「試飲のできるお酒の博物館」ベストテンは?
いよいよ令和5年の幕開けですね。みなさん、こんにちは!「家族信託」や「遺言書」など生前の相続対策に特化した取組を行うディアパートナー行政書士事務所です。成人の方は、年末年始でアルコールを楽しんでいる方も多いかもしれませんね。
今回は新春に相応しい「お酒の博物館」についてです。令和4年11月26日付日本経済新聞電子版「何でもランキング」に「試飲もできるお酒の博物館」のベストテンが掲載されていましたので、その話題を取り上げます。
私も大好きなワイナリー巡り
私もワイナリーをはじめ、日本酒やウイスキーなど「試飲のできるお酒の博物館」が大好きなのです。
先月12月も、静岡県の中伊豆ワイナリー、山梨県のサントリー登美の丘ワイナリーをはじめ、6か所を巡ってきました。どこにも有料試飲があって、そのワイナリーの一押しワインを楽しむことができました。(アイキャッチ画像は「サントリー登美の丘ワイナリー」です)
旅行を計画する際も、つい、「試飲できるお酒の博物館」をメインに旅行行程を組んでしまっています。
今まで、結構な数の「試飲できるお酒の博物館」的なところを巡っていますが、一番感動的で「また来たいな~」と思ったのは、新潟県のカープドッジワイナリーです。カープドッジワイナリーへの旅行については、下のブログで投稿していますが、「GoToトラベル」を利用したものです。ブドウ畑のなかにしゃれたホテルやレストランがあって、大変印象的でした。また、周辺には小規模なブティックワイナリーもいくつかあり、簡単にワイナリー巡りを楽しむこともできました。
さてさて、「試飲のできるお酒の博物館」ベストテンの発表を始めていきましょう。今回の選者(専門家)は以下の方々です。
▽あおい有紀(旅するフリーアナウンサー・和酒コーディネーター)▽今西裕子(「じゃらん酒旅BOOK」編集長)▽狩野卓也(酒文化研究所社長)▽杉野正弘(日本酒蔵ツーリズム推進協議会事務局長)▽高柳直弥(大正大学地域創生学部専任講師)▽富本一幸(トラベルニュース編集長)▽友田晶子(トータル飲料コンサルタント)▽葉石かおり(酒ジャーナリスト)▽福元聖也(「酒蔵.me」管理人)▽古川幹夫(インターネットミュージアム編集長)▽村田和子(旅行ジャーナリスト)▽盛田真史(博物館ライター)=敬称略、五十音順 なお、紹介文中の①は料金、②はホームページです。
1位 ニッカミュージアム(北海道余市町)
【640ポイント 「ブレンダー」の日常に触れる】
ニッカウヰスキーの歴史が学べる博物館。2021年秋にリニューアルし、様々なタイプのウイスキー原酒を組み合わせて新しい製品を作るなど、原酒のブレンド設計をになう「ブレンダー」に焦点を当てた展示などを新設しました。
仕事の内容をイメージしやすいよう、千葉県柏市にあるブレンダー室内に実際に設置されているテーブルを再現し、映像やパネルでもわかりやすく紹介しています。理想の味わいを追求するブレンダーの日常を垣間見ることができ「ニッカウヰスキーのこだわりに触れられる」(あおい有紀さん)とのことです。
「竹鶴」や「ブラックニッカ」などニッカウヰスキーを代表する4つのブランドを紹介しながら、ウイスキーの種類や製法の違いなどを学べる展示もある。「歴史や世界観を知ることができる点が魅力的」(高柳直弥さん)
テイスティング・バー(有料)では限定品や終売となった商品など数十種類のウイスキーが試飲できる。実際に使われていたウイスキーの蒸留器(ポットスチル)を配置した趣のある空間での「味比べもよし」(友田晶子さん)といい、「シングルモルトウイスキーの楽しみ方をうんちくを交えて教えてくれる」(今西裕子さん)。
担当者によると、現時点でのいち推しは「シングルカスク余市10年」と「竹鶴ピュアモルト17年」(在庫状況による)。少しずつ水を加えて風味が変わる様子などを楽しむのがお勧めだといいます。2023年には創業者・竹鶴政孝氏に関する展示のリニューアルを予定しています。
①無料 ②https://www.nikka.com/distilleries/yoichi/equipment/spot2.html
※残念ながら、自分はまだ行ったことがありません。ワイナリーでしたら、北海道でも5~6か所伺っているのですが。ぜひ機会をみて行ってみたいものです。
2位 サントリー山崎ウイスキー館(大阪府島本町)
【580ポイント 原酒ボトル約6000本が並ぶ】
山崎蒸溜所内にあり、本格国産ウイスキー第1号の「白札」から始まる日本のウイスキーの歴史を学べます。「本場に負けないウイスキー造りに取り組んだ先人の奮闘ぶりが伝わる」(富本一幸さん)。
中でもたるの種類や蒸留年・蒸留釜などが異なる、多彩なウイスキーの原酒ボトル約6000本が並ぶ「ウイスキー・ライブラリー=写真=は圧巻」(古川幹夫さん)とのことです。
テイスティングカウンターでは、世に出回らない蒸留したてのウイスキー「山崎蒸溜所ニューポット」(100円)などが試飲できます。「ここでしか飲めないブレンド前の構成原酒の試飲はわざわざ行く価値あり」(狩野卓也さん)。入場は完全事前予約制。蒸溜所の見学を楽しめる有料ツアーもあります。
①無料 ②https://www.suntory.co.jp/factory/yamazaki/facility/
※ここは行ったことがあります!ただ、予約がとりにくかったことが一番印象に残っています(笑)
3位 酒ミュージアム<白鹿記念酒造博物館>(兵庫県西宮市)
【570ポイント 人形で仕込み再現】
日本酒と西宮市ゆかりの花、桜の博物館として1982年に開館しました。江戸時代から続く酒どころ・灘の伝統的な酒造りを紹介しています。明治時代に建てられた酒蔵を資料館にし、等身大の人形で仕込みの様子を再現しています。「井戸や釜場遺構も残っていてミュージアムそのものから歴史を感じられる唯一無二の博物館」(あおいさん)ということです。
酒の歴史や文化を研究する専門の学芸員がおり、「学びのある企画が多数。他とは一線を画している」(狩野さん)。記念館の酒資料室は年2回、企画展示室では年5回テーマが替わるため「複数回行っても楽しい」(富本さん)。隣接するレストランでは白鹿の限定酒利き酒セット(1078円)なども味わえます。
①500円 ②https://sake-museum.jp/
※ここは行ったことがありません。日本酒ではベスト1、機会があったら行ってみたいものです。
4位 サッポロビール博物館(札幌市)
【560ポイント 仕込み用の釡を間近で】
北海道の開拓期から受け継がれる日本のビールの歴史が学べます。2003年まで実際に仕込みに使われていた巨大な煮沸釜を見学できるほか、サッポロビールの歴代宣伝ポスターの展示もあります。「歴史を刻んだ建物内の展示も含めて世界観たっぷり」(今西さん)
解説付きの見学ツアー(大人500円、要予約)では、創業当時の製造方法で再現した「復刻札幌製麦酒」と現代の生ビール「黒ラベル」の飲み比べができます。「北海道に行ったらぜひとも訪れたい」(葉石かおりさん)
①無料 ②https://www.sapporobeer.jp/brewery/s_museum/
※ここは行ったことがあります。北海道は「酒の博物館」の宝庫ですね~
5位 月桂冠大倉記念館(京都市)
【430ポイント 約200点の酒造用具】
江戸時代から続く月桂冠の歴史や、酒だるなど昔の酒造用具約200点を展示。酒造りの工程を学べます。わらなどを編んだ「こも」を酒だるに縄でかざりつける「こも巻き」の実演(日時限定)を間近で見ることも可能です。酒の発酵メカニズムを解説する動画の上映もあり「日本酒について知る場所としておすすめ」(杉野正弘さん)とのことです。
隣接する酒造場と同施設をめぐる酒蔵ガイドツアー(要予約、3000円)も開始されており、利き酒や酒の充塡体験などができ、瓶詰めした酒は持ち帰りも可能となっています。
①600円(おみやげ、利き酒付き) ②https://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/museum/
※ここは行ったことがあります。(あまり記憶に残っていませんが・・・)
6位 菊正宗酒造記念館(神戸市)
【400ポイント 生酛造りの技伝える】
国指定の重要有形民俗文化財「灘の酒造用具」を展示しています。蒸し米と米麹、水をすりあわせる「酛(もと)ふみ」などの工程を経て、自然の乳酸菌で時間や手間をかけて酵母を育む「生酛(きもと)造り」の秘伝の技を伝える。「灘の酒造り文化を感じることができる」(高柳さん)ということです。
利き酒コーナーでは、加熱処理をしていない搾りたての「生原酒」などの試飲ができます。同施設に隣接し、酒だる作りの工程などを実演する「樽酒マイスターファクトリーとともに見学するのがおすすめ」(村田和子さん)。
①無料 ②https://www.kikumasamune.co.jp/kinenkan/index.html
7位 シャトー・メルシャン ワイン資料館(山梨県甲州市)
【380ポイント 日本最古の木造醸造所】
1904年に建てられた、現存する日本最古の木造ワイン醸造所を改装。運営するメルシャンや日本のワインの歴史を紹介しています。明治期に使われていた桶や、ブドウを搾る圧搾機の展示があり「日本のワイン中心産地の甲州で、充実した見学ができる」(福元聖也さん)ということです。
学んだ後は、屋外でワインの試飲(有料)が可能。「開放的な雰囲気でリーズナブルに試飲できるので必ず立ち寄りたい」(今西さん)。事前予約が必要だが、地元ビストロの特製料理をワインと合わせて楽しむこともできるようです。
①無料 ②https://www.chateaumercian.com/winery/katsunuma/index.html
※ここは先月行ってきました。野外でワインも飲めましたが、いかんせん12月、寒かったです!
8位 天領日田洋酒博物館(大分県日田市)
【300ポイント 米禁酒法時代のボトルも】
館長の高嶋甲子郎さんが約40年かけて集めた3万点以上のコレクションを展示しています。米国の禁酒法時代に製造された未開封のボトルや、世界最小とされるウイスキーボトルなどが並びます。中でもニッカウヰスキーの創業当時に使用されていた蒸留器は、工場撤退の際に何度も掛け合って譲り受けた貴重な品。展示の説明は館長自らが担当しています。「収集の苦労やウイスキー愛のトークが秀逸」(富本さん)ということです。
併設のバーも見どころのひとつ。見学後は「ここでしか味わえないハイボールを体験してみたい」(友田さん)
①800円(ソフトドリンク付き) ②https://tenryo-hita-whiskymuseum.com/
※ここは行ったことがありません。九州に行く機会があったら訪ねてみたいですね。(九州では焼酎見学のほか、宮崎県にあるワイナリーさんに行ったことがあります)
9位 男山酒造り資料舘(北海道旭川市)
【260ポイント 秘法の古文書展示】
江戸時代から続く名酒「男山」の造り酒屋から受け継いだ秘法の古文書や、喜多川歌麿らが男山の酒だるを描いた浮世絵など、貴重な資料を展示しています。日本酒の製造工程を動画で見ることもできます。「酒造りに適する自然と酒蔵としての歴史が展示されており、インバウンドを含めた北海道の観光名所」(杉野さん)ということです。
無料試飲コーナーでは3杯の酒が楽しめるそうで、「延命長寿の水」と呼ばれる男山の仕込み用の水は無料で持ち帰りが可能ということです。「容器を持参していきたい。ここでしか買えない日本酒が手に入るのもうれしい」(村田さん)
①無料 ②https://www.otokoyama.com/museum/
※行ったことがありません。北海道ってホント、試飲できる酒の博物館が多いですね!!
10位 池田町ブドウ・ブドウ酒研究所(北海道池田町)
【240ポイント 熟成室の内部体感】
外観が中世の欧州の城に似ていることから「ワイン城」とも呼ばれています。池田町は1963年から自治体経営で十勝ワイン造りを始めました。ブドウ作りが難しい寒冷な北海道で、試行錯誤しながら栽培方法や独自品種を開発した様子を展示から学べます。熟成室に入って、たるでの熟成の様子や温度などを体感でき「アミューズメントパークのようで家族連れも楽しめる」(今西さん)とのことです。
レストランではワインのほか、同町で開発されたブドウ「山幸」のシャーベットも提供しています。「屋上から楽しめる十勝川の眺望もここならでは」(盛田真史さん)
①無料 ②https://www.tokachi-wine.com/kanko/castle/
※ここは行ったことがあります。あいにくの雨模様でしたが、電車の待ち時間までの長い間、レストランでワインなどを楽しんでいました。こんどは天気の日に訪れたいものです!
酒の博物館への訪問、実際は?
お酒の歴史や製造方法を知ると新たな発見も多いことに気がつきます。企業博物館を研究する大正大学専任講師の高柳直弥さんは、お酒の博物館の魅力について「学びだけでなく、館内の展示をきっかけに『昔仕事帰りに飲んでいたな』など思い出を語ったり、ノスタルジーに浸ったりできる点だ」と話しています。
館内や隣接する施設で酒を飲みながら、博物館での学びを体感できるのも何と言っても一番の醍醐味です。
例えば2位の山崎ウイスキー館では、製品の「山崎12年」を作る際にブレンドしている原酒3種類が味わえます。⇒予約が困難なのがよく分かります!
サントリーウイスキー事業部の坊功造さんは「山崎12年とともに飲むと、それぞれの香りや風味の個性を生かしながらウイスキーが作られていることが実感できるのでおすすめ」といいます。博物館でしかできない体験とおいしいお酒をたっぷりと楽しみましょう!
また、全国的にはお酒の博物館はリニューアルが相次いでいるそうです。ランクインしたところ以外でも、エビスビール記念館(東京・渋谷)が新しく生まれ変わる予定だそうです。
注意事項としては、訪れる前にはホームページなどで開館日や営業時間、予約の要不要などを確認してからお出かけてください。
コロナ禍での試飲は?
ここ数年のコロナ禍にあっては、工場見学や試飲を中止しているところも多かったのですが、私自身、先月12月に訪問したワイナリー(7軒ほど)は、全て試飲が解禁となっていました。(工場見学は中止しているところもありました)
ウィズコロナとともに、試飲や工場見学なども徐々に解禁されてきているのではないでしょうか。お正月早々、二日酔いで頭の痛い方にはお勧めできませんが、ぜひ、今年も楽しみましょう、「試飲もできるお酒の博物館」(笑)