会がはじまりました。第1部(2時間枠)は、「新しい生活様式で活かしたい!マイナンバー(カード)の基礎知識と賢い使い方」というテーマです。
セミナーで参考になった点
コロナ禍において、新しい生活様式を実践していく中で、マイナンバーカードをうまく活用していこうとするものですが、講師の話の中で非常に参考になった点が以下の6点でした。
1 行政が発表している各種統計資料を活用する
FP業務として、「セミナー講師などを務める場合」や「資料を作成する場合」などに引用するデータとして、行政機関が公表している統計資料を活用しましょう。民間事業者の発表資料よりは信頼性がおけますし、時系列でとらえているデータ資料が多いです。
日本FP協会の会員専用ページには、FPに活用できそうな各種統計資料をまとめて公開しています。
2 引用したデータの出典ははっきりと明示する
データを引用する場合はそのデータの著作権に留意しつつ、出典根拠を明らかにしておくことが望まれます。その対策としても、行政機関が公表している統計資料を活用することは優位に働きます。
3 テレワークの進展速度は思った以上に早い
「テレワークの頻度」、「仕事の効率化」、「業種・雇用形態」、「地域」、「利用者の意識変化」などの観点からも、今後も(新型コロナウイルスが収束したとしても)、テレワークは利用、または進展していかざるを得ない状況となるでしょう。今後、テレワーク分野が縮小していくことは考えにくいですし、労働力不足や働き方改革といった点でからもテレワークに移行せざるを得なくなります。
4 地方への移住、二地域居住なども進展していく
テレワークの進展に併せて、地方への移住や二地域居住などが「地方移住への関心」がさらなる高まりをみせて拡がっていくでしょうし、「テレリゾート」などの分野も進んでいくことが予想されます。
5 職業の選択、副業なども多様化していく
地方移住や働き方改革、テレワークの進展などにより、職業や勤務先、副業・兼業なども今後ますます多様化していくことが考えられます。そのことが、1か所の拠点にとどまらず、複数拠点の確保や二地域居住拠点につながっていきます。
6 独立系FPとして起業するも、しばらくは「喰えない時期」が続く
講師の佐藤先生も、保険商品や金融商品の販売などを行わないいわゆる「独立系FP」として独立起業されたそうですが、独立してしばらくは我慢の時期が続いたそうです。(2~3年程度)
そこをどのように耐え忍んで前向きに進んでいくか、また、FPとしての知識などを蓄えていくかが勝負の分かれ目のようです。このことは、ほかの売れっ子FPの先生方も著作等で言われていることです。「独立系」・・・すぐにビジネスベースには乗りづらいのでしょうね~。私もやるべきことに取組んで、花が咲く時期を待ちたいと思います。
この6番目の教え(?)が非常に参考になりました。私のFP業務はいわゆるフィーだけを糧とする、いわゆる「独立系」ですが、大きく育てるよう時間をかけて、決してあきらめず、常に精進していきたいと思いました。
マイナンバーカードの活用
マイナンバーカードの普及率は約30%
マイナンバーカードの全国の普及率は約30%となっており、目標であった達成率を超えたことから、今後は、マイナポイント実施など政府のてこ入れ策(マイナンバーカード作成への導入策)は行われないという見込みのようです。
セミナー会場で聴講していた人たちは、全員FPですので関心も高く、半数以上がマイナンバーカードを作成済みでしたが、一般の方も30%を超えてくるとかなり普及が進んでくるようです。
マイナンバーカードの使われ方
1 税金(身分証明書、税申告、戸籍情報など)
2 社会保険(健康保険証、おくすり手帳、ハローワークカード、公的年金など)
3 災害対応(避難所での本人確認など)
の3点に大きく分けれれるようですが、講師が強調していたのは「災害対応」についてです。当たり前ですが、「肌身離さず携帯する」ことが前提となりそうです。
マイナンバーカードの今後
マイナンバー制度導入後のロードマップはずいぶん前に公表されており、そのスケジュールに従ってサービス提供が行われていきます。
例えば、2022年度から順次サービス開始の部分には、「国立大学での活用」、「ハローワークカードとして活用」、「電子版ジョブカード」、「建設キャリアアップシステムとの連携」などが示されています。
また、今後、民間での利用も増えていきそうです。例えば、「新規証券口座開設」や「住宅ローン契約手続き」、「不動産取引」、「携帯電話購入」などにも利用されていくようです。
いずれにしても、これからは、「情報の電子化」や「キャッシュレス化」、「オンライン化」などは避けて通れそうにありません。どうせ、手掛けなくてはならないのであれば、早めに使い方をマスターして、その恩恵を享受したいものです。
FPビジネスの勘所
16時からの2コマ目の講義は、「失敗事例から学ぶFPビジネスの勘所と注意点」と題して行われました。
「喰えているFP」、「喰えていないFP」などの語句が飛び交い、耳が痛い状況ではありましたが、起業2か月目の私としては、しっかりと講師のお考えや事例を聞いて、自身の身に着けたいところです。
「倫理」の科目ですので、コンプライアンスに基づいたお話が多かったのですが、とくに参考になった点は以下の点です。
1 地域に密着した独立系FPビジネスの展開
クライアント(お客様)は誰か?を知ることが大事だそうで、その地域の環境=地域活性化のレベルを理解することが欠かせないようです。そのためには、人口動態調査や商業動態調査、事業所動態調査などのデータから把握していったらという提案でした。
「公共機関・禁輸機関との連携」や「地元有力企業のサポートを通じて」、また、「労働組合への情報提供を通じて」オファーを得たり、活路を開くような事例が紹介されました。いずれにしても「待っていては」何も起こらないということですね!
2 「自分」のビジネス展開を考える
「自分の性格(要素)を知る」ことが肝要だというお話です。人間には、「職人(生産機能)」、「営業マン(営業機)」、「経営者(マネジメント機能)」の3つの機能を有しているが、FPはその他に「起業家(イノベーション機能)が重要で、ここがベースとなっているということです。その上で自分は職人タイプなのか、営業マンタイプなのか、はたまた経営者タイプなのかをしっかりと見極めて取組んでいく必要がありそうです。
3 FPビジネスの発想と肝
サービス業としてのFP業務の特性をしっかりと押さえることが重要だということです。例えば、
①無形化:サービス購入者が事前に見たり触れたりすることができない。⇒ サービスの有形化を高める。(規格・画一化)
②品質の変動制:同一品質のサービスを連続して提供することが困難。⇒ 品質管理(業務マニュアル、教育、アンケート)
③不可分性:生産と消費は同時に行われる。⇒ 受注管理(スケジューリング、会場設定など)
④需要の変動制:サービス需要は、季節、週、時間帯によってもかなり変動する。⇒需要管理・供給管理(価格設定、予約制)
まとめ
今回のセミナーに参加してみて感じたことは数々あれど、一番は以下の1点のみです。
「行動なくして成果は挙げられない」、「前進あるのみ」 以上