「家族信託」に特化したセミナーを開催!

 今年もあと2か月を残すのみとなりました。いよいよ11月ですね。こんにちは、ディアパートナー行政書士・FP事務所 代表の瀧澤です。今月が生まれ月ですので、ひとつ齢を重ねることになります。(ここまでくれば、あまり変化なしですが・・・)

 10月第4土曜日に、家族信託に特化したセミナーを松本市勤労者福祉センターで開催しました。

 今回、一般の方のほか、家族信託に関してタイアップしていく予定の事業者様にもご参加いただきました。

 今後も、毎月第4土曜日の10時から、松本市勤労者福祉センターで開催する予定ですので、興味のある方はご参加くださいね。(2022年3月までは連続して実施していく予定です。ただしコロナが再び急拡大するような状況になりますと中止もあり得ます)

家族信託とは?

 家族信託は、認知症対策の切り札として今注目の相続手法です。

 家族信託は、「ご家族のどなたかに財産管理を信じて託す」方法のことです。家族信託を活用した相続対策を行うことによって、柔軟な財産管理、運用、処分や自分が望むかたちの相続が可能となります。

 財産を後世に引き継ぐ・それを受ける場合、事前の対策がない場合は様々なトラブルに発展することが多くあります。

 そのようなトラブルが起きない、今のうちに対策を立て、ご家族の中で信頼できる人に財産を託し、家族の財産を守っていく、それが家族信託です。

2025年問題ってなに?

 今から4年後の2025年、いわゆる「団塊の世代」800万人全員が75歳以上、つまり後期高齢者となります。2025年問題とは、超高齢社会が訪れることで生じるさまざまな影響のことを言います。

 団塊の世代は、第1次ベビーブームの時期に生まれ、さまざまな分野で日本の成長を牽引してきました。この世代が75歳以上を迎えることで、総人口1億2257万人のうち、後期高齢者の人口が2,180万人に達します。

 2025年問題のうち、ここでは、認知症高齢者に焦点をあてていきます。

 日本の認知症高齢者の数は、2012(平成 24)年で 462 万人と推計されており、2025(平成 37)年には約 700 万人、65 歳以上の高齢者の約5人に1人に達することが見込まれています。今や認知症は誰もが関わる可能性のある身近な病気です。

 上のグラフは厚生労働省の「認知症の人の将来推計について」をグラフ化したものですが、2050年には1000万人を超えると見込まれています。そのころの日本人口は約1億人と推計されていますので、国民の10人に1人は「認知症」という衝撃的な発表資料です。す。

認知症(判断能力なし)になると

 認知症が発症し、判断能力がなくなりますと、本人が法律行為を行うことができなくなります。

 下のマンガのように、不動産の売却ができなくなりますし、まとまった定期預金がおろせなくなってしまいます。

 自分の住んでいた家を売却し、介護施設入所の費用に充てたいと考えても、判断能力が失われると、自宅の売却ができなくなり、一人暮らしだった場合は、賃貸契約することもできず、空き家の状態が続いてしまします。

 金融機関に預けておいた定期預金も、自分名義にもかかわらず、解約することができなくなります。看護・介護費用に充てたいと家族が考えても、定期預金口座が凍結されます。

 そうした場合、金融機関からは、成年後見制度の手続きを行って家庭裁判所が選ぶ成年後見人を立てて、その人に定期預金口座解約をしてもらうよう勧められます。金融機関では、意思能力がないのであれば、成年後見人の関与で手続きしてもらうしか方法がありませんので、当然のことかもしれません。

 ほかにも証券口座の解約ができなくなります。証券口座に入っている上場株式や投資信託を売ることも買うこともできなくなります。いわゆる「塩漬け株」になってしまします。(私もちょっと前まで、違う意味での「塩漬け株」は保有していましたが・・・)

 それに、ご自身の相続税対策を行うことができなくなりますし、兄弟間などで生じた「遺産分割協議」にも参加できなくなってしまいます。(この場合も成年後見制度を利用することになります。)

判断能力が失われると成年後見制度しか使えない!

 今、新しい相続対策として注目されている「家族信託」ですが、判断能力があるうちでないと利用ができません。判断能力を有している間は、「家族信託」、「遺言書」、「任意後見制度」などを重複的に活用して、効果のある相続対策を行うことができますが、判断能力が失われてしまいますと、積極的な運用は全くできなくなります。

 国(裁判所)が用意する「任意後見制度」も判断能力があるうちでないと利用ができませんので、その点は似ていますね。

 いざ、判断能力が失われると、遺言書も作成できなくなりますので、成年後見制度を利用するしか残された方法はないことになります。

 したがって、早いうちに(判断能力が失われる前に)、相続対策を行う必要が出てきます。

成年後見制度は弾力的な運用はできない!

 判断能力が失われたら「成年後見制度」を利用すれば良いのでは?と考える方もいらっしゃるかと思いますが、この制度が提供されてから一定の期間が経ってきましたので、この制度の欠陥が数多く指摘されるようになってきました。

 以前の投稿でも述べていますが、成年後見制度利用の3つのデメリットを挙げていきます。成年後見制度とは、認知症などにより物事を判断する能力を失ってしまった人の生活と財産を保護することを目的として作られた制度です。

 制度の内容は、家庭裁判所が、判断能力のなくなってしまった方の代理人となる人物として、「後見人」を選任し、その後見人を監督することによって、後見を受ける本人の生活と財産を守る、というものです。

 そして、この制度を利用する場合、以下の3つのデメリットを引き受けなければなりません。

【デメリット1】
後見を受けている方の生活や財産に関して裁判所、弁護士、司法書士といった第三者が介入してくる。

【デメリット2】
後見事務の手間が発生する、後見人に対する報酬=費用が発生する。そして相続が発生(死亡)まで続いて、途中での終了はできません!

【デメリット3】
相続税対策や資産運用など、後見を受けている方が所持している財産の変更や活用ができなくなる。本人の財産を守るというのが後見人の立場ですので、「孫の入学のランドセル購入」などは認められなくなります。

成年後見制度は伸び悩んでいます

相続対策をするなら早いうちに!

 以上述べてきましたが、認知症になり、判断能力がなくなると、「成年後見制度」しか選択肢がなくなります。

 そうならないうちに、早めの相続対策を行うことが肝要です。その際には、使い勝手の良い「家族信託」を活用した相続対策が第1選択肢になると思います。家族信託を組成して、遺言書でバックアップ機能を用意し、万が一法律行為を行わなければならない時のために任意後見制度も組んでいく。こういった形で相続対策が行われれば、完璧に近い対策になると思います。

 いずれにしても、相続対策は100人100様。みんな、違ったそれぞれの御事情を抱えています。それぞれの方にオーダーメイドで、最適な相続対策をご提供していくのが、私たちディアパートナー行政書士事務所です。

 ディアパートナー行政書士事務所は、「家族信託」実績が全国トップクラスの法人グループ企業「トリニティ・テクノロジー株式会社」と業務提携して、家族信託に関わってまいります。

地方でも浸透していく家族信託

 長野県においても、家族信託専用の銀行口座「信託勘定口座」をつくれる金融機関が2行ほどあります。(いずれも2020年に制度化されたようです)

 今後、全国の金融機関でも「家族信託」に関連したサービスを行うところが増えていきそうです。(金融機関もニーズの広がりを感じているのでしょうね~)

 長野県に住んでいながら、「全国トップ水準の家族信託を組成できる」というサービスをご提供できるのは、私共にとりましても非常にありがたいことです。

 使い勝手が自由な「家族信託」。長野県内でも浸透していくことを期待しています。

 家族信託は、年1回、国への報告が求めれれていますが、それについて、スマートフォンで簡単に日々入力・管理していける「スマート家族信託」というサービスを、連携しているトリニティグループがご提供していくことになっていますので、そのお話が詳しくできるようになりましたら、ブログ投稿させていただきますね。それではまた。

次回の家族信託セミナーは11月27日(土)10時~

 

 

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